154の4ページー2018年 長月
光眠る喜马拉雅の西壁テラスとはこれか! 9月25日(火)雨 神龍の神託・・・4番目のぷちテラス 朝から雨予報だがテラスから覗くと未だ雨は落ちていない。 冬ほうれん草と蕪の播種と年内収穫予定のブロッコリー苗7本の移植をせねばと大地に想いを寄せながら、 夜明けの光の中で美しい音色に身を委ねる。 ピアノがほんのわずかに白み始めた身廊内部で振動し、鋼が柔らかな羊の毛を打つ度に ビッグバンへの予兆となって、肉体は祭壇へといざなわれる。 生命がコスモスと祀りを共にする豊穣な刹那。刹那を振り切って、夜の白み始めた畑に飛び出す。 夏が去り最早決して赤くなりはしない蒼トマトを何の未練も見せず引き抜き、支柱を取り去り石灰、鶏糞を施し耕運機を掛ける。 耕せば耕す程豊かになる畑。 凍てついた大地をものともせぬ、強い生命が生み出されることを願い、 繰り返し繰り返し丁寧に大地を掘り起す。 |
この糸杉の上にですか! |
撤退じゃ! 10日からベランダ取り付け、 13日ドアサッシ交換工事、 内外部コンセント新設、ガス栓移設、 14日、15日クロス張であった予定が 1週間以上延びてしまった。 ベランダを取り付ける内壁位置に 鉄骨など補強材が無いことが、 取り付け寸前に解り 急遽ベランダ工事を中止。 |
問題は西壁内部の補強材の位置! |
ベランダの長さは2間(3m64cm)で 西壁の南端に固定し、 3m64cm離れた玄関上の出窓近くで もう一方を固定する。 その位置には骨組が内壁にあるので 問題ないが、その位置に固定すると 出窓の開放部とベランダの手摺が ぶつかってしまう。 そこでぶつからない様にサイズを やや短くしたため 内壁の骨組から逸れてしまう。 そんなことは見積の段階で 業者は理解できた筈。 実際業者は山荘の図面をカメラに収め、 骨組の位置など解っているのだから 当然手を打っているだろうと思っていたが、 何もしていなかったのだ。 まさか取り付け工事を始めてから 取り付け業者にミスを指摘され、 |
図面では出窓の開閉部に近すぎる! |
工事中止だなんて! とまあ、そんなわけで先ずは 大工工事で内壁を剥がして 補強材を新たに加えて、その後で ベランダ取り付けとなり、 工事予定が 1週間以上も伸びてしまったのである。 工事するイオ部屋や 資材搬入路に当たる廊下、階段、 玄関などのオブジェ、本箱等の 撤去をしたままの状態が続き、 生活が不便で この1週間以上にわたる 工事延長はダメージ大きい。 予定通りなら今日は 工事が終わり片づけが出来る日。 外での活動が出来ない 今日のような雨の日は、 片付けなどの室内作業には まさにぴったりの日なのに残念! |
特注してテラス幅を縮め! |
西壁の此処に補強材を入れる |
うーん、工事出来ないので今日は撤退! |
雨の日は駐車場が作業場 |
昼も夜も続く工事 昨夜は夜9時まで ドアサッシの工事が続く。 昨日からの雨で 資材の加工が前庭で出来ず、 屋根の在る駐車場での作業となる。 切断してはゲートから 雨の中、前庭を通って 2階のイオまで運び上げる。 加工、運搬、、ドアサッシの工事まで 職人1人で熟さねばならず 時間が掛かる。 夕方になってフレッシュハウス 営業員の長澤さんが 応援に駆け付けたが、中々進まず 駐車場の照明を入れ 作業を続け、 どうにか夜の9時に取り付け完了。 |
今朝はテラス下の糸杉の周りに 直径4m程の溝を掘り 2度目の施肥。 数年前に育ちすぎた糸杉が イオの出窓を覆い、 景観を奪い始めたので梢を切断したが、 それ以来どうも元気が無い。 2日前から糸杉の頭上の光を 新築テラスが遮るようになったので、 今後益々元気が無くなり 下手すれば枯れてしまう惧れもある。 ≪おれはひとりの修羅なのだ (風景はなみだにゆすれ) 砕ける雲の眼路(めぢ)をかぎり れいろうの天の海には 聖玻璃(せいはり)の風が行き交ひ ZYPRESSEN[ツィプレッセン] 春のいちれつ≫ |
時刻は夜9時、本日は終了! |
出窓の取り外し |
山荘庭の樹木には夫々の 想いが込められているが、 この糸杉は≪春と修羅≫に描かれた ツィプレッセンそのものであり、 何としても枯らしてはならない。 テラスからの雨樋の水も 水分不足を配慮して、糸杉に 流れるように配置したが日照りが 続くときは散水もしてやらねば。 |
ガス、電気もテラス用に |
ドアサッシ取付 |
玄関、階段、廊下、イオまで保護シート |
夜の作業が続く |
パテ塗りしてクロス張り |
いよいよ工事も最終段階。 保護シートを剥がし 廃材置き場に運び清掃。 最初にせねばならぬ仕事は FFストーブの設置。 壁に開けた排気口と ストーブ本体の排気口との接続が デリケートで難しい。 25年も使用しているストーブが 果たして稼働可能か? |
序に寝室クロスも修理 |
3輪残った奥庭の中野椿に寄り添う曼珠沙華 屈しないぞ、めげないぞと自らに言い聞かせながら 更に闘いを続け どうにか落葉プールらしくなり、勝利の鬨の声を上げる。 勢いに乗って此処十数年に渡って 闘い続けてきた宿敵雑草との対決を覚悟。 実は一度も勝利したことのないこの宿敵、名前さえ知らないのだ。 勝利するには先ず敵の正体を知らねばとネット検索。 何しろ取っても取っても執拗に生えて来る強敵。 |
世界最強の敵・浜菅 凌霄花が我が物顔に蔓延り他の雑草も便乗し、 とても雑草取りなんぞ出来る雰囲気になく落葉プールは いつしかアンタッチャブル。だが逃げてばかりいてはいかん! 今日こそはと堅い決意。鍬、刈込み鋏を構えてプールに乗り込む。 鍬を振り上げ強靭な蔓や雑草と闘うこと30分 やっとプール底の枯葉が現れ、そこからが勝負。 |
海老の創作曼珠沙華じゃ! |
前庭の小紫式部 |
きっと名の在る強者に違いないと ネットサーフィンしたが、ありゃ不思議、 芝生の雑草は多々あれど どれも山荘の宿敵とは異なる。 広葉1年草、多年草には お馴染みのコニシキソウ、ツメクサなどが あるが、敵はイネ科である。 |
踊り場窓の木通 |
それも多年草であるから かなり的は絞られる。 スズメノヒエ、チガヤ、チカラシバと あるが、いずれも異なる。 うーん一体、貴奴は何者なんだ? 更にネットサーフィンを続けること30分。 遂に捉えた! その名はハマスゲ、 浜でも生える浜菅に間違いなし。 ≪ハマスゲは、芝生や畑で 猛威を振るう雑草で、 世界的に最強の部類の強害雑草 として認識され、 駐車場のアスファルトなどを 地中から押し上げて 生えてくるほどの強靭さと、 地下に生える塊茎で増える 繁殖力から防除が難しい≫ とあるでは! |
前庭の最後の油蝉 |
それだけではない。 こいつマゾヒストなのだ。 深く蔓延った根を耕運機などで耕し、 ズタズタに切断すると、 大喜びして切断された数だけ 更に根を増やし増殖する。 そうだ! 思い出した。全敗ではない。 中庭の芝生に 無限増殖を始めたこいつと 5年間闘い続け、 遂に中庭から追放した記憶がある。 やれば出来る。不可能ではない。 とはいうものの西畑の浜菅は 中庭より遥かに広く蔓延り、 取っても取っても 直ぐ生えて来て、とても 太刀打ち出来るとは思えない。 |
ゲート前の栗を収穫 |
≪浜菅の同定は 三角形の茎で決まる≫ とあるので早速茎を切断して 顕微鏡モードにした カメラで覗くと、確かに三角形では! ゲートで収穫した栗を食べながら、 同じゲート近くで蔓延る 最強の敵・浜菅の殲滅戦略を練る。 若しかして調理して喰ったら 浜菅の生命力の強靭さが 仙人に乗り移りはしないか! と救い難き仙人。 |
強害雑草・浜菅の茎 |
宮澤賢治全集だけを残し本棚整理 |
新星イオ 思い切って横型の本箱を 縦型にして ぎっしり詰まった本を整理しては! ありゃ!そうすると 棚板が合わず固定出来ない。 そんならいっその事、 がっしりした箱に入って居る 賢治全集を棚板の 支えにしてインテリアしてみたら! 白のスピーカー2つと2千曲も 入ったMP3プレーヤーを アレンジしてチベットの 考える爺さんを 棚の最上部に乗せてと。 さあ、これでどうだ! |
想いを込め 可能な極限まで接近し、 触れんばかりに木星を 巡り続けるイオ。 強大な木星の 重力とイオの2倍もある エウロパと4倍もある ガニメデの重力に引かれ 軌道共鳴を生じ、 イオは激しく揺さぶられる。 軌道共鳴は潮汐力となって イオを熱く燃え立たせ 高さ200~300kmに達する 大噴火で イオの自己実現を果たす。 そう、お前の願いは 何の気兼ねも無く飛び跳ねる ことの出来る宙へ連なる 広いテラスを持つことだった。 さあ、テラスは完成した。 無為な噴火から 宙への飛翔と自己実現を メタモルフォーゼさせるんだ! |
テラスから宙に出られるとイオ大喜び! |
最上段はチベット仙人 |
マクタン仮面が睨み 階段のマサイ族の槍と呼応するドラム |
3段目は桜貝ランプシェード |
本棚の最上段で 考え続ける チベット仙人がポツリ。 ≪そりゃ宙に飛び出せばイオは 自由になって 究極の自己実現を果たすだろう。 だが同時にイオは イオでなくなってしまうのでは! あの巨大な太陽系最大の惑星から 激しく引かれ、 大きな仲間エウロパやガニメデの 重力に自由を奪われ その結果、イオは天空へ吹き上げる 激しい生命を得たのでは! |
≪おれはひとりの修羅なのだ (風景はなみだにゆすれ) 砕ける雲の眼路(めぢ)をかぎり≫ その春と修羅を胸に抱いて ≪聖玻璃(せいはり)の風が行き交う≫ ツィプレッセンの待つ テラスへ出た途端、お前は、 エウロパやガニメデを失い、 木星に決別を告げることになる。 もう2度とあの激しい生命の汁を 天空に吹きだすことは無く、 ただ寡黙に虚空の深遠を 永劫に流離うしかないのだろう。 さてイオにその覚悟は出来ているのか!≫ |