1533ページー2018年  葉月

奥庭で蝉りする野生猫
8月13日(月)晴雷雨 どーら顔を良く見せてごらん!

野性を捨てニャーニャー甘えた声を出して餌を強請っても仙人に無視され続け、遂に自ら狩を始めた。
奥庭の李の木に登り何かを狙っている。
鋭い目を樹上の一点に据え、じりっ、じりっと迫っていく。
キッチン出口のコンクリ床に寝そべって、ニャーニャー甘えた声を出している
同じ猫とは思えぬ緊張感と精悍さを全身に漲らせ、
豹やチーターに成りきっている。

仙人の目論見は見事当った。
美しさの質が根本的に異なるのだ。餌を与えられ、為すことも無く寝そべっている猫は既に猫ではない。
生きるか死ぬかを賭けた、獲物を捕らえる時の華麗な動きを忘れ、毛並みをブラッシングされ
生きた縫いぐるみとなり果てた猫に、ほんとうの美しさは無い。
お前は豹やチーターにだってなれると知っていたにも拘わらず、忘れようとして飼い猫なんぞを夢見た。
しかし夢は仙人に打ち砕かれた。

その顔つき、なかなか精悍で様になってるぜ!



指の爪は狩に欠かせないぜ!


しっかと獲物を見据え跳躍の瞬間を窺う。
獲物はどうやら蝉のようだ。
庭を歩いている猫が
突然高くジャンプし、蝉を捉え

食べている場面は時々見かけたが、
木に登って本格的に蝉を追って
狩をするなんて
考えてもみなかったので興味津々。

二俣に分かれた幹まで降り
右手を俣に置き、
左手の先を直角に曲げ幹に掛け、
右前方を睨み獲物との間合いを計る。

距離が遠いと判断したか、
更に右脚をいっぱいに延ばしソロリ前進。
両脚の指の間から白い針の様な爪を出し、
らんらんと光る黄色い眼で
 
獲物はあれだ!



狩の邪魔すんなよ


そんなところでウロチョロされたんじゃ
狩なんかできやしないぜ。
餌もくれずその上、
狩の邪魔までされたんじゃ、
こちとら生きていけないぜや!≫ 

ごもっとも様です!
だがしかし、生きていけない場所に
バリアを張って生き抜く
凄い奴も居るんだぜ!
これ以上近づくと
逃げられてしまう限界距離まで迫るか、
はたまたそれ以前に跳び掛かり
獲物を捕らえるか暫く観察していたが、
仙人の視線を感じてカメラに振り向き狩を断念。
≪邪魔なんだな、
 
昼下がりの狩は暑いぜ


槿の花芯奥にんでいるのか!
ピロリ菌はバリアを張って植民地を造るんだって!

≪有人火星船の運用を2022年か24年ごろから始め、40年から100年をかけて100万人を送り込み、火星に自立した文明を築くのだ≫
 と述べたのが、政治家であれば大法螺吹きとして相手にもしないが、
発言者が米国の宇宙企業スペースXのイーロン・マスクCEOとなると、「マジかよ!」と半信半疑くらいにはなる。
これ極めて真面目な2年前の2016年9月28日に開かれた国際宇宙会議での発言。

演題は『Making Humans a Multiplanetary Species(人類を多惑星へ播種する)』。発言は更にこう続く。
≪ロケットの仕組みや火星までの飛行方法などを根本から見直し、
原理・原則にしたがった最適な方法を取れば、一人あたりのコストは2000万ドルにまで下げられる≫

 まっ、日本円にすると20億円以上になるので決して安くは無いが、世界の軍事費と比較するとただみたいなもん。



伐採後の前庭に咲くムクゲ
因みに米国の年間軍事費は
6111億8600万㌦、
中国は
4118億4400万㌦、

インドは
2153億8400万㌦、
ロシアが
1833億9600万㌦で
この上位4か国の


おいでと槿が招く
1年間の軍事費だけで
142兆1810億円となる。
日本の国家予算100兆円を
上回っている。

この4か国の1年間の
軍事費を
宇宙飛行士コストに換算すると
71万0950人を
火星に送り込めることになる。

槿は語る
つまり人類が戦争を止めて,
平和に専念し
宇宙への旅を志すなら、
100年かけて100万人を

火星へ移住させる
こともコスト上では、
不可能ではないと云うことになる。


火星を地球化してもうぜ!
居間のヒマラヤの石を刺し貫く夜明けの光

問題は100万人もの人類の生活に必要な水を得るというテラフォーミングが可能か否かである。
3日前の2018年7月31日17時、コロラド大学の大気宇宙物理学研究所のブルース・ジャコフスキーと
北アリゾナ大学の物理天文学部のクリストファー・エドワーズの2人は、
≪温室効果を利用して火星の土壌から二酸化炭素を取り出し

大気中に放出しても気温の上昇幅は10℃程度にとどまり、
氷の状態で存在して居る氷を液体に変えることは不可能である≫
と述べた。
となると移住した100万人もの人類は火星表面にバリアを張ってその中で生きていくしかないのでは!



俺、火星のバリア!と蜘蛛貝

鼻から入れた胃カメラは鮮明に仙人の火星表面を映し出していた。
35%濃塩酸を100倍に薄めたpH1~1.5の胃の中は、非常に強い酸性で生物が生きていける環境ではない。
36年前の1982年に消化器内科研修医マーシャルたちの共同研究によって
ピロリ菌の分離培養に成功するまで、胃には細菌は住めないと考えられていた。

常識はひっくり返された。非常に酸性が強いのであればその酸を中和すれば住めるのではとピロリ菌は、
≪ウレアーゼ≫と云う酵素を用いて胃内にある尿素をアンモニアと二酸化炭素に変え、
胃酸を中和させたバリアを張り、生きていける環境を作り出すことに成功した。


ピロリ菌バリア術をパクレ!

そのバリアが初めて発見されたのが胃の出口を意味するピロルス(幽門)だったので、
ピロリ菌なんぞと可愛らしい名がつけられたのだとか。 
平均気温がマイナス43度と非常に低く、大気圧も地球の1%未満という環境の火星で人類が住むことは出来ない。

この常識をひっくり返し火星に人類を大量に移住させようとの計画が、
ピロリ菌のパクリであることは云うまでも無い。
胃内にある尿素が火星土壌に含まれる二酸化炭素であり、そいつを使って
大気温を上昇させ氷から水を作りバリアを張り火星表面に棲み付く。


萎縮性胃炎と呼ばれる白いバリアか!

鮮明に映し出された自らの胃内部画像を観ながら話すことは、経口カメラでは出来ない。
経鼻カメラなので画像の撮影者との交信を試みる。「どうですか、移住者は居ますか?」
 「ピロリ菌は胃の真ん中・胃角に萎縮性胃炎と呼ばれる白いバリアを張ったり、

前庭部、胃角部、体下部小弯に鳥肌胃炎のバリアを張って
胃の粘膜内部に潜んでいるが、どうもその気配は濃厚ですね。
この画像を他の医師にも観てもらい判定してもらいましょう」
 

プロビオLG21を加えて全面戦争じゃ!
卓上ランチョンマット:白い蜘蛛貝に変身したピロリに迫るLG21

仙人としては複雑である。非常に強い酸性で生物が生きていける環境ではないと云われた世界に、
常識を打ち破ってバリアを張って移住してきたピロリちゃんを歓迎すべきか、排除すべきか!
≪そりゃ排除すべきに決まってるじゃろ≫と仙人の火星は即断。
となるとピロリ菌は怒り狂い、火星移住計画も排除の運命にあるのだとばかり仙人の胃の中で暴れまくるのだ。

そうか、そんなら仙人主食のヨーグルトはいつものLB81に
ピロリ菌をやっつける明治プロビオLG21を加え、ヒマラヤの石と共闘を組ませて、真っ向から対決させよう!
しかし塩山のスーパーマーケットにLG21なんて在るのか?
で、電話したら「112g、135円です」とのこと。早速5つ買い込み闘い開始!

はてさて、それらしくヨーグルトなんぞを振りかざしているけれど、火星移住計画を必然と考える仙人は、
辺境の絶望の地にやって来た果敢なパイオニアを、本気で殲滅する気があるのかね!
仙人の胃カメラ物語はどうなるのか。

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