その150の1ー2018年 皐月
月の花が咲いた!水晶峠に近づく満月 4月29日(火)曇18時49分 現在小倉山の頂、2階書斎テラスから 満月と観ている自分つまり地球を直線で結んでご覧! そのまま直線をグングン光の速さで延ばしていくと、8分19秒で太陽に到着。 小倉山の天辺から満月が現われたと云う事は、西の扇山山稜に太陽が沈んでいくよと直線が知らせているんだ。 6月21日の夏至に向かって太陽は天空を駆け巡っているから、未だ未だ月は水晶峠に近づくよ。 水晶峠が解らないって! ほら今、満月の出ている小倉山の山頂から右へ下ると、稜線が凹んで鞍部になってるだろう。 あの鞍部が勝手に仙人が名付けた水晶峠なのさ。 太陽が北回帰線に達して扇山の稜線に沈む時、太陽と地球を結んだ直線上に月が来れば、 見事な満月が水晶峠から昇るんだけど、その日の月齢は8日くらいだから残念ながら観られない。 けれど、1週間後の27、28日あたりが晴れれば水晶の輝きを放って 満月が姿を現すかも!。そんな日が在ると想えば、随分元気になれるね! |
星々の誕生 (蒲公英の結実 林檎畑) |
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月を孕んだ蒲公英 4月29日(火)曇18時49分 林檎畑 テラスにオーディオを設置して初めての野外音楽会で鳴り響くトランペット、 3,5,7・・・と奇数を分母に打ち込んでいくピアノの音色、芽をふいた楓や夏椿に命を奏でるオーボエ。 今まで開かれた山荘音楽会でも、決して聴くことの出来なかった妙なる多彩な音色の奔流にうっとり! ヘトヘトに負けて扇山に登らず音楽会に臨んだら、 きっと聴こえなかった音色なのだよと、ボン・シルバーが偉そうに云う。 悔しいがボン・シルバーめ、いつも仙人の痛いところを衝きゃがる。 |
次々と花開く牡丹 |
女王だね |
華麗なる女王が やって来るのを待っている。 ほんの僅かに緑の蕾が膨らみ、 光を吸うごとに赤みを帯び やがて桃色の花弁が おずおずと姿を現す。 それから大胆に大きく花弁を開き、 太陽を花芯の最奥部まで 受け入れ激しく謳う。 謳い終わるやハラハラと花弁は散り、 華麗なる女王は 跡形も無く消え失せてしまう。 |
桃色の花弁を見せてから 消え去るまで華やいでいた仙人の心象は、 緩やかに翳に覆われる。 1年待たなければ 再び逢うことは出来ない。 果たして1年も待てるだろうか! いいや、待つより創り出すことが出来れば、 いつでも逢うことは可能になる。 華麗なる女王が謳ってくれた、 あの激しい生の叫びを描いてみよう。 赤血球を絵筆にしたら 春の太陽を再現できるのでは! |
花芯を貪る青花潜り |
花粉がご馳走 |
狂乱する赤血球と散り行く牡丹 5月4日(金)晴 奥庭 どうしたら取り出せるんだろう!青花潜りなら知っているかな! ≪あのさ、心の中でははっきり、しっかり映っていて確かに見えるんだけど、どうしても取り出せないんだ。 どうしたら動脈を走り回る赤血球と星々を取り出すことが出来るかな?≫ ≪そんなの簡単さ。さあ、この花粉だらけの緑色の甲虫マントを着て、牡丹の花芯に潜ってごらん!≫ 仙人は半信半疑でアオハナムグリのマントに袖を通して、牡丹の花芯に飛び込みました。 それがこの画像らしいのです。 つまり仙人はアオハナムグリの甲虫マントを着て、自らの心象風景に飛び込んだと云うわけだ!、 |
薔薇の翳に咲いた芍薬 |
芍薬も飾ってあげよう |
テラスから石段を見降ろすと 薔薇のアーチを 額縁にした山郷が浮かびます。 3つのアーチの内 一番手前のアーチは頭上に 雪富士を載せて それはそれは中々の見物です。 あれっ、観えない! |
そうなのです。 冬の間レストラン・テラスは 休業していたので 富士山が観えなくなっていることに 気付かなかったのです。 さあ、どうしよう! |
たった一輪だけ! |
薔薇が延びてテラスから富士山が見えないぞ! と思って取り掛かってみたら、とんでもない! 蔓薔薇は当然の如く蔓なので、 互いに絡み合い、長く長ーく何処までも伸びていて パチンと伐って、 ハイお仕舞と云う訳には行かないことに気づいた。 切断した長い枝は無数の鋭い棘で武装し、 引張っても簡単に動きはしない。 引張るには枝を握らねばならぬが、棘があって握れない。 |
アーチ薔薇剪定人登場 そりゃ、やるっきゃないでしょう。 梯子を掛けて長い剪定鋏でチョキチョキやれば、 ものの数十分でいっちょ上がり! |
アーチの上部を伐らねば! |
痛ててって! |
両腕共に血だらけ! |
そこで棘と棘の間に指を入れ 引いてみたが、 それでは十分な力が籠められず 枝はビクとも動かない。 そんなら長ーい枝を短く切断すれば 動くのではと アーチに絡み着く枝を追って 彼方此方梯子を移動しては切断。 |
と記すといとも簡単に観えるが これ薔薇を掻き分けるだけで大変! 手袋をしていても 棘は情け容赦なく突き刺さり、 シャツの上からも腕を襲い、 彼方此方血だらけ。 途中で止める理由を考える。 ≪これから咲き始める美しい薔薇を 伐るなんてもったいない。 咲き終わってからにしたら!≫ |
思ったより危険! |
これって最悪かも! |
さあ、富士山がばっちり観えるぜ 5月4日(金)晴 ボン・シルバーと雪富士 ≪ふ、ふん咲き終わってからだって!よく云うよ≫ その呟きはボン・シルバーか! 微かな侮蔑と嘲りの篭ったような、しわぶきの如き白骨のモノローグ。 そいつを聴いちまったら、最早仙人は後戻りできない。意地でもやるっきゃない。 手や腕からの出血を観て薔薇剪定を止める理由を頭に浮かべた途端、 即しゃしゃり出て来たボン・シルバー。 ボン・シルバーは仙人の弱点を知り抜いていて、いつも実に絶妙なタイミングで登場。 その結果、雪富士が観えるようになるまで血だらけになって仙人は剪定。 そーら、観てごらん、雪富士はご覧の通り現われたぜ! この勝負、ボン・シルバーの勝ち! |