その1473ー2018年  如月

人魚のようにになってぶカルトン村の女の子
陸の孤島から船に乗ってカルトン村へ 2月3日(土)晴

≪見ーつけた!≫と裸の女の子を見つけて、早速跳び寄る仙人。
未舗装のデコボコ道の横にある村の共同水道で遊ぶ女の子が、恥ずかしそうな視線を投げかける。
嬉しくなって駆け寄るが、女の子たちはもじもじして離れてしまう。
≪おいでよ!≫と呼びかけたら真剣な顔して戻ってきた。

今日は土曜日なので学校は休み。≪えっ、この小さな村に学校があるの!≫
道路の反対側、すぐ目の前が小学校なんだって!
ちょっとだけ覗いてみようかな。でも休みだから閉まってるかな。



マリカバン湾の対岸へ
写真付きで生徒の名前が
張り出されている。
さっきの女の子は何処かな?
生徒は何人いるの?

「この子がそうです。24人の生徒が
2つの教室で学んでいます。
でも1つは準備展示室で
いつもは同じ教室で勉強します」

戸数20軒程に観える村に学校があるでは!
そうか、それで1つの教室に
大黒板が2つあって
机がそれぞれ半分だけ黒板に
向き合っているのか!


先生2人今日は土曜日で生徒無し
脚を折り曲げて
小さな机に座ってみる。
この村で漁師の子供として生まれ、
今年やっと1年生になって、
机に座った仙人。

生徒になって小さな机に座って!
この教室から世界を覗くのだ。
大きな果てしも無く続く
ブスアンガ島が
実はパラワン島の北に位置する
小さな小さな島であると
もうすぐ知るのだ。

アルファベットから勉強



静かに此処は学校です

平らな場所が無く急峻な崖を切取って
建てられた細やかな学校。
2つの小さな教室は
子供達の夢がぎっしり詰まった宝石箱。
その新鮮な驚きの瞬間を想い、
心が躍る。
 
ヴィンセント君が村を案内してくれた



お母さんは共同水道で洗濯

お父さんはアウトリガーの取り付け
大きな盥で洗濯するお母さん。
共同水道は
子供達だけでなく誰もがやって来る
大好きな場所。
海ではお父さんが
船にアウトリガーを取り付けて、
船出の準備。

船を安定させるアウトリガーに乗る仙人

リゾートから迎えの高速船



ようこそ、el rio y marへ

 
残照の一瞬が実に美しい!



レストランに灯が燈る
真っ白で何も書かれていない
一日が始まり
真っ白のキャンバスに
適当な線を引いてみたり
気紛れに色付けしたりして
≪陽のあたる地獄≫の1日が終わる。

陽が翳ると
混沌仙人の胃袋が騒ぐ。
いよいよビアタイムだぜ!


桟橋で夕刻ヨガ

能天気な仙人の一言に
物言いがつく。

≪えっ、何だって地獄だって!
何処を探せば
地獄があるってんだ!

勝手に御絵描きなんぞしていて
地獄はないだろ!
そんなら真っ白なキャンバスなんぞ
ビリビリ破ってしまえ≫


幻の人魚に乾杯!

どうも単純な仙人め、
今読んでいる中村真一郎の
≪陽のあたる地獄≫に
感化され、地中海の人魚荘と
el rio y mar が
渾然一体となってしまったのでは!

此処は地中海ではなく
ブスアンガの海だぜ!

 
カサモレナ34からの海
 
カサモレナ桟橋

月光の海がヒタヒタと心象に 



カサモレナの海・ハウスリーフの珊瑚海
再び物言いが。

≪夜明けを筋トレで迎え、
渚をジョギングしたり
彷徨い歩いたり・・・・・。
飽きればレストランに出向き
のんびり時間を掛けて朝食をとり
気の向くまま
シュノーケリングしたりカヤックで
海に乗り出したり。
山に登ったりダイビングしたり。
それなのに
この陽のあたる海の何処に
地獄があるんじゃ!≫

そりゃ地獄が陽もあたらぬ
美しくもないと云う
前提条件でしか成り立たぬ
撞着語法に
弄ばされているだけ。

美や悦びそのものが
実は地獄と同質の回廊で
結ばれていると
気づいてしまったら
どうする?

白いヨットがひっそり佇む海 ハンターピークより



パドルボートのシエスタ
こうも能天気な画像を並べると
如何にも老後を愉しむ
混沌仙人にしか観えない。
で、実際仙人のサングラスから

画像を覗いて観ると
ありゃ、何やら
死の直前の78歳の
中村真一郎が見え隠れしてるでは!


海を褥にゆらり

硝子の様な透明な海へ

パドルボートもカヤックも無料
陽のあたる地獄


「そうして、おれは、
陽のあたる地獄の中の、
夢ともうつつとも判らぬ
時間のなかの彷徨に
転落して行ったのだ・・・・・。」 


≪夢ともうつつとも判らぬ時間≫が
電気ショック療法で
失われた38歳の1年間の
空白の記憶と絡み合い、

新たな白痴状態の
発作が中村真一郎を襲い
『四重奏』最終楽章は終わったと
感じたが、ザラザラとした
違和感が残る。

78歳、死の1年前に
書き上げた「陽のあたる地獄」で
描かれるカトリックの
修道女となったジャンヌとの禁断の
性交そのものが
「陽のあたる地獄」だったのか!

カヤック逍遥も愉快!
 
海に浮くスパハウス
 
頂から観えた白いヨット
 
海上のスパは最高!!

しかし指圧師は何処?

ウェブ アニメーター
仙人の心象スケッチ
 
 
  ウェブ アニメーター
いざ、心象へ出陣! 



ハンターピーク登山口
 修道女となった実の娘を
モデルにした
としか考えられぬ修道女・ジャンヌが
齎す白痴状態の発作は、
新田瑛子を背景にした

妻、娘、カトリック修道女への禁断を
通奏低音にし、
ジャンヌへのアナルセックスで
引き金を引かれる。

稜線上の十字架

蓋つき食虫植物・ウツボカズラ

極楽鳥花

穴に墜ちた虫は穴に同化
  「後ろ(デリエール)は許して!」・・・
そうして、おれは
彼女のその言葉に逆に
指図されるような思いで、
彼女の後部を差し貫いていた。

 
左がマリカバン湾、右はスル海
39歳で妻・新田瑛子(文学座女優)
自殺で失い、
精神を病み中村真一郎は
電気ショック療法を受け、
おそらく妻との
壮絶な確執であっただろう1年間の
記憶を失なう。
 
マリカバン湾を眼下に
 
後方にシエラデルタの三角形が見える
 
急峻な登りで誰も登らないとか

手前がメイン桟橋、奥がモレナ桟橋
禁断が、留まることなく
移り変わる社会体制、
構造、文化から必然的に
排出される
倫理観でしかないと認識し、

島全体がリゾートのパラダイス


ジュゴン・センターの写真集で人魚研究じゃ!
午後は読書タイムで小さな図書館やセンターの本を漁る

その倫理観に捉われながら禁断をスパイスにし
生きる術を身に着けた中村真一郎にとって、
死の1年前に還る場所が、果たして新たな白痴状態であったのだろうか!
 白痴となって失うことでしか還れないと、中村真一郎が悟ったとは到底思えない。 



読書・「陽のあたる地獄」人魚荘にての章を読む

小さな図書館のシャコガイ人魚
ざらざらとした違和感の
奥に潜む「陽のあたる地獄」の
正体を暴かねば!

なんぞと思い切って脱線し、
中村真一郎を
眺めて観るのも頗る愉快。
さてさて肝心の仙人なんぞ、
白痴にもなれず
三途の川をウロウロ、
うろうろ彷徨うだけで、

何処にも還れないのでは!
と山荘住人たちは申しております。
ごもっとも、ごもっとも!

ジュゴンセンターのブランド

読書ときどきシエスタ


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