その1472ー2018年  如月


リゾート前のハウスリーフで魚の乱舞とは!
メール来る

坂原様
お世話になります。
ワールドツアープランナーズの
内田と申します。
遠藤に代わり、
ブスアンガツアーの担当を
させていただきます。
よろしくお願いいたします。

ブスアンガについて、
ライフライン事情等をお知りになりたい
とのことですね。
当社でもまだ視察に行った
スタッフがおらず、
現在、現地情報を入手して
いる最中
でございます。
少々お待ちくださいませ。

今回も市場で仕入れた食材を
ご自身にて
調理されるご予定でしょうか。
当社で取り扱っている
ダイビングショップ併設の
エルリオイマルリゾートですが、
残念ながらゲスト利用可能な
調理場がございません。

 
また、市場へ行かれるとなると
中心地コロンへ
お越しいただく必要があるかと
思いますが、
エルリオイマルリゾートは
島の北側、コロンは南側となっており、
とても離れてございます。

今回は、
ジュゴンダイビング目的として、
エルリオイマルリゾート滞在で
お楽しみいただければと思うのですが、
いかがでしょうか。

なお、1月下旬で
空室状況を確認したところ、
1/11-1/16、1/23-1/31で
空きを確認いたしました。
あくまで空き状況ですので、
変動する可能性がございます。
ご都合いかがでしょうか。

魚群に突入しても魚は逃げない



2月1日6時23分、陽が昇る

成田空港のコンビニでビアを買い込み
いつものようにベンチに座って
滑走路を行き交う飛行機を肴にして搭乗までの
待ち時間を過ごす。
此処まではいつもの出発光景。

機に乗り込むとネットで予約しておいた座席は
ビジネスクラスとエコノミーの間にある
プレミアム・エコノミーで
13.3インチの個人用モニターとUSBポートが設置され
シートピッチも幅も広くエコノミークラスとは
カーテンで仕切られて静か。

こんな座席が同料金で指定出来るなんて知らんかった!
その上、空いていたので3つの座席を
ベッドにして早速ゴロリ。
夜明けのフライト
2月1日(木)晴 セブ島→ブスアンガ島へ

≪急性鼻水過多症候群≫なんて病名が無いとは、
現代の最先端医療はどうなっとるんじゃ!
と混沌仙人は喚き散らすが
喚いたところで数秒間隔で垂れ続ける鼻水が止まる筈がない。


PR2682便セブ島5時半発→ブスアンガ島着7時 




 ディミパック島は小さいけど600人程の漁師の村があって、蛸漁が盛ん。1kg、200ペソ(500円程)で売ってくれると云う。
幾ら何でも600人は居そうもないので60人じゃないの?と訊き直したらいや、600人だと云う。
じゃ、今夜は蛸の刺身で大吟醸の菊正宗をオンザロックで愉しもうかと
200ペソをブランドに渡したが600人の島には上陸できず蛸刺しは断念。やはり60人の島だったのでは!

そのすぐ下
(南)のカラウィット島(Calauit Is National Park)にはアフリカの野性動物が放し飼いになっているので、
ちょっくら観て来るかと計画したが、予約しておいた夜明けのボートは姿無し。
島が広すぎて朝の餌付けにも動物が集まらず、歩いたりジープで探したりするのも大変だとか!

それにしても夜明けの出発直前に、計画中止は酷すぎるぜ!



建設中カルトン湊
ところが寝ている内に鼻水が出始め、
セブ空港に降り立った頃には
鼻水を拭うハンカチはぐしょぐしょ。

明日から陸の孤島に
閉じ込められるので、
新鮮な果物、野菜等の食材を仕込みに
ショッピングモールに出かける。

三角山シエラデルタ麓に向かう

楽団のお出迎え!

当然ながらレジでは商品1つ1つを
タイプライターで打ち込むのだ。
その上、果物や野菜は量り売りのものが多く
同じ果物でも種類によって値段が異なり
レジは大混乱。

レジにはそのレジ専門のポーイが付いていて
量目や種類毎の値段を確かめる為
ボーイを売り場に走らせる。
夕刻に近づきレジの列は長くなるばかりで参った。

≪急性鼻水過多症候群≫は激しくなり、
最早、鼻水は垂れ流しで
ハンカチではどうにもならず、
タオルで拭いつつ買い物を済ませる。

セブ島ではカジノも入っている
最も大きなショッピングモールの1つなのだが、
商品にはバーコードが着いていない。
と、どうゆう事が起こるか?

 
仲間入りしてはしゃぐ仙人

三角山麓に拓かれたリゾート

そうそう連日晴れっぱなしの乾季の
熱帯の海に行くと云うのにサングラスを忘れ、
これを買い足して
待たしてあった車に飛び乗り、
本日の宿エース・ペンジオンに飛び込む。

タオルは流れっぱなしの鼻水で濡れ
絞っても絞っても鼻水が出て来そう!
≪急性鼻水過多症候群≫は
確かに存在するのだ。

えるリオいマル(川と海)リゾート



トルネードと共に魚になる
翌未明にホテルを出て
未だ真っ暗な
空港で5時30分発の
ブスアンガ島行に乗る。

あら不思議、このまま
≪急性鼻水過多症候群≫は
重症化が進み
やがて咳、発熱、目眩、嘔吐などが
生じるかと予期していたが
ブスアンガ島に着くと
ピタリ鼻水は止まってしまったでは。

勿論、予想された風邪の
症状など出る幕は無く、
≪急性鼻水過多症候群≫なんて
ものがあっただなんて
信じられない健康体に
戻っているでは!

さては仙人め
例の術を使いおったな!


ブスアンガ島に着くや
客なんて見当たらないのに
盛大な楽団のお出迎え!
何だか照れ臭いので
ほんじゃま、一緒に演奏しようぜ!

と仲間に加わり
どんちゃか、どんちゃか
小太鼓を叩き
悪霊払いの儀式を兼ねて
はしゃぎまわる仙人。

この儀式で混沌仙人に
昨日から
A型、B型でチームを組んで
忍び寄った
インフルエンザウイルスは
完全にノックアウト!
ざまーみろ!

信じられぬ思いでシャッターを切り続ける!


漣河豚 サザナミフグ
White spotted Puffer 
シエラ・デルタとはスペイン語で三角山。
標高200mにも満たぬ
この小さな三角山の南側の小さな浜に
数棟のコテージを建てたのが、
エルリオイマルリゾート。


熱帯蓑笠子 ネッタイミノカサゴ
Spotfin Lionfish 

 ウツボ
Moray Eel 

鋸鯛 ノコギリダイ
Striped Large-eye Bream

青筋天竺鯛 アオスジテンジクダイ
Ring-tailed C
ardinalfish

二筋石持 フタスジイシモチ
Towstripe Cardinalfish

このリゾートの北方3kmに
ディマクヤ島をそっくりそのまま
リゾートにしたクラブ・パラダイスがある。

その経営者が別荘地のリゾートとして
造ったのがこのエルリオイマル。
背後は急峻な山で
道路なんぞ在りはしない。
前面はマリカバン湾で,
完全なる陸の孤宿。

一筋玉頭 ヒトスジタマガシラ
Yellow-streaked monocle-bream


魚群トルネードに乗って

ハウスリーフなんてものに碌なもんは無い。
例外としては街や港から離れた海の真っ只中にある
1島1リゾートのハウスリーフ。
此処なら海の美しさは保たれ、魚影も濃く珊瑚も無傷。

究極のハウスリーフだぜ

車もない完全なる陸の孤宿となると
当然ながらリゾートのダイバー以外は、
目の前の海・ハウスリーフに潜る奴は居ない。

 
魚群は桟橋下を拠点にしている
 

魚のトルネードは果てしも無く続く
モルジブの1島1リゾートの
アンガガでは
ボートでの遠征ダイビングより
ハウスリーフの方が
素晴らしくて
連日、飽きもせず潜った。

若しかすると此処の
陸の孤島エルリオイマルの
ハウスリーフも
期待できるかもと想ってはいた。

しかし潜ってみて
アンガガとはレベルが違うと実感!
アンガガでも見られた魚の
トルネードだが
そのトルネードの規模の大きさ
豊かな魚影は、
圧倒的で素晴らしい。
夜明けのフライトで
ブスアンガ島に着いたので、
朝からダイビングは出来る。
が、本日は人魚島への舟は出ない。

人魚の出没する
ディミパック島へは2時間半も掛り
早朝に船を出さないと
波が高くなり、帰路が遅くなるのだ。

潜るとしたら目の前の
ハウスリーフだが、
本日はハンモックに揺られて
本を読んだり
気ままにカヤックで海を
散歩したりして、
ダイビングは明日からと
ゆっくり構える。

左から光と魚を追う仙人



アンナ海牛 Chromodoris Annae
アンナウミウシ

空色疣海牛 ソライロイボウミウシ
 Celestial phyllidia

Pseudoceros Iaingensis
(DS:Jeltty)
 

姫花巾着 ヒメハナキンチャク
Sea Anemone 
ブスアンガ島2日目は
人魚を求めてディミパック島へ
出かけたので
リゾート目の前のハウスリーフを
訪れたのは3日目であった。
 
錦海鞘 ニシキホヤ
Tunicate

紋花蝦蛄 モンハナシャコ
Mantis Shrimp 

硨磲貝 シャコガイ
Giant clam 
 
乙姫蝦 オトヒメエビ
Banded Coral Shrimp 



今日はディマランタ島へ!

人魚の餌となるアマモ類が茂り
嘗ては此処も人魚の餌場であったことが解る。
アマモの林を過ぎると珊瑚が現われ、
光を孕んでキラキラ、キラキラとそれはそれは美しい。

湾の中なので流れは緩やかで、
リゾート手前では湾の奥から南東の外洋へと
僅かに動いている。
流れに逆らって湾の奥へと泳いで行く。
3日目は良く晴れてはいるが、風が強く波が高くて
船が出せない。
そこで午前中にシュノーケリングで先ずは
ハウスリーフに潜ってみた。

案内人ブランドと 



旭山丸の沈む海へ

当然の事ながら息を吸い込めば浮力は増し、
幾らフィンを扇いでも手を掻いても、
深場へは行けず、魚に嘲笑われるだけ。

よーし午後はタンクに一杯空気を積めて、
腰に重りを巻いて追いかけて撮ってやるからな!

山で愛用している赤と黒のカメラTough4は水深10mまではOK。
シュノーケリングには水中カメラは大きすぎるので
この小さなTough4を持参。
さてどいつを撮ってやろうかと狙いを定め、
大きく息を吸い込み深場へ。


ちょっくら昼寝! 



鋸鯛 ノコギリダイ
Striped Large-eye Bream
リゾートの前には桟橋が2つ。
泊まっているカサモレナの前に1つ、
客の送迎をするメインの桟橋が
レストランの前に1つ。 

シュノーケリングは部屋前の
桟橋から入って
メイン桟橋へ向かったのだが、
このメインの桟橋に近づくや吃驚!


鋸鯛 ノコギリダイ
Striped Large-eye Bream

角出し ツノダシ
Moorish
 Idol 

縞巾着河豚 シマキンチャクフグ
Valentinni's Sharp Nose Puffer

角出し ツノダシ
Moorish
 Idol 
銀亀鯵の居城になっているでは!
巨大な魚のトルネードには
何度も遭遇しているが
ハウスリーフでこれ程までに見事な
トルネードを観たのは初めて!

青の目羽太 アオノメハタ?

Peacock Coralcod

最初は夢中で
シャッターを切っていたが、
泳ぎ回っているうちに何だかとても
愉しくなってトルネードに加わり、
撮影そっちのけで一緒に回遊。
 
風来蝶々魚 フウライチョウチョウウオ
Vagabond Butterfly Fish
 
銀亀鯵  ギンガメアジ
Big Eye Trevally

 
旗立鯛  ハタタテダイ
Red Sea banner Fish



全長136m旭山丸の甲板

画像をHPにアップした瞬間にその答えは
自明の理であった筈なのに、
いざ言葉に置き換えてみたら、
全く支離滅裂で整合性以前に文章として
成立してないことにうんざり。

確かに本人だけには、
よーく解っている全く自明の理なのだ。
それなのにその理を言葉に出来ない。

こりゃ完全に老衰した脳味噌が
筋肉と同じく困難や苦痛を避けるよう仕向け、
敢て考えることをサボタージュしているのだ。
人魚伝説考

何故人魚を観たり歌声を聴いたりした人々は
死へといざなわれるのか、
それだけを想い詰めて過ごした1週間であった。

 
水深42mに直立して沈む日本の輸送船




姫藍子 ヒメアイゴ
Bluelined spinefoot
 
浜隈魚 ハマクマノミ
Oneband anemonefish 

姫藍子 ヒメアイゴ
Bluelined spinefoot
 
鰐五智 ワニゴチ
Crocodile Fish

八筋蝶々魚 ヤスジチョチョウウオ
Eightband butterflyfish

鰐五智 ワニゴチ
Crocodile Fish
 

そこで、最も根本的な問題、
何故人魚の下半身は
魚なのかについて考えたら
心象スケッチと言葉が繋がった。

上半身魚で下半身人間
の逆ではグロテスク過ぎて
美を実現できない。

 
顎甘鯛 ジョーフィッシュ
Jaw Fish

  従って下半身人間はあり得ぬ。
美女の足首だけに鰭を着けて
人魚にしても、
それはただ単に美女の
シュノーケラーでしかない。

 
 
燕魚 ツバメウオ
Longfin batfish  
 
縮緬奴 チリメンヤッコ
Vermiculated angelfish

黒点河豚 コクテンフグ
Blackspotted puffer  



船室は真っ暗で何も観えない 

生命を生み出し退行した生命を混沌に還す
命の根源を司る秘所。
子宮と海が同一であるとの概念が
支離滅裂と整合性の欠如に拍車を掛けたが、
実はその概念こそ
描かれねばならぬことであったのだ。
やはり形態としては下半身が魚しかあり得ない。
下半身が魚になると美は損なわれないどころか、
魚の流線美が美の相乗効果を生み、
古今東西の如何なる美女をも
超越した美女が完成するでは!

その美を獲得した代償として人魚は何を失ったか?
云うまでもなく人間の下半身である。

 
ライト無くしては進めない 


死に至る人魚伝説との決別
さあ、お別れの記念撮影だ!

子宮は哺乳類にしかなく多くの魚類は、卵子も精子も海に射出し受精卵を作る。
海そのものが子宮であり、棲んでる世界であり宇宙でもある。
その宇宙を体内に取り入れ子宮として哺乳類は新たな知的生命を生み出し、
地球生命の頂点に立った。

宇宙を肉体化した知的生命が、そのまま進化を停止することはあり得ない。
人類を超える次なる知的生命が、肉体に獲得した宇宙を
肉体諸共投げ捨て、知のみを宇宙へ回帰させる試みを始めることは間違いないであろう。

そこまで記さねば≪死に至る人魚伝説≫は意味が無い。



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