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その1462ー2018年  睦月

原始仙人、目白の正月に突入
1月3日(水) 椿山荘庭園を逍遥する仙人

仙人にとって芭蕉庵、肥後細川庭園や椿山荘の広大な庭は恰好の遊び場。
さて山から目白に戻り、正月なんぞと云う退屈極まりない日々を迎え、
どうにもこうにも身体がムズムズして、じっとしていられない。
さてほんでは裸では、なんだから一張羅の黒革のノースリーブでも着て遊び場にでも行ってみるか!

そう云えば仙人の仕留めた鹿の革を剥いで、柔らかくする為に毎日毎日、ぐちゃぐちゃ、グチャグチャ口で噛んで
それから血の木と呼ばれるロッグウッドで黒く染めて、
仙人に黒革服を贈ってくれた弟子脂肪、いや志望だった娘は未だ生きているだろうか?
いつだったかHPを観て仙人の遊び場を知り、肥後細川庭園の水琴窟や鹿威しの音色で遊んだりして、
仙人の動静を探っていたとか!



先ずは宮城道夫の春の海か

越天楽がゆるりと
妙なる調べに釣られて

おりゃ、何処ともなく妙なる調べ!
槍を両手でしっかり構え、
黒々と聳える三重の塔を背に
妙なる微かな音色を求めて音も無く
原始仙人は走る。

600年の時の重みを
黒い影で包んだ室町建築の
三重の屋根が、
妙なる音色を収束し原始仙人を(いざな)う。

此処だったのか音源は!
ロビーに飛び込むと、うにゃ
何処かで観たことあるような娘が
お琴を弾いているでは!

お次は桜変奏曲かい!

白いブリッジを動かし音程を変える



ロビーでのステージ演奏

そう(箏)か解ったけどその娘、本当にあの弟子脂肪じゃない
弟子志望の娘なのかい?
≪うーん、何しろ悠かな600年も前の記憶だからね≫

怪しいな、あの平安期の歌人小野(たかむら)
創建した篁山竹林寺から移築した
三重塔の纏う闇が、黒革のノースリーブと連んで、
捏造したバーチャルリアリティー!

そういえば春の海も盲目・宮城道雄の闇から
生まれたとか!
演奏会は黒のアンサンブルと云う訳か!
≪お琴だって!
違うよ、白いブリッジがついてるのは琴ではなくて箏(そう)だ。
琴は弦を指で押さえて音程を変えるけど、
箏は指で押さえる代わりに
この白い柱(じ)と云うブリッジで変えるんだぜ!≫
知ったかぶりするのは三重塔の纏う闇。
 
白い柱(じ)があるので琴ではなく箏(そう)



樽酒をご用意しました

漆塗りの枡でどうぞ!
振舞い酒じゃ!

漆黒の闇から生み出されたのは
弟子志望の娘で≪悠≫と
名付けられてね、
ほら、振り袖を着たりして
こんな娘にも変身したりして、
今でも原始仙人の動静を親から引き続き
探っているのさ。


ロビーでは正月行事が目白押しですのでどうぞ!
ほらほら、近づいてきたぞ!
「ことくんと云うのはあなたですか?」
といきなり枡酒をもって登場。

「そう(箏)です」と答えてから
「いいえ、あれは琴ではなくて
そう(箏)です」
なんぞと意味不明の呟きを漏らし
慌てふためく原始仙人。
≪ことくん≫とは原始仙人の幼少名。
何故知っているのか?

この訳解んない言葉の連鎖が
仙人の呆け具合が如何に重症、且つ
深刻か物語っているのだ。

ですか、桂冠がお好みですか?

では、いただきます!



全国的分布の伎楽系(神楽系)の獅子舞か!

あーあいつか、ある日突然前輪がパンクしやがって、
直してやろうかと訊いたら
「あたし、もう一緒に走るなんて出来ません!」
とヒステリックに叫ぶんだ。

でもそのまま「ハイそうですか、さよなら」と云う訳にもいかんと
その道のプロに尋ねたら
「こりゃあかん、幾らペダルを回し続け、油を差しても
此処まで劣化したら捨てるしかない」
と冷たい宣告。
招福駆邪

「ようよう、チャリンコ買ったって!
そいつを乗り回してこの辺りをウロチョロしてるんか?
今まで乗っていた16インチのちっこい奴は、
どうしちまったんだい?
と獅子舞が話しかける」

 
それとも三重県桑名市の伊勢大神楽


勇猛で力強い仏山スタイル
でもって自転車の安売りで有名な
早稲田のオリンピックに
訊いたら、20インチで2万円程から
幾らでも性能の良いのがあるとのこと。

念のためとネットで調べたら
その20インチを半額以下で販売。
それどころか6段変速ギア、
ライトやワイアーロック付きで、
画像ではスタイル抜群!


軽快で聡明な鶴山スタイル

そのチャリンコの端麗な容姿を
観ただけで一目惚れ。
てな訳で、あの劣化の極みにあった
ヒステリックなチャリンコは
粗大ごみとなって、
目白台マンションの
粗大ごみ置き場行き、てな訳。

「そうだったのか、
それでそのスタイル抜群の新車の


中国式の舞獅(lion dance)か!

乗り心地はどうだい?」
と踊りながら話しかける獅子舞。

≪招福駆邪≫とは
このことかと思う程凄えーんだ。
長年乗り慣れた
16インチの粗大ごみには悪いが、
サドルから尻への快感、
襲い掛かる邪悪な寒風を断ち切り
疾走する変速ギア。
新車、堪らんね!


鹿踊りのはじまりを演ずる

関東の風流系の獅子舞じゃ!

嘉十の手拭を見詰める獅子




瀧に打たれて鍛えるんじゃ!
1月3日(水) 椿山荘庭園の大瀧で修行に励む仙人

云ってみりゃ、チャリンコ全体がこの大瀧のイマージュみたいなもんさ。
走っていると尽きることのない豊かな流れと同じリズムに揺すられ、生の鼓動と瀧の律動が重なる。

目白台は仙人の棲家のすぐ下から崖になっていて、神田川に落ち込み早稲田に連なっている。
その崖に沿って仙人の格好の遊び場・芭蕉庵、肥後細川庭園や椿山荘の広大な庭がある。
台地から地下水が溢れ出し、幾つもの流れを作っているので、そいつを利用すればこんな大瀧も出来るのさ。
で、数十年も遊び暮らしたこの大瀧の豊かな恵みに気付かず、
ポンコツチャリンコを捨てて初めて、この大瀧が如何に凄えー奴か、性能が優れているか知った訳。




大瀧の裏には通路が
「新車チャリンコの性能が
大瀧のような豊かな流れだってことは
解ったけど、
話しがずれてはいないかい。
それじゃチャリンコじゃなくて大瀧のそのものを
讃えているんじゃないか」
と畳みかける獅子舞。


豪快な瀧裏

さあ、に打たれるぞ!と掛け声だけ
1月3日(水) 椿山荘庭園の大瀧裏



神聖な森で戯れるな!と怒る神木
そうなのです。
実は仙人の頭の中は時空を超えた記憶が
混沌と化し、氾濫し、
神木の注連縄がひらひら舞い、
ダジャレが飛び交い
最早記憶をコントロールする術は無いのです。

孫悟空の頭に締める緊箍児(きんこじ)
となって注連縄は仙人を痛めつけ、
永劫の輪廻を詠う水車と共に、
仙人を只々嘲笑うのです。

≪粗大ごみ置き場行きになるのは
お前じゃ≫

山荘のクレソンは此処のだって!



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