その145の1ー2017年 師走
海底洞窟ブルーホール水深38.1メートル 米海軍基地オロテ半島西側の水深18mに開いた縦穴 11月28日(火) 太平洋、ミクロネシアの4大海中洞窟と云えば、先ずはサイパンのグロット。 重い器材を背負って110段もある急な階段を下らねば辿り着けない洞窟。 光と影の陰影の中でどこまでも蒼く澄んだ海が、外洋のペネトレーションにより波打ち泡立ち、激しく踊る。 惑星や衛星に打ち込まれたペネトレーターが、星に齎すオルガニズムのさざめき。 激しい興奮を突き抜けてペネトレーターの入り口を辿る。 水深13mで洞窟入り口は外洋に開き、出た途端ナポレオンやバラクーダの出迎え。 劇的で変化に富んでいるが、ロタ島のハルノン岬のロタホールに較べるとグロットも見劣りしてしまう。。 |
水深78mまで落ち込む海底洞窟入口 |
水深11mのロタの洞窟を進むと、 天井に2か所穴の開いたホールに出る。 この小さな穴から差し込む光が 実に神秘的で神々しいのだ。 小さな穴なので陽が差し込むのは 4月から秋までの正午前後で 極限られた時間。 当然ながら晴れなければ この神々しい光に遭遇することは出来ない。 ロタホールには2日間通い、 幻想的な写真を撮ることが出来、 山荘の化粧棚に飾ってある。 |
さて3番目のブルーホールであるが、 同名の海中洞窟は パラオとグアムにあり、ガムリス島の 北西にあるパラオ洞窟は 4度潜行したが、ただ大きいだけで 面白くなく記憶にない。 グアムのブルーホールは オロテ半島の西側に在る。 水深18mに開いた洞窟に入り、 中から洞窟入口を見上げると、 ハート形に観えるとか。 唯それだけのことらしい。 |
ハート形に観える洞窟として人気 |
海底洞窟へ下降 |
深さに怯えるダイバー |
ロタホールの神秘性に 触れてしまったダイバーにとって、 グアムのブルーホールは 物足りないだろうが、 実際自らの目で確かめないことには 何とも言えない。 |
と、のこのこ出かけたのだが、 想像以上にお粗末。 まー何とかハート形に観えるかなと 云う程度のお粗末な 海中洞窟なので、2度と潜りたくない。 |
落ちてしまうと訴える中級ダイバー |
無事潜水を終え浮上 |
海底洞窟から2本目珊瑚海へ まっ、もともと太平洋のような 大きな大洋のど真ん中にポツンと 浮いた島は 云ってみれば大砂漠に孤立する オアシス。 沙漠の様な大洋の魚影は乏しいが、 その分オアシスには生命が集う。 筈なのだが・・・・。 |
これ総て珊瑚。 珊瑚海には豊かな光が降り注ぎ、 煌びやかな熱帯魚が 蝶のように、珊瑚のぐるりを飛び交う。 が、どうだ、見渡す限り魚影無し。 そんな馬鹿な! |
魚影殆ど無しとは! |
ブルーホール入口 |
簾蝶々魚 |
たったの8尾だなんて! 我がDV撮影で最低記録 サボっていた訳では決してない。 いつもの如く 魚に成りすまして速やかに 忍び寄りシャッターチャンスを 狙おうとしていたのだ。 |
背黒蝶々魚 |
浜くまのみと玉頂磯巾着 |
茶壺海鞘(ホヤ) |
鼻黒蝶々魚 |
亜細亜故障鯛(アジアコショウダイ) |
特に今回はカメラもハウジングも 買い替え新カメラSTYLUS TG-870の 性能チェックも兼ねていたので より多くの画像をといつもより 張り切って」いたのだが・・・・。 何しろ撮ろうにも 肝心の魚が見当たらないのだ。 参ったぜ! |
鞍貌雀鯛(クラカオスズメダイ) |
浜くまのみの産卵 |
脳珊瑚 |
黄色剥 |
魚居ないんじゃ撤退! |
ブルーホールはリゾートホテルの 立ち並ぶタモン湾から 北西に30km以上も離れている。 ボートで行くにはちょっと遠い。 そこでボートを車で牽引して アプラ湾迄運びボートを海に降ろし、 オロテ半島西側の ブルーホールへ向かう。 従って他のダイブサイトより、 ダイビング費用は高い。 その上、技術的には中級以上と される海底洞窟でもあり、 ブルーホールを指定しないで DVサイトをショップ任せ にすると行けないサイトなのである。。 |
牽引車からボートを降ろす |
牽引車をボートから外す |
DVが終ると再び牽引 |
「次は何処が良いですか?」 とガイドが訊くので 珊瑚の在る処なら魚が群れて いるに違いないと、 珊瑚海を指定。 がーん、確かに珊瑚はあるが、 肝心の熱帯魚は何処に? 浜クマノミの卵の様にも観える 玉頂磯巾着(タマイタダキイソギンチャク)に 見え隠れしながら、 ちょろちょろ泳ぐクマノミと 蝶々魚がウロウロしているのみ。 仕方なく茶壺海鞘や 脳珊瑚を撮ったりして無聊を託つ。 こうなったら最早 行くべき場所はあそこしかない。 と、UWWを目指すことに! |
こうなったらUndaer Water Worldに行くっきゃない! |
海中洞窟UWWってどこ? |
浜辺清掃員にも訊いて! |
5つ星の巨大癌細胞 UWWは何処? ≪賑やかなタモンの中でも、 最も楽しいプレイスポットが、 高級リゾート・デュシタニを加えた プレジャーアイランドだ≫ つまり我が宿デュシタニは、 どうもグアムの中心地らしい。 |
このコンクリートの巨大な塊は 癌細胞の如く年々 増殖を続け、大地を穿ち天空を覆い グアム初の5つ星ホテル デュシタニを生み出したらしい。 デュシタニは駐車場だけでも9階あり、 その駐車場から隣のビルと 繋がったりして 全体像を把握するのに時間がかかる。 尋ね歩いてもUWWが 何処なのか・・・。 |
風にでも訊いてみっか! |
あのね、デュシタニの地下だよ! |
デュシタニの地下だって!潜ってみっか 潜り始めて不意に甦った記憶。 漢字4文字で黒々と≪大和育夫≫と記された名刺を渡され、そのチャモロ人の車で案内されたのが このタモン湾であると気付いた。 半世紀も前のタモン湾には、勿論こんなビルは無く浜辺はジャングルに覆われ、、 浜に出る細々とした路があっただけ。 泳ごうと海に入ったが、遠浅で幾ら歩けども体が沈まない。 海底の白砂から足を上げると、その砂の凹みに間髪を入れず鮃が入り込み そのまま足で踏みつけると、面白い様に鮃が獲れた。 |
撞木鮫のような小判鮫を着けて |
鮫デュエット |
吃驚!照明浴びて魚、魚 100m程沖に出てから 浜を振り返ると数人の少年が 浜に脱ぎ捨てた衣服を漁っているでは! こりゃヤバイ盗まれると 思ったが、この遠浅の海からでは とても間に合わない。 |
ドル紙幣だけが抜き取られ衣服や 財布はそのまま。 幸いパスポートは 持参してなかったのが、 不幸中の幸い。 日本占領下で冨田湾と 命名されていたそのタモン湾で、 不意に甦った記憶と 5つ星の巨大癌細胞が、 半世紀の時の流れによって 絡み合う。 |
海中洞窟を舞う |
そーら喰っちゃうぞ! |
100メートルも続く人工洞窟出現! |
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ブルーホールより美しい海中洞窟! |
いきなり鮫のお出迎え |
日本占領下のグアム 1941年12月8日、 太平洋戦争(大東亜戦争)が勃発。 大日本帝国海軍は 真珠湾攻撃の 5時間後(日本時間午前8時30分)に、 グアムへの航空攻撃を開始し、 2日後に日本軍がアメリカ軍を放逐し、 島名を「大宮島」と改名して 大日本帝国領土とし、 その後2年7か月にわたり占領。 31ヶ月間にわたった日本の占領時代に グアム島民は 日本の生活習慣を 強要されることになる。 日本軍は歴代の統治者と同様に、 島民に日本語を 使用することを強制したが、 チャモロ人がアメリカに対して 抱き続けていた忠誠心から、 日本語が使えたチャモロ人は ほんのひと握りだったと言われている。 (グアム政府観光局) |
EXITを着けた白チップ鮫 |
鳶鱏の目ん玉がギョロリ |
どうだい、ブルーホールよりいいだろ! |
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シーラーカンスのような絣羽太 |
背びれの白がお洒落 |
でかい!絣羽太か |
ナポレオンを御凸輝かせて |
≪大和育夫≫氏は その数少ないチャモロ人の 1人だったことになる。 何処で知り合ったのか今となっては 思い出せないが、 大和氏は日本人に好意を 持っているらしい。 自発的にあちこち自家用車で 案内してくれ、 海での盗難被害時にも 警察署まで出向き手続きしてくれ 別れの日には 空港まで来て見送ってくれた。 |
にたりと嗤うニタリ鮫 |
サングラスかけて潜水開始じゃ! 水中洞窟・トンネルアクアリウムではシートレック・ダイビングも出来るんだぜ! |
森の茸ならぬ海の茸・水海月 |
中央の花模様で蝶を呼ぶのか! |
花弁の中に花弁と凝って! |
うにゃ、と胡麻靭(ゴマウツボ) |
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花箕笠子もゆらり |
鰭長剥(ヒレナガハギ)でーす |
ブルーホールより濃い魚影に驚き! タモン湾のシュノーケリング |
こんな霙河豚は初めて見た |
ダイビングでも逢ったね!(浜クマノミ) |
歓迎する霙河豚(ミゾレフグ) |
ナポレオンも吃驚! |
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食事中の龍の落し子 |
象の鼻を付けた変な奴 |
深さ8000mに棲む蜘蛛ヒトデ! |
シュノーケルで夕焼けのタモン湾へ 静寂の漂う人影の消えた浜辺 |
横縞玉頭(ヨコシマタマガシラ) |
縞剥(シマハギ) |
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お洒落な村雨紋柄 |
やっと撮った透けて観えない丸小判(アジ科) |
村雨紋柄(ムラサメモンガラ) |
七線雀鯛(シチセンスズメダイ) |
「村雨」とは降り注ぐ雨、 にわか雨という意味があります。 歌川広重の「東海道五十三次」 「庄野・白雨」の村雨が横なぐりの 雨で描かれています。 この横なぐりの雨が ムラサメモンガラの腹部の 斜めの模様に似ていたことから 命名されています。 |
水中トンネルで鮫や鳶鱏(トビエイ)と乾杯! この水中トンネルにはナイトラウンジまであるぜ! 機上からの眺めと同じ光景が展開する22階の部屋から、エレベーターでロビーに下り、 駐車場へのエレベーターに乗り換える。 駐車場はそのままザ・プラザ・ショッピング・センターに繋がり、水中トンネルに至る。 つまりデュシタニリゾートの我が部屋と水中トンネルは、外に出ることも無く 恰も我が部屋の別室であるが如くすいすいと移動できる。 最初はそんなことも知らず、態々パレ・サン・ビトレス通り迄出て ザ・プラザ・ショッピング・センターの正面玄関から入っていたのだ。 夜には水中トンネルがナイトラウンジになるなんてね! ダイビングしてる気分で、ビアを呑みながら食事が出来るなんて、世界で此処だけかも! |