その144の3ー2017年 霜月
不作で枯露柿作りにダメージ! 広瀬畑まで出かけたが、此処も超不作じゃ! 狂ったように稔る広瀬柿が、今年は5,60個ほどしか実を着けていない。 ここ数年「勝手に採っていいよ」と広瀬氏に云われ、枯露柿を作って来たが生り過ぎていてとても採りきれず、 大半はヒヨドリや百舌鳥の餌となってしまう。 しかしその狂ったように千個以上も稔る採りきれぬ広瀬柿ですら今年は不作。 近隣の農家は先週までに殆ど柿を吊るし、枯露柿つくりを終えたが広瀬柿は残されたまま。 広瀬氏に電話すると「採ってもいいよ」との返事。 |
小さい広瀬柿 |
そこでバイクに乗って柿狩りに。 山荘の柿に比べるとやや小ぶりで、 種も多く甘みも劣るが、 今年の様に不作の年には貴重な柿。 広瀬氏も今日、枯露柿つくりをしたとかで、 防黴の 硫黄燻蒸をしている最中。 |
種もあるし甘さも不足 |
太陽が一杯! よそ者には誰の話をしているか 皆目見当もつかないが、 こんな風に後継ぎも居なくなった老いた農家は、 畑も家も失い 消えていくのだと云うことだけは解った。 耕作放棄地は益々増え、過疎地となり、 やがて限界集落となるのだろう。 |
そこに甲斐犬を連れた近所のおばはんが加わり、 不作の柿について語り合う。 おばはんの云うことにゃ、 今年は土手とか水はけの良い乾いたところの柿が豊作で、 あとは何処も不作だと話していた。 「数百万も借りて、農家じゃ収入の当てもねーから 土地も家も抑えられちゃうよね」、 「しょうもねーこっちゃ」とか話している。 |
紫の霞が立ち昇る |
地元枯露柿業者も不作を嘆く 確かに美しい里である。 こうやって柿を高鋏で収穫しているだけで、 豊かな感性が蒼い天空から、 色付いた山並みから、 柿の放つ太陽を懐胎した彩から放たれ、 里そのものが、 感覚器官となって仙人を揺さぶる。 |
人は絵本の中に住むことは出来ない。 大地はどんなに豊かであっても 耕し種を蒔き、散水し雑草を取らねば 糧を与えてはくれない。 里に住む老人は絵本の中では 暫し豊饒な感性として描かれるが、 ふさふさと揺れる白髪の下に、 最早、糧を生み出す力は無い。 |
一個一個大切に収穫 |
毎年千個近く採れるのに |
今年は僅か170個収穫の山荘柿 |
僅か35本吊るしただけで終わり。 1本に5個結んであるので 計175個しか 枯露柿用の山荘柿は、 収穫出来なかったのだ。 段ボール2箱分の熟し柿があるので 収穫総量はもっと多いが、 熟柿が2箱分もあると云うのも驚き。 これは不作の証しでもある。 |
たわわに稔る年は 熟して先に落ちてしまう熟柿は少ない。 昨年は3回に分けて収穫し 526個、120個、250個と計896個の 柿を吊るしたのが、 今年は20%にも満たない。 これじゃ山荘の冬の保存食にも 足りないくらいで、例年のように 山荘野菜のファンに 分けてやるなんて到底無理。 |
6月の雨不足か? |
山荘だけの保存食でも足りないぞ |
山茶花の咲き乱れるテラスで柿と戯れ! さあ、駆け足で冬がやって来るぞ! ジャズを聴きながら小春日和の日に柿を剥いた記憶が蘇る。 果てしも無く遠く深い決して手の届かぬ記憶が、生と死の渚にひたひた、ヒタヒタ打ち寄せる。 広いテラスを埋め尽くす豊饒な柿が、重なり合い犇めき合いジャズの 軽快なリズムにアンサンブルし、幾重にも波紋を描く。 あの時の光は今,何処を旅しているのだろうか? 確かあの時の山茶花は未だ小さくて、高さも半分ほどしかなかった筈だけど、 あの時の光はそれもきちんと記憶の襞に収めているのだろうか! 果てしも無い深遠の彼方に在る記憶の光が収束し、結像し3次元を超越した生々しさで迫る。 あー、大切な記憶は次元すら超えてしまうんだね。 |
白山茶花も満開 |
キウイ収穫35kg |
昨年大幅に剪定したので キウイの実も例年の10%程で、 実りの秋とは 程遠い年になてしまった。 |
収穫をしてもそのままでは 食べられないキウイ。 それでもキウイはいつだって あなたを待ってます。 静かに寝かせておいてくれれば 追熟して きっと美味しくなります。 |
ワインセラーで追熟させる |
琵琶の花だよ |
キーボードも錦秋を奏でる あれ!何だか赤く着色された水を呑んでる様で さっぱり美味しくない。 変だな、ここ暫くワインを呑んでなかったが、 ワインってこんなに不味かったっけ! 試しに山荘ワインを開けてグビッ! 香り、こくの深さ、仄かな甘み やはり山荘ワインは抜群に美味いでは。 しゃーない、山荘ワインと混ぜてボジョレーを呑もう。 |
さて今年のボジョレーヌーボーの出来はどうか! 解禁されたヌーボーを早速2本購入。 山トレ用のメレル靴の履きおろしや山荘を彩る 楓、山茶花、琵琶の花々に乾杯! |
ボジョレーヌーボーと山荘ワインと呑み比べ |
防鳥ネットの長さを計って |
テラスから吊るす紐付け |
さて、柿不作となると困るのは 仙人や枯露柿業者だけではない。 こいつをたらふく食べて 餌の無い寒い冬を乗り切ろうと 狙っているヒヨドリや猪、熊にとっても受難。 当然、山荘のテラス下に吊るした、 何処からでも丸見えの 目立つ美味しそうな柿が、 不作の年にはキラキラ輝いて 観えることは間違いない。 暫く山荘を空けるとなると、 山荘は彼らの豪華レストランとなり、 吊るし柿は食べ放題。 昼は鳥達が集い、夜は夜行性の 熊、狸、猪、アライグマなんぞが 入れ替わりやってきては ジャンプして、枯露柿をキャッチ。 |
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網が近すぎると鳥の止まり木になるし |
こんな距離でどうだ? |
秋の紅葉ライトアップの準備完了! 肥後細川庭園も冬の装い 昼の散歩にブラリ、細川庭園に顔を出したら竹あかりの筒が、雪吊りの終えた庭園のあちこちに。 29歳、2人の若き竹あかりの演出家が熊本からやって来て肥後細川庭園をライトアップすると云う。 雪吊りの円錐の縄と穴の開いた竹が、風を通して微かに口笛を吹いている様な。 いや、竹は口笛だけれど雪吊りの縄はビオロンの弦となって、風を震わせているのかな! よーく耳を澄まさないと聴こえないけど、夜になったら煌びやかな光を纏って、 遥かな縄文の記憶を謳うのかな。 |
竹に穴を開けて照明 |
雪吊りが浮かび上がる |
竹あかり ひごあかり11月25日~3日 熊本のみならず、 いま全国で注目を集めている 熊本の企業「ちかけん」がある。 まつりなどのイベントでの竹あかりによる 演出を行う会社としてスタート。 |
いまや全国のまつりやイベント、 演出などに呼ばれ、 独自の「竹あかり」の作品を用いた演出で、 多くの人たちを魅了し感化を与えている。 昔から日本人の生活と 深く結びついてきた「竹」に、 新たな日本文化の灯(あかり)を ともし続ける「ちかけん」 創業者・竹あかり演出家の 池田親生氏と三城賢士氏 |
竹と繩の優しさ |
時には蒼い記憶を |
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陽を浴びて解けた氷花 |
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寒くなったのでちょっと明日27日から12月2日までダイビングを兼ねてグアム島へ出張です!
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