その1432ー2017年  神無月

ありゃ、チベット仮面が駐車場に出現!
ランドベンチャーを迎える水晶を咥えた仮面

登録年月日を調べてみると平成9年3月13日、つまり20年前の1997年にフェリオは生まれ山荘の住人となったのだ。
前輪駆動1490ccの小型車セダンなので、舗装された平地を走る分には問題ないが、
 山荘の急坂を登ったり山道を走ったり、数百kgの重荷を運ぶとなるとかなりヤバイ!
山の雪道を走るなんて、例え冬タイアを履いてタイアにチェーンを巻いても無理。

しかしその無理を承知で、それら総てを果敢に仙人は実行して来たのだ。
怒り心頭に発しつつも、仙人の仕打ちに耐えてきたフェリオは、老いさらばえ最早ボロボロ。
の筈なのだが、この20年間でバッテリー交換を1度、腐蝕穴が開いたマフラーを1度交換しただけで、乗り心地は抜群。



随分山を駆け巡ったね!

ダッシュボードから出て来た検査証
さらばフェリオ!

最近になって停車中に
咳き込むかのような
ノッキングを生じるが、
エンジントラブルを起こすでもなく
極めて快調に走り続けている。

今日現在で走行距離は
5万6049km
地球一周と3分の1程で、
20年間の走行距離にしては少ない。


この距離の殆どは坂道走行なので
エンジンに掛かる負担は、
極めて大きい。
それでもエンジンが健在なのは、
如何にホンダのエンジン製造技術が
優れているかを示している。

先ごろホンダは
小型ジェット・Hondajetを
売り出したが、
あっと云う間に世界一の売り上げ。

平成9年3月13日デビュー

20年間も共に走った相棒




フェリオにはちょっと狭いかな!
2017年上半期の出荷機数は
24機であり同期間の
小型ビジネスジェット機の出荷量では
世界一であった。

≪2017年8月時点での受注数は
100機超、月産4機の体制であり、
2019年3月期末までに
月産7機程度にまで生産能力を
拡大させ納期を
短縮させる予定である≫
とか。

このホンダを捨てるには
忍び難いが、ランドヴェンチャーが
ペガサスとして
新たな山荘住人となると、当然ながら
フェリオはお払い箱となる。

走行距離が少ないので何とか
再利用してもらいたいが、
業者に訊いてみたら
どうやらスクラップになるらしい。
哀しいぜ!

未だ充分走れるのにスクラップだなんて、
混沌仙人の
末路そのものではないか!
なんぞと嘆いていたら仮面が嗤う。

≪免許返納を迫られる
後期高齢者75歳まであと2年、
それまでフェリオに
乗り続け命運を共にしよう≫だなんて
云ってなかったっけ!

それをアンネ薔薇の放つ
妖しい血の潮騒に載せられて
さっさと乗り換えだって!
ランドベンチャーの番人として
塀の上に飾られても
ちっとも嬉しか無いぜ!

仮面の睨みを効かす山荘守護神!




女郎蜘蛛の冬篭仕度

鯉もクッキーで冬仕度
冬篭り準備

木通がボットン、ぼっとん
バイクや水道タンクや池の中に
落ち始め、
秋が深まりつつあると感じる。

嘗ては山や里を走り回りやっと、
木通の稔る森を見つけ
大喜びしていたが、数年前から
山荘池の畔に繁っているのを発見。
灯台下暗しじゃ!
と、それ以来木通が稔るのは
当たり前で、探しに行く必要もなく、
食べてみようとも
思わなくなってしまった。

ボットン、ぼっとん落ちて来るのは
木通だけでなく、過熟した百匁柿も。
後3週間ほどで枯露柿つくりが始まるが、
その前に逸早く赤く熟し
トロトロになって落ちてしまう柿もある。

以前は諦めてそのまま放置して置いたが、
数年前試しにヨーグルトの
トッピングにして食べてみたら、
うめーの何の!

沢山食べなくちゃ!



過熟した甘ーい木通と柿
以来この柿は落ちても無駄にせず、
せっせと拾い集め
秋の味覚として愉しんでいる。


老化ストーブ復活

2階の3台あるFFストーブの1台は
昨年廃棄処分したが、2台は
23年目にして未だ稼動している。
が、数日前から給油ランプが点灯し
ストーブが停止してしまう。

もう寿命だから、きっと内蔵電子回路が
劣化ないし老化し
使いもんにならなくなっているのだろうと判断。
早速コロナに電話しリビングの
大型FFストーブと一緒に入れ替えようと決心。

しかし、待てよ捨てる前に給油ランプが
点灯し石油切れを示しているなら、
一応タンクとストーブを繋ぐバルブを
調べてみる必要があるのでは!

実に面倒で無駄な試みであると
充分に認識しつつ雨の中、
窯室の道具置場まで修理道具を取りに行き、
ライトを付けてストーブの一番奥にある
タンクの受け口を点検。

フィルターみっけ!
引き上げてみると
かなり小さな澱のようなゴミが詰まっている。
これをティッシュペーパーでふき取り、
タンクの弁をドライバーで突き刺し
何度か開閉し、タンクを装着。

するとごっくん、
ゴックンと水を呑む時の様な
音が聴こえるでは!
灯油が流れ始めた音だ。

夕陽を孕んで光るゴーヤー



忘れてた茶花

人参の恋か!
なーんだ、
23年も使われ一度も
掃除されてなかった
フィルターが
詰まっていただけのことだったのか! 

うーん、老化現象と決めつけて
買い替えてしまったら、
こいつ悔しがったろうな。

いかん、いかんなんでも老化現象と
決めつけて諦めたら、
もうとっくに
仙人などお払い箱になってるはず。

先ずは
飽くことなき原因究明とケア。
とまあ、朝から石油塗れになって、
また1つ学んだ仙人でした。 

小さな虫食い黒穴

近くで観ると萩は清楚


大きな見ーつけた!
女郎蜘蛛に絡めとられるフェリオ

そりゃ無理だよ。
これから何も食べられなくなる冬に備えて、食べられるだけ食べておかななくてはとの気持ちは解る!
けどね、あんな大きな車を網に掛けて捕まえたって、食べられやしないよ。
あいつはね、金属やプラスチックで出来ていてお前さんには食えないんだよ。

何だって、秋が体内で荒れ狂って貪欲な食欲を刺激し「充たされざる者」に変身したって!
≪さあ、何でもかんでも喰っておしまい。そうしないとお前は冬の寒さに耐えきれず
死んでしまうんだぞ≫
だがね、例え車を食べたとしてもお前の貪欲な食欲は果てを知らず、ピアニスト・ライダーの如く、
何もかも充たされず、唯ただ永劫に充たされざる世界を放浪するだけ。

あれっ、ピアニスト・ライダーと云えば、「充たされざる者」の主人公では!



1981年8月中央アジア放浪
世界を放浪する
「充たされざる者」とは仙人のことか!
 
2017年1月東南アジア放浪



訳者の古賀林 幸はあとがきで嘆いている。
「筋の展開に脈絡が無く、そろいもそろってひとくせもふたくせもある登場人物の語り口だけで感情の揺れをとらえることがすべてとさえ言えるこの作品で・・・」 
これが本年のノーベル文学賞をとったカズオイシグロの1997年に出版された「充たされざる者」の中身。
どうも本人はブラックコメディーとして書いたらしく、時間、空間は大きく歪み
旧東西陣営の入り乱れた多彩な登場人物の言葉は冗漫、出来事は荒唐無稽で夢とも現実ともつかないと言う。

リアリズム作家とは2度と呼ばれたくないとの思いで書かれた作品だとかで、
ノーベル文学賞の対象作品となった他の作品とは、いささか趣を異にしているのか?何しろ仰けからつまらん!
10ページほど読んだが、とてもこの先読み続ける意欲は掻き立てられない。やはり「わたしを離さないで」から読むべきか?
「作者は何をしたいのか。全篇に漂うこの居心地の悪さ、座りの悪さは何なのか。他のいかなる小説とも異質と感じさせる、この尋常ならざる異物感は何なのか」
とgooブログの書評。

≪仙人は何をしたいのか。全編に漂うこの居心地の悪さ、座りの悪さは何なのか≫
と主語を変えればgooの書評は仙人の全編なのでは!
なーんちゃって時間を持て余した長雨の読書で、仙人は慮るのでした。



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