その1411ー2017年  葉月
とんもころしの収穫じゃ!
ポット栽培し西畑に移植し大事に育てた唐黍

労働基準法違反じゃ!
夜明け4時前から活動を始め夜9時まで17時間、最近にない記録を達成してしまった。
ゲリラ豪雨で林檎畑の唐黍の半分以上の数十本が倒れ、1本ずつ支柱を立てテープで結び、立て直す作業に追われる。
水源地の森から伐採してきた枝で支柱を作り、倒れた唐黍に添えるだけだが、
中腰姿勢なので直、魔女の一撃で傷めた腰に来る。

更に豪雨で下水マンホールの水が溢れ出し、池の排水溝にも枯葉が詰り、
長い排水溝のヘドロを取り除く、待った無しの修復作業。
それに西畑の遅すぎた唐黍収穫と、その後の保存食作りが加わり、 
連続17時間の超過労働となってしまった。


未熟と過熟を見極め収穫



あと数日で完熟する唐黍を
剥いてしまった時は、実に悔しい。
完熟してしまった唐黍は
翌年の種にすればいいのだが、

現在栽培しているスイートハミーは
米国産の一代交配なので、種にはならない。
ベストの甘味を失った過熟唐黍は、
保存食にせず食べてしまうしかない。 

久しぶりに朝から昼まで太陽マークの予報に
気を良くして朝から小倉山へ朝トレ。
6月23日以来35日ぶりの山トレ。
山トレ後は再び
終わらない唐黍保存食作りに勤しむ。
西畑の唐黍収穫も難儀。
ベストの甘味に熟した瞬間の見極めが中々難しいのだ。
目安としては穂先の毛が茶褐色に黒ずむのが
サインなのだが、
59本の内ベストが34本、未熟が12本、過熟が13本で、
半数近くが適期を外れてしまった。

 
生でも食えそうなスイートハミー



クランツ構造
C4植物であるトウモロコシの葉の横断面図
C4型光合成
C4経路NADP-ME型を持つ光合成

どうも只者ではないらしい。
米とか麦とは異なり
とんもころしは特殊能力を
持っているらしい。

植物の成長に欠かせない
二酸化炭素(CO2)を取り込む
能力が優れていて
C4経路(ハッチ=スラック回路)と
呼ばれる回路から
悪条件下でもCO2を吸収出来るとか。




中央が新鮮な甘さの未熟唐黍

奥右が過熟唐黍、食べごたえあり
米や麦などのC3植物は
高温や乾燥などの
悪条件下では気孔を閉じて
身を護るが、その結果

CO2もシャッターアウトして
成長は止まってしまう。
だが、とんもころしは
高温や乾燥下でも気孔を
開き続けCO2
吸収することが出来るのだ。

その特殊能力が
上図のクランツ構造にあると
知って仙人は
またまたぶっ魂消た。

手前がベスト、保存食に






蜘蛛の巣が花に変身
解決の無い混乱

あちこち山や森を駆け巡り散策し、
それでも中々見つけられない夜明けの神秘の花、烏瓜。
中庭から畑へ下る石段で、初めて出逢った時の驚きは忘れられない。
あれ程までに探し求めていた夜明けの花が、
まさかお膝元の山荘の庭に在るだなんて、考えてもいなかったのだ。

 花を着けた蔓を辿り、石卓の横に立派な根を張っている木を確かめ、
更に広く何処までも伸びるよう楓や山法師の梢まで、
蔓を広げてやった。
その効果が現われ今夏は、繊細な細い糸を張り巡らせた
夜明けしか見られぬ白銀の花弁に、たくさん逢えるかと愉しみにしていた。
しかし何処を探しても見当たらない。


霧を織り込んだ巣

夜明けを捉えた蜘蛛の巣

霧と糸のタピスリー
細い銀の糸は夜明けの前の露を求め、大気中に揺らめく。
夜明けの光を感じるや、繊細な糸はクルクルと巻き始め、乱れる麻の如く、
解決の無い混乱に陥る。
光が烏瓜の花弁に混乱を齎す理由を訊ねても、烏瓜には答えられない。

答えられず寡黙なまま、解決の無い混乱に陥っている
山荘の烏瓜の花を、遂に見つけた。
まさか、夏椿の梢から垂れ下がるようにして咲いていたとは!
例えどんなに混乱していようが、逢えて嬉しい。

石卓に咲いた烏瓜
 



傷んだは修理せねば!と
小倉山35日ぶりの山トレで開眼した仙人

心象がそのまま仙人の内部から遊離し、漂い出した風景に違いない。
ならば幹の翳に忍び込み黒をグレーにして、霧は何を描きだそうと目論んでいるのだろう。
幹の翳に仕掛けられた罠に絡み、霧は何を告発しようと企んでいるのか?

蜘蛛はただ単に偶然を期待しているのだろうか?
それとも虫にしか解らない甘やかな香りを発して、誘っているのだろうか?
そうだとしても甘やかな香りの源に張り詰められた、透明であるはずの細い糸が、露を絡められ姿を暴露してしまっては
最早、罠では有り得ない。
いったい蜘蛛は罠を失ってしまったことに気づいているのか?

霧は深まり翳を奪い、色彩をリセットし存在そのものを白い混沌に帰す。
霧に同化して、ゆるゆると溶け出し、とりとめもなく消失していく思惟に、為す術なく佇む仙人。





浴室から水漏れあり! 
浴室外壁工事


上の壁まで交換しよう 

こりゃ酷い! 

数年前から解けない疑問が解けた。
浴室の南西角の辺りに
蟻の糞を見掛けるようになり、
一体何処から侵入して来るのか
不思議でならなかった。

やがて南西角での
出没は観られなくなったが、
今度は脱衣室の洗面化粧台に、蟻の糞が。
念入りに蟻の出入り口を探すが、
浴室はタイル張りで隙間は無いし、
脱衣室も蟻の侵入できそうな
穴や割れ目も見当たらない。


仕方なく帰京時には必ず
殺虫剤を散布していが、効き目はなく
山荘に戻ってみると、矢張りこれでもかと
見せつけるように糞、糞。

築年数23年、本年3月の大和ハウスの
≪住まいの健康診断報告書≫では
「床下に関しては、木材の腐朽、
鋼製部材の腐蝕、
給水・給湯・排水配管からの
水漏れ及び害虫の存在も無く、
異常ありませんでした。」とのこと。


うーん、白蟻にやられてる

両壁を交換 



山荘建設した大和の八巻親方が修理


壁を取り外す瞬間に立ち会ったが、壁の中を覗いて吃驚!
浴室タイルの目地から漏れた水分が壁に浸出し、
タイルを押さえている木の支柱や断熱材に浸み込み、
木材はシロアリの棲家になっているでは!

シロアリは濡れた木材を棲家とするので、
山荘ではシロアリの出る幕は無いと
堅く信じていただけに驚き!

と同時に数年前からの神出鬼没の蟻の疑問が
解けたのである。
この壁の中を難攻不落の城として選び、
シロアリは浴室や脱衣室に出撃していたに違いない。

この診断書はカラー写真付きの23ページに及ぶ詳細なレポート。
毎年受け取っているが、シロアリの気配は全く無いとの報告。
従って浴室も脱衣室の蟻も、窓とか外部からの
侵入としか考えられなかったのだ。

しかし本年の診断で浴室外壁に「外壁面材に凍害と思われる、
面材の傷み・塗膜の剥がれが見られました」とあり、
工事を勧められ改修決意。
で、23年前の建設当初からの職人・八巻さんが
昨日から来て、腕を振るっている。

 
修理の仕上げは水漏防止のパテ塗り




農具小屋のコンクリート打設
仙人のコンクリート打設


邪魔な岩の削岩

耕耘機通路は失敗!

其れならば浴室タイルの何処かに
出入り口があるに違いないと、八巻さんと
浴室に移動し具に点検。あった!
今まで全く気付かなかったが、
確かに浴室出窓の
南西隅のコーキングに小さな穴が。

これ小さくて眼鏡を掛けないと観えないので、
今まで気づかなかったのだ。
こんな小さな穴からの水で
まさかこれ程までの被害が出るとは!


と思うが、実は風呂掃除の度に、
洗剤を落す為、この南西隅に大量の
シャワーを振り掛けていたのだ。
従ってこの穴の下は掃除の都度、滝となって
水が流れ落ちていたに違いない。

改修されるのは嬉しいが、何よりも
長年の疑問が解けたことが嬉しくて、
嬉しくてスキップしたいくらい。


削岩し楔を打込む造園社の敬三親方

農具の新居完成
 
すっきりした窯室西棚
 
右へ移動した窯と東棚
 
広くなった窯室





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