その1401ー2017年  文月


大地の恵み梅、葡萄、林檎
大地讃頌

冬駐車場の森までちょっと梅採り
7月2日(日)曇 
たくさんの梅が落ちているので新たに落とした梅がどれだか?

≪吐蕃子≫
待ちかねていた梅捥ぎ。山荘下の梅林は梅の実の爽やかな香りが満ち満ちて、色づいた実が木の下一面に散らばっている。
既に地に落ちた実は拾ってみると傷だらけ。もったいないけど、それらは放置して、梅の木を叩いて、新しい実を落とす。
一叩きするごとに、露と共に青い実がどっと降ってくる。その実を次々拾い集めて、籠に放り込む。

梅の甘い香りに包まれ、この作業は楽しい。
持ち上げるのが大変なくらいたくさんの実を収穫、洗って干して、翌日、瓶に砂糖浸けして、あとは梅ジュースが仕上がるまで倉庫で寝かせる。
全部で17,8㌔あった。




運べない程たくさん
初蜩の音色

耳を澄ますと、夕暮れの空気を震わせて、
かなかなかなかな・・・と
透き通る音色がどこまでも広がって行く。
残照の茜の色に
溶け込んでいく美しくも哀愁を帯びた音色。

早々寝てしまった山荘主の仙人に先駆け、
初蜩の音色を聴くことが出来た。
蝉はあんなに小さな体が
とんでもなく響き渡る楽器そのもの。

どれも命に満ちてます



[1] リンゴ畑で

                                              ≪にえすPhiqono≫

夏の朝、太陽がしっかり目を覚ます前のほんの短い時間は、山荘のこの上ない賜物だ。
リンゴ畑で大きくなり始めたアスパラ畑の雑草を抜く。
前の日に雨が降っていたせいで、土は柔らかく、雑草はするすると抜け、土の匂や草の匂いが立ち込める。

もやもやと萌え立つ薄緑のアスパラの茎葉は繊細で美しい。
が、頼りないほど執着心が薄く、弱弱しく雑草と一緒に抜けてしまう。
1本でも無駄にしないようにと仕事に熱中していると、
汗ばみ始めた襟足を涼しい風が心地よく吹き過ぎる。
贅沢な朝のひと時だ。



この坂道を登って山荘まで運ばなくちゃ

 
さて梅ジュースを仕込みましょう!


 

[2] リンゴ畑の霊力を

朝食後はリンゴの摘果。
年若い友人のことが心を離れない。
こんな気持ちの良い空気の中に彼女が立つ事はもうないのだろうかと胸が痛む。
難しい病気の症状がだんだん悪化し、仕事も辞めざるを得なくなってしまった彼女。世の中にはどうしようもない不幸が満ち満ちている。
毎週のように届けた無農薬の山荘野菜を心から喜んでくれた彼女。


取り分け無農薬のリンゴを楽しみにしていた彼女のために、ひとつひとつ祈りを込めて摘果する。
この土と空気を一杯に吸って、立派なリンゴに育っておくれ。彼女の細胞のひとつひとつに、このリンゴ畑の霊力を届けておくれ。
虫食いのリンゴも嬉しそうに手にしていた彼女に、
今年は香り高い秋の実をたくさん届けてあげたいと、
そして病が少しでも癒えるようにと、心から祈っている。



迷って採れない生り過ぎた葡萄の摘果
7月2日(日)曇 
どの実だって大きく育ちたいと思っているのに!

何気なく見ている農家の人たちの果樹摘果だが、実際に自分でやってみると難しいものだ。
ひと月前、小指の先ほどだった林檎の実はピンポン玉ほどの大きさに育ち、早くも紅の色を差し、なんとも愛らしい。
先回訪れた時にあんなに一生懸命選んで、余分な実をもぎ取った筈なのに、
一緒の枝先に三つもの実がどれも可憐な様子で揺れている。



伐っちゃってごめんね!


 
大きく育ってるけど伐るしかない!



[3]  生存のための戦略

土や風に匂いがあるように、植物にもひとつひとつに別々の香りがある。
クレソン、春菊、大葉、山椒たちは香りが存在理由だと言わんばかりに匂い立つ。
キウイ、イチジク、ラフランス、柿、枇杷、プラム、たくさんの果物たち。
山荘に満ち満ちている香りは何の信号なのだろう。
香りには、それぞれの植物の生存のための戦略が隠されているのだろうか。

美味しい香りで惹きつけて、種の運び屋を待っているのかな。
トマトは雑草だったころを懐かしむように、畑の真ん中で、強烈な匂いで自己主張している。
通り過ぎるだけで、自ずとそこにいることが分かってしまう。

思わず振り返ると、ギラギラの太陽を一杯に浴びて、
ふてぶてしく胸を張ってこちらを見返してくる。
あの真っ赤な実を育てるパワーはこの香りだと言わんばかりに。




煩い目まとい虫防護網を被って
命の美しさと儚さ

長い歳月を土の中で過ごし、
光を浴びるのは
僅かな時間にすぎないからこそ、
その小さな体に光を
いっぱい溜め込んでありったけの力で、
命の唄を奏で続けるのだろう。

蜩の唄は、この世で
最も美しい音色の小さな鈴が
無数に振られるかのようで、
遠く遠くへと人の心をせき立て、
透き通るように啼きわたる。

その中心に佇めば、
命の美しさと儚さが天から
きらきらと滴のように降り注ぐのを
感じることが
出来るのではないかしら。

万葉の昔から、人は
この音色に同じような想いを
掻きたてられてきている。

人の想いなんて、
そう変わるものではないんだろうな。
蜩の初音色を聴きながら、
夏の間にもう一度
この音色を堪能したいと思うのでした。

富士山の雪もすっかり解けて

さあ、大きな葡萄になっておくれ!

あれ、摘果した筈の林檎が?

よーく観ないと!

この林檎未だ食べられないかしら?


豊饒なる土との戯れ
大地讃頌


青、緑、白ガラスで描く紋様

 
点火不良であったが今回一発で着火



[4]  仙人の究極の試み

「食べて、食べて」と訴えているのだろうか。
さて、リンゴの木にはリンゴの、ブドウの木にはブドウの香りが確かにある。

ブドウの摘果をしているとどこからともなく良い香りが漂って来た。
今年は初めてブドウの収穫に立ち会えるだろうか。
以前は農家から購入したブドウでワインを作っていた。
ワイン造りを始めたもう20年以上も昔のこと、
研修日に一人山荘に残ってブドウを絞っていたことを思い出す。

白ワインのために手拭いを縫って袋を作り、手でつぶしながら絞った。
効率も悪く、雑菌も入りやすかっただろう。
その後ブドウ絞りはどんどん進化し、
とうとうワイン造りをブドウ栽培から始めようという仙人の究極の試みが。
数年前から実現した自家製ブドウのワイン造りを今年はぜひ体験しよう。
その前にたくさんの摘果された仲間を悼んで、大きく育ったブドウをいただくこととしよう。

それにしてもどう考えても皮を捨てるのは惜しい。
まして、無農薬なんだから。
皮もジュースにしたり大根と煮るレシピもある。
香り高いブドウやリンゴやたくさんの果物たちに出会うことを考えれば、
この熱暑に耐える元気も生まれるというものだ。




忍びないと躊躇

う~ん、この中の
一つを残して毟り取るのは
忍びないと躊躇するも、
そのまま放置すれば
枝が折れても不思議ないし、
どの実も育ちきれないのは
目に見えている。

大きくなった分だけ、
捥ぎ取るのが心苦しいなんて、
単なる感傷、
先回の摘果の思い切りの
悪さの結果でした。
葡萄棚にビッシリ生った
翡翠色の葡萄たち。

まだ小さいけれど
ちゃんと葡萄の房の形を成し、
無数の実を付けている。
 
1200度を超えた窯作品を避けて温度センサー先端部のみの測定
これらを最低7センチは空けて
間引くようにとのこと。
隣り合わせの
同じように育った大きさの
どちらの房を伐るべきか、
一つ一つ見較べて
悩みながらの作業。

切り捨てた葡萄の実への
お詫びのように、
作業終了頃には首が痛くて
たまらなかった。

どうか、
枝に残した幼い実たちが、
甘くて豊かな果実に
育ちますようにと
祈りながら鋏をしまう。



センサー先端部だけでの温度測定に不安
大地との対話

生きていくことは、
一瞬ごとに何かを、切り捨て
選びとらねばならぬことの
連続だと言っても
いいかもしれない。

普段はそんな事には
気がつかないふりして、
日常の流れに乗って過ごしているが、
自分が本当に
正しい選択をしているのだろうか。

枝に鋏を入れながら、
思いがけずそんな問いが
湧き上がってきた。
これも大地との対話かな。

炎と灼熱煙突の色で窯温判断

上部の突き出し棒がセンサー(1段目)

2段目の大皿

センサーが大皿に擦れ擦れ(3段目)

右の棚板の間の白い長方形が遮蔽壁

青硝子が多すぎ中央の紋様は死んだ


新たなる彩と紋様との邂逅
7月2日(日)曇 
窯を開けた瞬間のときめき!

窯のサイズぎりぎりの大きさに迫る様な大物作品を焼くのは難しい。
大きければ大きい程、高温による収縮差が拡大され皹が生じ、時には作品を砕いてしまうこともある。
罅割れを防ぐには、先ず徹底して土をよく練ること。
更に成型し易い堅さより水分を多くし、柔らかく練り上げ成型し、成型後の歪が残らないようにしなければならない。

大きくなれば当然、作品全体が重くなり変形部分には力が加わり、柔らかな土は伸びてしまう。
総てそれらを充分に認識しつつ数多くの経験を積み、悔しいがそれでも失敗を重ねる。
中央右上に走る鋭い亀裂が、混沌仙人の未熟な作陶技を嘲笑うかの如く、森のエメラルドと海の碧を脅かす。
失敗してしまったが、新たなる彩と紋様に逢えたことを素直に歓ぼう。



戯れ仙人を襲う魔女の一撃
ざまーみろ!
 


夜明けの光で開く睡蓮

最後の夏の春菊
腹筋100回

昨日の目白での腹筋100回は
ゆっくりでないと出来なかったが、
今朝は腰痛以前の状態に
復帰し楽々熟せた。

予報では降りそうも無かった雨が
降っているので、差し当たり
人参畑の散水は不要になった。

浮いた時間を有効利用して、
陶芸カップに
仙人ブレンドのマークを入れる
面倒な作業に集中。

雨が上がったので、
刈り残していた林檎畑ゲートの外側の
雑草を草刈り機で刈り、
更に冬駐車場まで出向き、
駐車場が歩けるよう延び放題の
雑草刈りに勤しむ。

中畑石垣で咲き出した凌霄花(ノウゼンカズラ)

清楚な紫陽花も咲き出し



1本の凌霄花雌蕊に寄りそう4つの雄蕊
釉掛

この調子では午後はプールで
リハビリが出来るかな?
1500メートル程ゆっくり流して
腰痛が無ければ、
ほぼ回復と云えるかな?

それとも小倉山に登ってみて、
腰痛に悩まされなければ
正常な山荘活動に
ゴーサインを出そうかな。

その前に素焼きの
終わった作品をいつまでも窯に
入れて置くわけにもいかないので、
思い切って釉掛けして、
明日の本焼き準備でもしようか。
で、窯室に作品を並べ、
バケツに入った釉薬を
窯室まで運び、
電動攪拌機で撹拌。
先ずスプレーで乳白釉を吹き付け、
大皿の縁を流し掛けし乾燥。

次に油さし容器に黒織部を入れて、
油さしの穴を大きく開き、
これを筆にして文様を描く。

今までスポイトを使って
描いていたが、
スポイトは容量が少ないので
釉薬の補充に
手間暇がかかる。

新カメラを手にするまで撮れなかった顕微画像



6月25日の一撃
魔女の一撃

油さしの容量は300cc程あるのでこれだと一気に描ける。
問題は穴が小さすぎて直ぐに穴が詰まってしまうこと。
最初はスプレーノズルを穴通しする針金で、詰まるごとに穴通ししていたが、
直ぐ詰まってしまい作業にならない。
そこで思い切って釘を突っ込んで穴を拡げ一件落着。

しかしこの作業、中腰での作業が続きちょっと嫌な予感がしたのだが、
前に屈んだ途端ギクッ!と一発
それで折角回復しつつあった腰はあっさり5日前に逆戻り。
とても水泳リハビリとか小倉山登山などは夢のまた夢となってしまったのだ。

2度目は6月30日じゃ!



2度目の魔女の一撃にタジタジ仙人
7月2日(日)曇 
6月25日に続き30日に再び一撃

ストレッチ、筋トレなど全く出来ない。つまり6日前に完全に戻ってしまいガックリ!
重い物を持ったりしての無謀の結果、再発したのであれば納得できるが、単に静かに釉薬掛けをしていただけで、
ちょっと中腰で下向きになっただけで、この痛みは許せない。

とか云って怒ってみたところで、仙人肉体労働組合にしてみれば、老化も自覚せず日々の肉体酷使を続ける混沌仙人には、
最早我慢の限界を超え、ゼネストに出るしかないと決意を固めつつあるのだろう。
まーゼネストを打つ前に、ちょっとジャブでも出して、再度、脅かしてやろう。
関節捻挫、筋肉の損傷、筋膜性炎症、この3つを一気に引き起こせば、痛み止めのロキソニンもミオリラークも全く効かず、
唯々苦しみのたうち回るに違いない。と作戦を立てたのだ。



腰椎L1~5に問題発生!
悔しいがこの作戦に立ち向かう術無し。
ハイ、その通りでござんした。
もう椅子に座っているのも儘ならず、
ただ唯呻いております。
 
問題源は椎間板、筋肉、靭帯か?


感嘆すべき造形物


頭蓋骨から骨盤へと
約30個の椎骨
緩やかな美しい
S字を描いて連なる。

幼児の玩具のような
30個のブロックは、
線維軟骨である椎間板
クッションとしてしなやかに
曲げることが出来る。

コラーゲン繊維で出来た靭帯
骨と骨を結び関節を作り、
が骨と骨格筋を繋ぎ、
背筋の動き
によって屈曲を可能にする。

感嘆すべき造形物をらうとは焼立ての大皿にスペアリブと薔薇を
脊柱の中央の脊柱管には
神経が走り、
精緻な構造の活動を
微に入り細を穿ち脳に伝える。

調べれば調べる程、奇跡としか
言いようのない
感嘆すべき造形物である。
こいつを造ったのは誰かと考えると、
差し当たり自然である。

となると自然は神のようなもんか、
そいつを喰ってしまうなんて!
卓上のスペアリブを見詰めながら
悩んでしまう。

おっとっと、料理に気を取られたり
脊柱図を眺めて
感嘆し思索に耽っていてはいかん!
混沌仙人が魔女から受けた
一撃を解析し、原因を突き止め、
ダメージを抑え一刻も早い
再生を果たすことを忘れんなよ!



再生を果たすには安静にして、後は時間の神様に御すがりして、
嵐の通り過ぎるのを待つのみ。
ゼネストとは何だ?とはなんだ。
general strike 総同盟罷業の事に決まってるじゃろ、
つまり総ての機能が停止することさ!
おめおめとゼネストを待っているのは癪に触るから、
何とか総同盟罷業への途を阻止すべく、資料など漁ってみるか!


累積された筋肉疲労なら①か!


手始めに筋肉が
損傷を受けると、どうなるのか?
筋線維の壊死について調べ、
再生へのプロセスを
追ってみるとしよう!

静かな歩行中の一撃なので①、の可能性は低い


Ca2+が痛みの原因か?

先ずは筋肉とは何か
調べると、僅か
直径0.001mmの筋原線維の
束であり
この極細の筋原繊維に
筋肉を収縮させる仕組みが
繰り込まれているらしい。

総本部の脳から、
≪さあ重い
スチール足場板を運ぶぞ!≫

仙人ブランドのグラスで筋衛星細胞に乾杯!
と指令が下されると
脊椎管の神経は
カルシュームイオンCa2+生体の
エネルギー通貨と云われている
アデノシン3燐酸ATP
化学反応させる。
すると筋原繊維の
アクチンフィラメントは
ミオシンフィラメントの間に滑り込み、
筋原繊維を短くし、
筋肉は短縮すると云うのだ。

その結果、重いスチール足場板は
持ち上げられるだが、この作業が
続くと細胞膜の透過性が異常を来し、
Ca2+は細胞内に蓄積され
過縮状態となり、
総本部に異常発生の情報が
痛みとして伝えられる。






筋・筋膜性腰痛とは、一言で言えば腰周辺の筋肉疲労による痛みです。
腰を使う作業や、腰の負担が大きい姿勢を続けていると、腰の筋肉が緊張して固くなります。
柔軟性が低下することで損傷しやすくなるほか、血行も悪くなって
痛みの元となる炎症や疲労が発生しやすくなり、痛みにつながります。


筋肉の仕組みと筋膜の関係

 
筋肉は、太さが直径0.1mmの筋線維の集まりで、筋線維はさらに細い直径1000分の1mmしかない筋原線維が集てできています。筋原線維には、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントという筋肉を縮ませる仕組みがあります。筋肉は、何層にもよる筋膜(筋上膜、筋周膜、筋内膜)で筋線維が覆われています。筋膜は、筋線維を束ねて腱に移行します。そして骨に合成され骨膜になり、さらにまた違う筋肉に移行して行きます。その結果、筋膜は3次元のクモの巣状のネットワークとして全身を覆い支えているのです。

筋肉の収縮の仕組み

筋肉が神経から刺激を受けると、カルシウムとATP(エネルギー源)が化学反応を起こし、上記の拡大図のようにアクチンフィラメントがミオシンフィラメントの間に滑り込みます。この結果、筋肉は短縮して太くなるのです。
 
筋線維の壊死

筋損傷では、筋線維(筋細胞)の細胞膜が破損します。すると、その細胞膜の透過性に異常が生じ、Ca2+が筋線維内に流入し、その濃度が上昇します。Ca2+は、筋肉が収縮するスイッチとなっています。したがって、Ca2+濃度が上昇した筋線維は、過収縮状態となります。そして、Ca2+依存性のタンパク質分解酵素が活性化し、筋線維のタンパク質の融解、断片化が始まり、筋線維は壊死を起こします。ただ、筋線維は多核細胞であるため生存力が強く、壊死を起こした部位も一部にとどまり、筋線維全体の壊死には至りません。その後、筋線維は、再生、回復します。筋損傷が、単一の筋線維の部分的な壊死である場合は、大きな出血もなく、損傷直後に痛みは生じません。しかし、筋線維の壊死が発生した1~2日後には、好中球やマクロファージが損傷した部分に浸潤し、炎症反応がピークを迎えると、痛みを生じるようになります。このメカニズムは、“遅発性筋痛”の一因として有力視されています。一方、筋損傷の程度が大きいと、筋線維の壊死にとどまらず、筋膜を含んだ筋組織の断裂に及び、出血も顕著にみられます。出血部位やその周辺では、炎症による血管反応が生じ、炎症の徴候である、発赤、熱感、腫脹、疼痛が生じるようになります。これが、“肉離れ”とよばれる筋損傷です。この“肉離れ”の治癒過程はでは、筋線維の壊死、再生に加え、結合組織で構成される筋膜の修復過程を伴いますので、治癒するまでには時間がかかります。

筋線維の再生

筋内膜の中には、筋衛星細胞という、通常は活動を休止している細胞が存在します。筋線維に壊死が生じると、この筋衛星細胞が活性化し、筋線維の再生が始まります。筋衛星細胞は、マクロファージの活動の終了を待たずに、筋線維の壊死が発生した約1日後から活性化し、筋芽細胞に分化して、増殖を繰り返します。筋芽細胞の増殖がある程度進行すると、次に筋芽細胞どうしの融合が始まり、筋管細胞へと分化します。これは壊死から約3日後によくみられます。
壊死から約
7日後、筋管細胞は、壊死した筋線維の両端をつなぎ合せるように融合し、筋線維を再生します。壊死から約1か月後には、筋線維の回復はほぼ終了し、筋線維は元通りになります。また、筋管細胞がそのまま成長して新たな筋線維となり、筋線維の数が増加することもあります。以上のように、筋線維の修復には、1週間ぐらいの時間が必要なよう。
(『Feuno/フーノ』より)



えっ!未だログハウスの壁塗りがあるの!



筋衛星細胞の培養に成功

細胞内に異常に蓄積されたCa2+は、静かに眠りに着いていた蛋白質分解酵素を刺激し活性化させ、
筋線維を融かしたり、切断して壊死させてしまう。
こうなると筋線維は機能を失い、収縮したり元に戻ったり出来なくなり、細胞内に異常に溜ったCa2+の情報を痛みとして
総本部に送り続ける。

次が凄いのだ!
細胞分裂もせず普段はグーたら眠っているような、
役立たずに観える筋サテライト(衛星)細胞なる、スーパースターが登場。
融解され断片化されてしまった筋原繊維を見出すや否や即、猛烈な勢いで細胞分裂を始め、
自らが増えるだけでなく、全く別の細胞になって壊死した細胞を復活させる。

感動もんじゃ!
となると当然この筋衛星細胞なるものを造れないかと、世界中の科学者が血眼になって彼らを追うに違いないと
調べたら、在ったぜ。
今から23年前、1994年にはこの筋衛星細胞を生きたまま培養する技術が確立されたとか




筋衛星細胞の活性化

筋肉再生の主役、筋衛星細胞

 この筋肉が傷ついたり、断裂してしまったりすると、筋肉は再生を始めます。その過程で大活躍するのが、筋サテライト(衛星)細胞なのです。
 筋サテライト細胞は、筋繊維の表面にへばりついている小さな細胞で、普段はまるで眠っているかのように何も活動していません。細胞分裂すらしていません。しかし、ひとたび筋肉が損傷を受けると、筋サテライト細胞は活性化します。まず、細胞分裂を始めて数が増えます。細胞分裂を繰り返すうちに、中には全く別な種類の細胞に変化するものもでてきます。これを「分化」と言います。分化した細胞は決して元に戻ることはありません。そして、それらはいくつか集まって「筋管」というものになり、それが育って筋繊維になります。こうして筋肉は再生し、修復されるのです。

培養技術で飛躍的に伸びた筋肉の研究

 損傷を受けた筋繊維にへばりついている筋サテライト細胞が活動を開始する過程は、筋繊維と筋サテライト細胞を生きたまま培養する技術が確立されて初めて明らかになりました。この技術は1994年に確立された、比較的新しい技術です。現在は筋サテライト細胞そのものをさらに深く調べる研究が、世界中で進められています。
 これからはますます筋サテライト細胞や筋肉についての新発見が続くでしょう。

(Miltenyi Biotec K.K. )


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錯乱する混沌仙人、筋衛星細胞となる

23年前と云えば山荘誕生と奇しくも同じ年。
そうだったのか、K2峰遠征準備で造られた山荘と筋衛星細胞の培養の誕生年は一致するのかと、
全く無関係な2つを並べて、混沌仙人はしみじみと感慨に耽るのであった。

そのMiltenyi Biotec K.K社の筋衛星細胞培養成功の記事を見つけた時、混沌仙人が如何に欣喜雀躍したか! 
序に早とちりと勘違いも甚だしい誇大妄想を描き、
恰も自ら筋衛星細胞を手に入れ自在に操り、魔女の一撃を叩きのめしたかの錯覚に、仙人は陥るのだ。

1回だけで緊急警報の発せられる朝の腹筋運動の痛みを無視し、
健常時と同じ103回も続け、更に激しい山荘活動を再開するのは目に見えているな。
愚か者め、お前、筋衛星細胞にでもなったつもりか!
でも確かに筋衛星細胞の≪細胞分裂もせず普段はグーたら眠っているような役立たずの≫の部分だけは、
混沌仙人と似ていなくはないか!



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