消失する存在理由に佇む混沌仙人
その1391ー2017年  水無月

から昇る夏の曙光
6月4日(日)晴 ガニメデの夜明け&高芝山

5時25分、高芝山の頂から太陽が昇る。
寒気団の影響でく夏6月だと云うのに大気は冷たく13℃。しかないが、思い切って屋根裏部屋のガニメデに登ってみた。
生まれたばかりの光を全身に浴びて、目覚めた森に分け入る。
森の闇を光が切り裂き、幾条もの光の糸となって森そのものを貫き、金糸のタピストリーに仕立て上げる。

金の光に染め上げられた葉の輪奈が輝き、無数の輪奈となって肉体を包み込む。
輪奈は肉体に接触するや否や自在に自らを変形し、
確たる存在の痕跡を消し去り、言語を超越した肉体との物語を紡ぎだそうと蠢く。



ブロッコリーの花との別れ

剪定した山法師
6月2日(金)晴

今年は断念せざるを
得ないかと諦めかけていたオクラ、
最後の勝負と3回目の播種を
6日前に黒マルチを敷いて行ったが
予想に反して次々発芽。

昨夕数えたら34個の穴の内
発芽してない穴が2つだけで
あとは総て
3本ないし2本の芽を確認。


これなら1穴に3つの種を蒔かず
1つか2つでよかったのでは!
と思ってしまう程の発芽率。
成功の秘訣は
黒マルチであることは言うまでもない。

オクラは地温が高く
保湿も充分でないと発芽しない。
今までは露地に直播してきたが
頻繁に水遣りをしても、
帰京している間の乾燥で
発芽率は落ちてしまう。

蔓延る吸い蔓

畑ではトマトも


今春植えた滝下花壇のアンネ薔薇初咲
夜明けの薔薇
6月3日(土)晴

8℃快晴、夜明け前の
高芝山から金星が昇る。
寒気団が南下し空気が
ギアマンになって、
何処までも澄み渡った透明な闇を
金星が穿つ。

未だ耕作するには早過ぎるので、
もう暫く寝たふりをして
時の過ぎるのを待つ。

4時、闇に僅かな光が
混じり始め
東の出窓から観えていた金星が
姿を消し、
南の出窓に残雪を纏った富士が
浮かび上がる。
夜明けの潮汐作用で
満潮となった血潮が、金星の光に
絡めとられ潮汐熱を帯びる。
おかしい、変だ。

金星には衛星はなかった筈。
となると
潮汐熱を帯びる血潮は
いずこからもたらされるのか?
金星の光の奥と手前で
金星による
引力の大きさに違いが生じ、
潮汐作用による
膨らみが生じたのか。

その結果、膨らみが
内部に潮汐熱を生み出し、
木星のイオのように
噴火の兆しを見せているのか。

窯室花壇の吸い込まれる彩を放つアンネ



松葉菊咲き出す
6月2日(金)晴

オクラの発芽は
何とか解決しそうだが、
殆ど失敗しなかった唐黍の
2次播種の発芽がうまくいかない。

1次播種はポット栽培で行い、
現在1本も欠けることなく見事に成長し
3畝の56本が青々と西畑を飾っている。
ポットで発芽した物を
移植したのだから、
1本も欠けることがないのは当たり前。


中畑の石垣に蔓薔薇 
だが山荘の畑の歴史には
無かったことであり、
改めて先人の
黒マルチの知恵には脱帽。
問題は2次播種の唐黍。

アタリアの甘さ抜群と表示された
ハニーバンタムをポット播種したのだが、
全く発芽しない。
1次との違いはポット上に
保温と保湿の透明ビニールの
マルチを掛けたか
掛けなかったかだけの違い。

 雄花ばかりのキウイ
1次播種の頃より
真夏日が多くなり、マルチに
ポット土の水蒸気が結露し光量が
遮られ逆効果になるし、
最早保温は必要ないと判断。

しかし同じメーカーの種でありながら
全く発芽しない。
原因はマルチを外したことしか
思い当たらない。
となると矢張り
マルチ効果は凄いのだ!


倉庫の大改造・床張替開始
5月29日(日)晴 倉庫内で作業開始

電動ドリルを右手だけで移動させようとした途端、片手では持ちきれず左手の手首に接触。
ヤベーと急いで袖口を捲って観ると脈をとる動脈の直ぐ左から出血。

血の吹きだし状態から観て、僅かに動脈直撃は避けられたようなので作業続行。
その2時間前には450kgの鶏糞と60kgの消石灰、重い合板6枚、角材5本、計550kg程を林檎畑、葡萄畑、西畑や
倉庫に分け、トラックから降ろし抱えて搬入。
重さに耐えきれず、ひ弱な右上腕2頭筋が肉離れを起こし、右腕に力が入らない。
作業に没頭していて、負傷をすっかり忘れていたのだ。




雨の来ぬ内に一刻も早く床張りを終えないと
外に出した荷が雨曝しになってしまう。
朝10時から作業開始して夕刻5時半まで、
ぶっ通し7時間半頑張ったが、
床に防腐剤を塗ったところで時間切れ。

とても夕刻の山トレなんぞ
出来る時間も体力、気力も無く、
どうにか畑の散水を終えて
本日の活動終了。
あと2ミリ右にドリルが寄っていたら、
どうなっていたやら!
電動鋸による合板の切断も焦ると
大きな事故につながると慎重に、
ゆっくり落ち着いて熟してきたのに悔しい!

 しかし傷ついたからと云って、
作業を止める訳にはいかない。
何しろ倉庫の荷を総て外に放り出し、
倉庫の床の張替を始めてしまったので、

 


恐る恐る左袖を捲ってみると!
5月29日(日) 螺子穴を開けようと電動ドリルで

となる筈であったが散水ホースを片づけようと、
散水器を薔薇アーチに掛けようと左手を延ばした瞬間、薔薇の棘がぐさりと!
ついてねーな、1日に3回も負傷するなんて!
あーどうして1年で一番農作業が忙しいこの時期に、最も大変な倉庫の床張替なんぞを始めたかって?

そりゃ、やむにやまれぬ事情が生じたのさ。
倉庫に動物の死体の腐敗臭が漂い出し、どうにもこうにも我慢できなくなって、1日も早く徹底的に原因究明しなければと思っていたが、
それには最低でも3日間以上、雨の降らぬ日が続かねば荷の屋外搬出は出来ない。
で、今日から3日間、晴れるとの予報。やらざるを得まい。となったのさ。





作品棚も破損
 
梅雨の来ぬ前に
 
防腐剤もたっぷり塗って!

総て意味のない塵か!

どこかで個体識別の認識が異常をきたし、どれもが同じ意味のない石ころや木々の葉に観えてしまう。
いや、石ころや1枚1枚の葉の方が未だしも形状や色、出自を語る仄かな臭いなどが漂い個としての識別は出来る。
しかし此処に転がっている品々の何と無意味なこと。

例えばヒマラヤ山麓のインド、パキスタン、アフガニスタン、チベット、キリギス、ブータン、南米アンデスなどで開催してきた
国際絵画展の数百枚の絵画、遠征食料の残りである缶詰や保存食等が意味を失い、
この倉庫での存在理由が失せ唯の膨大な塵にしか映らない。

 
数十年ぶりの光を浴びる≪ガンジス河沐浴≫の絵画 

それどころか現在の山荘活動に欠かせない器具さえ存在理由を失っている。
ビア醸造時にフレーバーとして使う梅ジュース容器、2次醗酵の瓶詰で使う大量の耐圧ペットボトル、
醸造樽、ワイン醸造で活躍するワインプレス機、数百冊の書籍、悠樹の小学校の工作作品、空を飛ぶパラパント器材、
数多くの登山用具、自ら現像していたころの現像用具、作成した多くの画像パネルや8ミリ映画の編集用具、
撮影機、映写機、更には数十枚の捨てきれなかったレコードやスピーカー、

それなりの意味を持ち役割を果たしてきた筈なのに、
使われなくなった保温便座、加湿器、生ごみ処理機と数え上げ切れぬ品々。
それらが全く意味を失い森に放り出されている。片づけ整理し倉庫に搬入しなければならないのに、
意志は≪そんな無駄なことしてどうするんだ!止めて置け≫と命ずる。
暫くなす術もなく呆然とそれらを見詰めるのみ。そうだ、これらは総て意味のない塵だったんだ!

 

この絵を描いた子供たちはもう中年かな?

これら物体に刻まれた時間は、
生きる上で不可欠な流れを見せていたが、
実は寂寞を極める存在を糊塗する
幻術でしかなかったのだ。
  
1時間も佇んでいただろうか!
新たな幻術の呪縛を振りほどいて、
やっと
片づけ整理を始め倉庫に搬入。  
 
虫干しすれば蟻も巣を造るまい
 
登攀具とビア樽もすっきり
 
ナンガ・パルバット峰の遠征盾発見!
 
梅ジュースも仕込まなくちゃ!

さてお次は前庭の剪定と石卓磨きじゃ!

市指定の黄色い塵袋に倉庫塵だけで5袋、更に缶詰の空缶等が5袋と大量の塵袋をバイクに括りつけ
落とさないようソロソロと里のゴミステーションまで下る。
これでやっと山荘建設以来同居して来た遠征用食料、缶詰ともお別れ。

最大の課題である倉庫はすっきりしたが、前庭の石卓は此処数年、全く出番が無く汚れ放題。
クレンザーでしつこい黒黴や苔を擦り落とさねばならないが、
その前に石卓を覆い尽くさんばかりに繁茂している木々を伐採、剪定せねば!
でも先ずはゴミ捨てに。



先ずは山法師伐採
ゴミ捨て後、
未発芽の原因が不明である
唐黍のポット栽培に再挑戦!
性懲りも無く新たな種を、
3たび仕込む。

3月に移植した未だ小さな薔薇が
今朝初めて咲いた。
葉が茂って陽当りの悪くなってしまった
前庭のアンネ薔薇は育たず、
慌てて中庭に移植。


搬出し易いように枝伐り
改めて薔薇は光の花と実感!
 テラス脇の山茶花が
伸びすぎて、
二階イオの窓の視界を
奪いつつある。

最も高い山茶花の幹3本を剪定。
これで見晴らし抜群!
 
お見事な山法師の花
昨日テラス周辺の木々を
大幅に伐採したので、これで
前庭の陽当りはグーンとよくなる。

昨年、芝の張替をしたときに
伐採して置けば今頃は
雑草に前庭を占領されず
青々とした芝生に
なっていたのに! 

数年使われていない石卓
≪今からでも遅くは無い
即、芝の買い出しに向かい
再度張り替えるべし≫ 
なんぞと口には出してみるが、
云ってみるだけ。

猫の手でもあれば別だが、
今はそんな余力、
何処を探してもありはしない。

黒黴と苔で汚れ放題



最初の窯詰めでドジ!

何度固く誓ったことだろう。危険だと感じたら、先ずその危険度を0に近づける術を模索し実行してみる。
軽いジャブを放ち危険度の減少を確認し、更によりよい術はないか試行錯誤を重ねる。
それでも危険度が減らない場合は行為を断念すると自らに誓っていた筈。
安全値を取るなら窯室への大皿作品搬入は最後にするべきと、素焼き準備の段取りを考えた。

しかしそれでは支柱のツクや棚板のカーボランダムと作品の位置関係を決める窯詰めに支障を来す。
窯の直ぐ傍に作品を置いて、作品を入れ替えてはツクの高さ棚板の大きさを調整するので、
やはり作品破損の危険を覚悟で窯室の床に作品を置かねばならない。
まー今まで何度もやって来たことだし、常に床下の作品を意識して行動すれば問題はないだろう。
とこの判断が、余りにも安易に過ぎたのだ。


窯蓋ブランケット修理後の初稼働
6月1日(木)雷雨 皿素焼き&ワイングラス絵付け


電磁ポンプのリセットスイッチ不調

危険度を0に近づける術を模索するにしては余りにもお粗末で、加齢による注意力散漫を甘く観すぎていた。
やってしまったのだ。
グラスに釉薬を載せるのに使うCMC化学糊を窯室奥の棚に格納しようと、床下の大皿作品の間に足を降ろした途端よろめき、見事、作品破損。
何が軽いジャブだ、御託ばかり並べやがって、結局何カ月もかかって作り上げた大皿を素焼き前に自らのドジで壊してしまったではないか!
涙をグッと堪えてもう1つの大皿、2枚の中皿、新たな挑戦である絵付けしたワイングラスなどを窯に入れ火入れしたのである。

ところが窯の中枢部であるバーナーや操作ボックスなどを新品部品と交換したり、
窯蓋の耐熱ブランケットを張り替えたりしてから未だ窯の本格的稼動はしていない。
前回は稼動途中で火が消え、不完全燃焼で窯が真っ黒になり、温度の急上昇をコントロールできず、大皿作品を割ってしまったのだ。
それ以来、窯に触れるのが億劫になり火入れしていない。案の定、何度電磁ポンプのリセットスイッチを入れても着火せず。
仕方なく新聞紙を丸めて火を点け炉内の焚き口に直接入れて着火。しかし着火しても送風すると消えてしまったり。トラブルは続く。
何度やっても消えてしまうので、調べたら今度は電磁ポンプのリセットスイッチの入れ忘れだったりして、もう自己嫌悪のMaxじゃ!




NASAの最新画像・木星の南極





この画像はNASAの木星探査機ジュノーが
32,000マイル(52,000キロメートル)の高度から見た木星の南極です。
特徴的な直径最大600マイル(1,000キロメートル)の
楕円形のものはサイクロンです。
ジュノーカムで3つの別々の軌道上から撮影した複数の
画像から昼光、色彩補正、および立体投影の
画像処理により全体像を表示しました。
(2017年6月3日)

Credits: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Betsy Asher Hall/Gervasio Robles

ガラスの融点は600度じゃ!

その後窯はご機嫌な良い音を立てて歌い出し、
現在3時間半稼働し700℃。
で、窯を覗きに行ったらガーン! 
新たな試みであった絵付けワイングラスが融けて液体となって
棚板に流れているでは!
ガラスは1100℃で融ける筈ではなかったのか!
慌てて調べたら≪結晶構造をもったクリスタルガラス(石英)の融点は
1000度以上だが、ガラスの融点はだいたい
摂氏600度~700度の範囲≫とあるでは!

つまりクリスタルガラスと間違えてたのだ。
全く耄碌爺のやることは救い難いぜや!
とても勉強になったが高い授業料となってしまった。
2つのワイングラスと、
ガラスが融けて使えなくなってしまった棚板と炉内の破損。

 
仙人の焼いた皿・木星の衛星




しかしこの不作為な大地の衣はまた何と言う美しさであろう。
仙人の作為を遥かに凌駕し鮮やかな海が
星を覆ったのだ。
迷路のように複雑に走る溝は木星の神秘な衛星
エウロパを連想させる。

エウロパの地表下には広大な海が広がり
生命が眠っている。
この衣は眠れる生命の作為なのだろうか?


マイナス130度Cの超低温下で厚さ100mもの氷に
包まれたエウロパ地表は生きている。
木星の潮汐作用がエウロパの深く広大な海を
揺り動かし厚い氷を割り
割れ目から新たな海水を噴出し黒い山脈や
途轍もなく長い谷を造る。

更に潮汐作用によるエネルギーは地核を刺激し
海底火山を生む。
火山の地熱は海水を暖め生命を育む。
(陶芸活動Ⅰ 2003~5年作品より)


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