その138の1ー2017年 皐月 |
麗しき血塗(ちみどろ)ちんがいの海に漂う方舟! 4月23日(日)晴 血塗ちんがいの海と化した肉体は、その日の遠い記憶を呼び覚ます 血潮の渚にて生命は遥かな遠い記憶を呼び覚ます。 強烈な紫外線や荷電粒子が容赦なく降り注ぐ大地は、あらゆる生命の存在を拒否。 生命にとって致命的な強烈な紫外線や荷電粒子を遮り、 命を育んだのは、地球が誕生してから6億年ほど経った40億年前の海。 大地と海が接する渚にて、海そのものを体内に取り込み、 自らの海を引っ提げて大地を踏みしめた生命。 血塗ちんがいの海と化した肉体は、その日の遠い記憶を呼び覚ますのだ。 そうか、混沌仙人には此の桃花弁の紅と、血潮の朱の識別も出来ないんだな! その血潮の海に漂う山荘が、混沌仙人にはノアの方舟なのか。 で、7日と7夜の後に地上に跋扈する堕落人を一掃する血潮の大洪水は収まり、太陽神ウトゥが出現。 血潮の大洪水から逃れた混沌仙人の方舟はニシル山に着いて、新たな生命の旅に出る。 遥かな遠い記憶と大洪水の幻覚がシャッフルされ、 いよいよ仙人め混沌を深め、回帰への旅をおっ始めたな。 |
おずおずと白花水木開花 |
それにしても海そのものを 体内に取り込み その海に漂って生命を維持し 大地に新たなテリトリーを 切り拓いただなんて! なんだか、宇宙服に空気を取り込み 宇宙の虚空に 飛び出すみたいで興味津々。 処で海を体内に取り込むと云うのは、 若しかして海水と血潮が 同じような成分ということなのかな。 うん、その通り。 人体はおよそ60%が水なんだ。 その水の30%は血液と組織液。 毛細血管から滲み出て細胞に栄養分や 酸素を送る時、血液は 無色透明な組織液となり、二酸化炭素や 老廃物を伴って静脈血管内に 帰って来ると血液に戻る。 つまり血液と組織液は同じなのだ。 ≪えっ、リンパ液はどうかって? どうも君は一々煩いね≫と 嘆きながらも嬉しそうに 話してくれるのは例のボン・シルバー。 |
20世紀梨花も一輪だけ |
これ茱萸の花です |
鈴蘭そっくりの満天星 |
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死んだ筈の赤花水木発芽 |
芝桜も生き生きと |
日陰の錨草だって咲いてます |
扇山の天辺で三つ葉躑躅が花盛り! 4月25日(火)晴 山頂の森が紅紫でいっぱい! |
林檎の花も色付いて |
正確に云うとね
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お見事な石楠花! |
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池面に鮮やかな山吹 |
実のひとつだに無きぞ哀しき |
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得意満面で得々と語る ボン・シルバーに 耳を傾けていた山荘の花々が 一斉に喋り出す。 蓑と実のをかけて古歌にうたわれた 山吹がジョンに 語りかける。 |
美味しい李になるかな? |
≪ 読めたわよ! その話の先で海と宇宙を入れ替えて 生命と宇宙の構造や 組成を比較して、ほらどうだ、 驚いただろう、 生命と宇宙は見事なまでに シンクロしてるだろう! と来るんでしょう!≫ |
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長十郎梨の花も咲きました |
開く直前の石楠花でーす |
食卓の正面を飾る梨花 |
花弁を落とした木通(アケビ)の雌蕊 |
開き始めた木通の花 |
驚くことは無いのだが、 木通(アケビ)にも花が咲くんだ! 数ミリ程の小さな花で、 見つけた時は心底驚いた。 先々週木通の蔓を延ばして、 隣の木に橋の様に架けてやった時は 全く気付かなかった。 |
その小さな小さな木通の花が、 山吹に続いて実に大胆な発言。 ≪更にその先には 賢治の「おれはひとりの修羅なのだ」 があるのよね。 つまりジョンは先週の課題「春と修羅」に 未だ拘っているだけのことでしょ≫ |
開きました木通花 |
木通の雄蕊はどれだ? |
潮騒の響くログハウスに美女出現! 4月23日(日)晴 珊瑚海の貝が犇めくログ 卯月も末の23日、夜来の雨も上がり、あっという間に抜けるような青空になったこの日、 まだひんやりとした山の空気をついて、 若いカップルと花嫁の両親、花婿の母が、竹森の山荘に向って登ってきました。 迎える仙人は花婿の父で、出来立ての家族が、名残の桃の花見をしようと集まったのでした。 仙人は手製のおはぎで一行を出迎えます。 5人は透き通った森の空気を深呼吸し、おはぎに舌鼓を打つ頃には、もうすっかり山荘のとりこです。 向かいの小倉山も、遠くの高芝山もすっかり新緑を誇らしげにまとい、匂い立つようでしたが、 山荘のお客さんが気になるのか、興味津々、 仙人に遠慮しながらも、一行の動向を覗き見しているようです。 |
山荘下の桃畑で摘花見学 |
畑の中の枝垂桜 |
おまけに、銀の冠をかぶった 富士山まで静かに エールを送ってくるのです。 軒先でくるくる不思議な 回転をする新しい住人、 カロス・キューマが アボリジニーの心象世界を見せています。 これは写真ではわかりませんね。 本当に繊細で美しい動きです。 桃の花を辿ってお散歩をしていると、 桃の花を摘んでいる 農婦のおかあさんに遭遇。 全部の花が受粉したら、 実がなってからの 摘果が大変だから、 花のうちに摘み取ってしまうのだとか。 きれいな花の中とはいえ、 |
朝早くから 夜までの単純な重労働です。 「桃がなる頃にまたお出で」と うれしい言葉を忘れずに、 必ず秋にまた来ましょう。 その時はたくさん粟餅を持って 行かないといけませんね。 赤つらの山男みたいに 小倉山も高芝山も 欲しがるかな。 予想以上にまだたくさん残っていた 濃いピンクの桃の花の跡を たどってどんどん行くと、 ところどころに枝垂桜も満開で、 なんとも贅沢な 晩春の光景でした。
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花見の宴には山荘ワインを! |
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≪富士見の岩≫の桜満開 |
草原と桜アンサンブル |
手製牡丹餅でティータイム! |
山荘に戻ってからの大宴会は いつもながらの豪華版。 日の当たる 気持ちの良いテラスにテーブルを設置し、 山荘陶房で生まれた大皿に 大御馳走が所狭しと並びます。 仙人手製の 山荘アスパラガスのベーコン巻き、 ポテトサラダ、モツ煮込みの 美味しかったこと。 花婿ママも久しぶりにスペアリブを焼き、 花嫁ママもサラダに 美味しいイチゴのデザート。 おなかが一杯なのに なぜか山荘主のおはぎに 全員がアンコール。 もう食べられなくなると、 下の畑でお土産のほうれん草と、 サニーレタスを摘み取って来ました。 |
山荘アスパラも今が旬でーす |
鹿おどしの太い竹に 大きな鈴と、クリスマスツリーに ついているようなベルがつけられていて、 水を放出するたび、 盛大に鳴るのがおかしいと言って、 花嫁ママは笑い転げていました。 その小さな滝の下には そろそろクレソンが育っています。 |
スペアリブと肋肉もどっさり |
咲いてしまった花々、 これから咲く花々、今は つつじやチューリップがさかりです。 彩りに溢れた山荘の庭に、 明るい笑い声が響き渡り、 彩りを添えています。 こうしてまたとないお花見の1日が 終わりを告げたのでした。 小倉山さん、高芝山さん、 カロス・キューマさん、 また来ますね。 (BBCより転載) |
山荘ワインは白が2001年、赤が2015年ものでどうだ! |
虚空が渦巻き慟哭する微かな振動 4月30日(日)晴 小倉山の森 虚空が外耳道で渦巻き慟哭し、鼓膜を振動させ耳小骨を震わせ蝸牛の有毛細胞で神経パルスに変換し、 更にパルスは蝸牛神経を通して大脳の聴覚中枢へと走り、虚空の慟哭を伝える。 何だって、いいか渦巻くには水か空気か物質の存在が前提なんだ。虚空が渦巻くだなんてあり得ない妄想。 と一度は突っぱねてみたものの、矢張り虚空が渦巻き慟哭する微かな振動が、大脳の聴覚中枢へと走るのだ。 |
命のパルスに満たされる山荘 |
3時半、 未だ夜明けまでには 数時間待たねばならぬが、 虚空の慟哭を振り払うには 思い切って 活動を始めるしかないとばかり、 意識を現実に切り替える。 |
小倉山から 明けの明星・金星が 夜明の先達として駆け登り、 ≪そら、血のパルスであたしを 捉えてごらん≫と 嫣然と微笑みかける。 恰も虚空の慟哭パルスが 血のパルスに変換されたが如く、 虚空は血となって騒ぐ。 |
カロス・キューマ |
仙人日記に不思議な姿を映し出されていたカロス・キューマ。 |
あまりにも大きな虚空を旅する生命 4月30日(日)晴 小倉山の森 |
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ヒトリシズカ・一人静 |
無花果 |
外耳道の最奥に潜む 金星を求めて、 血のパルスは繰り返し 繰り返し突入し夜明けを待つ。 金星の光が朧になり 夜明けの白さに溶け込み始めると ベッドから飛び出し、 春蒔きの種を抱えて 大地に飛び出す。 |
畝に鍬を突き立て深く溝を掘り、 たっぷり散水し 種を植え付け再びしっかり水を撒き 土を被せる。 最後に被せた土を濡らし 発芽を促すため、 3度目のシャワーを浴びせる。 そら大地から 歓びの声が聴こえるぜ! |
唐松の歓びの声 |
唐松の芽吹き |