桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる 3月30日(木) 神田川桜の褥でヒンドゥーの獅子と媾う山荘蝦蟇 ≪ そうか梶井基次郎はそんなことを言っておったか。 ほなら生殖の幻覚させる後光を褥にしてヒンドゥーの獅子と媾り、黄銅で出来た堅物が歓喜仏となって、 蛆の湧く腐乱屍体から流れ出る臭い水晶のような汗を滴らせ、 歓びに打ち震え叫ぶ様を、見届けてやろうではないか! そうしたら桜木の≪毛根の吸い上げる水晶のような液が、静かな行列を作って、 維管束のなかを夢のようにあがってゆくのが見える≫かも知れないではないか! ヒンドゥー教・シヴァ神のシャクティ(性力)が如何なる幻想を齎すか、 とことん媾ってやろうぜ! |
ジョン・シルバーよ、確かに世界観が変わるぜ! |
命の春を告げる山荘池 錦鯉がやっと山荘の池に姿を現した。 同時に蝦蟇が群れて池を泳ぎ回り ゲコゲコ合唱を始めた。 今年は暖かい冬だったのでもっと早く 春がやって来ると思っていたが、 梅の開花も遅いし、 例年3月下旬には 観られる蝦蟇の卵も全く無く、 春は明らかに遅れている。 |
山荘の庭には 3月の花である水仙、 森には 早春の花・春蘭の 花が咲き誇って |
歓びに打ち震え叫ぶ片栗の花 |
いるので若しや 片栗が 咲き出したのではと、 ゲートのキウイ下を 覗くと2本、見っけ! |
書斎でHP編集してたら、 蝦蟇があんまり煩く催促するもんだから、 一緒に遊んでやることにした。 先ずは話し好きなボン・シルバーに蝦蟇を載せてやり、 蝦蟇に天空の大きさ、広さ、深さを堪能させてやった。 「どうだい、長い間土の中で眠っていて、 いきなり天空を仰ぐと、世界観が変わるだろ。 今朝は雲が去来し、 山々を見せたり隠したりいてるけど、 あの雲が去ると碧い海が広がって、 何処までだって泳いでいけるぜ!」 きっとそんなことをジョンの奴云ってるのかな。 |
この眼鏡で観るとシヴァ神のシャクティが臭うぜ! |
花簪と喇叭黄水仙!
上半身の体重を掛け麺棒で粘土を潰し、 |
轆轤室に籠る |
キーボードを奏でる水仙 |
シヴァ神・शिवのシャクティを発するのはこの乳房か! 山荘ミニ博物館に眠るシヴァに迫る蝦蟇 仕方なく前回と同様な長方形の大皿にして轆轤室から退き上げたが、気になって気になって 轆轤室に戻り元の土に戻し1日時間を置いてみることにした。 で、夕刻散歩は落ち込んだまま昏く重い影を引きずりながら里の逍遥。 山荘の杏が7分咲きで色の艶やかさにうっとり。 霜降りの椿もやっと咲いた。 大地を剥き出しにした殺風景な冬畑の畝にも、僅かに緑が! おやと、近づいてみるとじゃが芋が芽吹いているでは! 昨日遊んでやった蝦蟇も池に卵を産んだ。 さて今日はこの蝦蟇を役者にして、ヒンドゥーの叙事詩にでも想いを馳せてみるか! |
破壊と再生を司るって! |
作為の無作為を狙う 2作目の大皿が半端なのである。 作為の無作為を狙って あれやこれや試行錯誤し、工夫を重ね、 以前作陶した楕円の大皿と ブロック、長方形の金属蓋、タオルを 組み合わせた土台を作り、 其処に楕円に切り抜いた粘土板を載せ、 重力に任せた流れるフォルムを 意図したが失敗。 |
自然では無いのだ。 1日経って、やや乾燥し成形に 耐えられるようになったので、 ひっくり返して表面を出し文様を掘り、 更に縁取りをしてみたが、 何処にも美しい自然のラインは観られず、 かと云って人工的なバランスも 欠いており実に気に喰わない。 |
どりゃ破壊ベーゼの味は! |
繁殖期のオスは抱接の際に雄が雌を絞め殺してしまうこともある! 4月11日(火)雨 絞め殺される苦痛の中で雌は産卵する 絞め殺すが良い! アートマンの破壊がブラフマンへの回廊であり、クンダリーニによって新たな星々が 産み出されるなら、破壊し尽くせ! ≪シヴァ(Śiva、शिव)は形の無い、無限の、超越的な、不変絶対のブラフマン(宇宙の根本原理)であり、 同時に世界の根源的なアートマン(自我、魂)である。 ・ ヨーガが依拠するチャクラ理論において、会陰(肛門と性器の狭間)にあるチャクラ「ムーラーダーラ」に眠る シャクティ(性力)のことを「クンダリニー」と呼ぶ≫ (wikipedia) 形が無く果てしなく広がり、総てを超えて永劫に不変で在るとしたら、ブラフマンこそ虚空なのだ。 ヨーガによって高められたシャクティは虚空から喜悦を紡ぎ出し、 更なる虚空を轆轤(チャクラ)にかけ、閉じた輪を自在に回し続け、ムーラーダーラを目覚めさせる。 形が無く果てしなく広がり、総てを超えて永劫に不変なブラフマンをシャクティは、語り続けるのか! |
歓びを叫ぶ杏雌蕊(山荘奥庭) 仕方なくそのまま放置し、 気分転換で池の枯葉浚いに着手。 この大仕事がうまくいけば きっと新たな視点が生まれるのではと、 せっせと池の底に沈んだ枯葉を浚う。 |
即、潰すべきなのだが、 何しろ2日掛けて土を練り成形したものの 面白くなくて壊し、じっくり考え 更に試行錯誤した結果だけに、 未練が残り潰せない。 |
光を孕み匂う水仙と花簪 |
蝦蟇のシャクティはクリビアにシヴァを仕込む 4月12日(水)晴 クリビアは虚空を孕むのか 蝦蟇の卵が生み付けられる前に実施すべきであったが、時既に遅し。 枯葉と共に大量の卵が掬い上がられその度、卵だけ池に戻すと云う面倒な作業が加わり、新たな発想どころか、 土方仕事に追い立てられヘトヘト。 どうにか最後の気力を振り絞って小倉山に行ってみたら、驚いたことに数十本の檀香梅が咲き乱れているでは! 1か月前に咲き出した扇山の檀香梅と異なり、花は小さくやや緑がかってはいるものの、 まちがいなく檀香梅である。 きっと最初に上条の森で見つけた檀香梅もこの種だったのだ。 ならば上条の森も今頃、檀香梅の花盛りに違いない。 |
可憐な片栗の蕾(山荘ゲート) しかし何だね、蝦蟇の奴、 まさか山荘の玄関に鎮座ましますシヴァの 乳房を狙っていたなんて驚き! もしかするとジョン・シルバーに乗せて 天空の海を見せてやった時 ジョンから聞いたのかも。 ≪すげー、おっぱいのでかいのが 玄関に居るんだぜ! 仙人に云えばきっと逢わせてくれるぜ!≫ とか何とかジョンの奴! |
乗り乗りの蝦蟇 作為の無作為を意図しての 大型の作陶に失敗し、 失意のどん底で蝦蟇と遊んでいたら、 蝦蟇の奴乗りに乗って、 あーだこーだとすっかり役者気取りで 仙人を扱き使いやがる。 |
片栗の爛熟し過ぎた花弁(山荘ゲート) |
虚空に煌めく星々はアートマン! 4月12日(水)晴 1万4千個もの卵を一気に虚空へ放ち蝦蟇は虚空に挑む ≪形が無く果てしなく広がり、総てを超えて永劫に不変≫ 海、空は差し当たり形は無いが、果てしなく広がってはいない。 果てしなく広がっているように観えるが、宇宙は明らかに総てを超えて永劫に不変ではない。 となるとブラフマンは一切を包括し擁する、色もなく形もない本源的な真如の世界・虚空でしかありえない。 使嗾する蝦蟇は敬虔なヒンドゥー教徒であるかの如く、認識外の虚空を見据え、アートマンである星々を振り撒く。 眼を動かし網膜上で静止物が動いているのと同じ効果を得るサッカード(跳躍性眼球運動)を持たない蝦蟇は 動いているものしか観えないと云う。 ならば動かぬ虚空は認識の対象外であり、蝦蟇の眼が虚空を捉えることは有り得ない。 蝦蟇がシヴァに抱接し、認識外の虚空へ放射するアートマンとは何なのか? 蝦蟇が使嗾せんとする対象は存在そのものなのか? 半眼の蝦蟇の眼の奥に潜むシャクティの正体を暴かねばなるまい。 |