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1ー2022年  卯月

雪に凛と咲く向日葵
3月22日(火)雪 シティーテラス 激しく雪の舞うテラスを背景に真夏の生命を謳う

雪の日に咲いた向日葵の想いが、胸を深く抉る。切り裂かれる胸の痛みは、《無声慟哭》

わたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるとき おまへはじぶんにさだめられたみちを ひとりさびしく往かうとするか
((それでもからだくさえがべ?)) ((うんにや いつかう))
ほんたうにそんなことはない かへつてここはなつののはらの
ちひさな白い花の匂でいつぱいだから ただわたくしはそれをいま言へないのだ
   (わたくしは修羅をあるいてゐるのだから)



向日葵種飾り2021年8月
 越冬した向日葵

赤石岳から悪沢岳への
稜線を駆け巡り、
大井川右岸の長い林道を
下っていた時だったろうか、
東海パルプの作業車らしきバンが
椹島方面からやってきて
乗せてくれた。

「南アルプスが好きで
若い時から通い続けているんですが、
当時は木曽馬が
木材を引いているのを
よく目にしましたが、
最近すっかり姿を観ませんね」と
親切な運ちゃんに話しかけた。


蕾の兆し3月5日 
 
下山後、調べたら
室町時代1446年(文安3年)の書物
「あい襄抄(のうしょう)」には
既に記されている。
「石引物ヲ修羅ト云ハ何事ゾ。
帝釈大石ヲ動カス事、
修羅ニアラズバアルベカラズ」

どうも帝釈天のタイシャクを
大石(タイシャク)に引っ掛けた
言葉遊びらしい。
絶対の神・帝釈天に何度も
戦いを挑み、
敗れはしたものの
帝釈天を揺さぶり続けた修羅。
 
「そうですね最近は
木曽馬の馬搬も見かけませんが、
修羅もすっかり姿を消しましたね」
「えっ、修羅って
あの阿修羅の修羅ですか?」
「あーあの字を書くんですが、
伐採した木材を運ぶ
丸太のコロや橇のことですよ」

 一体何故修羅が
木材運搬のコロや橇なのか?
運ちゃんに訊いたが
「いやー、昔から言われてますが
解りませんね」

この日山荘で向日葵播種10月22日 

膨らんだ蕾3月18日

大輪14cmの開花3月21日

丸木美術館の原爆絵図 第八部救出(第4扇部分)
丸木位里&俊 1954年 屏風四曲一双 縦1.8m×横7.2m
3月24日(木)丸木美術館

やがて動かすことさえ不可能とみえる大石や巨木を運びだし、
ウクライナは向日葵を取り戻し修羅は、
死の彼方に向日葵を咲かせることが出来るのだろうか!

ロシア核兵器使用: 【3月23日 AFP】ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は22日、米CNNテレビのインタビューで、
同国はウクライナとの紛争に関して、「存亡の危機」に直面した場合のみ核兵器を使用すると述べた。 
インタビューを行ったCNNインターナショナル(
CNN International)のクリスティアン・アマンプール(Christiane Amanpour)記者は、
ウラジーミル・プーチン(
Vladimir Putin)大統領がウクライナに関連して核兵器を使用しないと「確信しているか、もしくは自信があるか」と質問。
ペスコフ氏は、ロシアが安全保障の指針として、
核兵器を使用する場合の理由をすべて公開していると指摘し、
「国家存亡の危機であるならば」
使用できると述べた。(c)AFP





 
菜の花真っ盛り(奥庭、西畑)

早春使者山茱萸(石卓前) 
修羅のエロス

 惨たらしい死から発散される
生々しい修羅のエロス。
このエロスをエスキースしたのは
位里、それとも俊!


その傍らに倒れた向日葵を
2輪加えた意図は!
いや違う、ただ単に加えたのではなく
向日葵に覆いかぶさる
死の裸体が、それでも花を
押しつぶさず、
向日葵2輪の翳に潜むよう
エスキースされている。

死臭が修羅のエロスに変換され、
向日葵に吸い込まれる。
向日葵は修羅のエロスを宿し、
青ぐらい修羅の彼方への
旅立ちを試みる。

 
枯葉を擡げ春蘭(山荘森)
 
鮮やかな紅梅(瀧横)



搬出し易い雪道で丸太を引く木曽馬
戸台から北沢峠を経て甲斐駒に登る途中で時々出くわした馬搬
仙人が高校生、大学生だったころの南アルプス山麓風景



早春の真珠
越冬した蝶 

 
越冬した緋縅立て翅
 
その戦闘の神・阿修羅に因んで
修羅は、とてつもなく重い
大石(帝釈)さえ
動かすことが出来る仕掛けを
意味することになったのだ。

つまり本来は
木材ではなく大石を
動かすコロや橇のことで、
その修羅が大木を運ぶ
コロや橇、滑り台にも
使われたと云うこと。

修羅場と化したウクライナと、
雪の日に咲いた
ウクライナの国花・向日葵が
二重映しとなり、

 
越冬した山荘の花々

妹トシ子の死の瞬間に
為す術も無く、
青ぐらい修羅を歩く
賢治が見え隠れする。

やがて動かすことさえ
不可能とみえる大石や巨木を
運びだし、
ウクライナは向日葵を取り戻し
修羅は、死の彼方に
向日葵を咲かせることが
出来るのだろうか!

雪に凛と咲く向日葵が齎した
認知症境界線上
カンバスに
描かれた仙人の心象
スケッチでした。




足搔きつつ虚ろな瞳で大赤斑に迫る鴲(シメ) 
飾り羽をかざし太く短い嘴に冬の名残の桃色を僅かに残し

((それでもからだくさえがべ?)) ((うんにや いつかう))
死につつあるトシ子は兄に問いかける。
「それでも身体が臭いでしょう?」 「いいや、全く臭くなんかないよ!」
「ほんとうに そんなことはない」

息絶えたばかりの鴲も未だ、死の臭いを発してはいない。
しかしあと数時間もすれば、腐敗が始まり鴲は耐えがたき臭気を発散させ、存在の解体に身をゆだねる。
さようなら鴲!お前は木星の大赤斑に吸い込まれ山荘住人の記憶として,
永劫の生命を得たのだ。



春咲山茶花(森テラス) 

次々咲くクリスマス薔薇(前庭) 
修羅なのだ!

 プーチン政権によって
いわゆる「外国のスパイ」を意味する
「外国の代理人」に指定され、
圧力を受けながらも
独自の世論調査活動や分析を
続けている「レバダセンター」。

そのセンターの対面調査では
83%ものロシア国民が
プーチンの暴挙・ウクラナへの
軍事侵攻を支持していると報道。

プーチンによって
情報が
操作されているとは云え、
侵攻前の11月には63%だった
支持率が83%になった。
明らかに国民がプーチンの
侵略戦争を選んでいるのだ。
 
和水仙開花(森テラス)
 
満開白梅(瀧横)



赫奕たる鴲の飛翔
キリストの血に例えられる猩々木の真紅に身をゆだね

ロシア国民がこの暴挙を許している限り、ウクライナの虐殺は続く。
《「大日本国防婦人会」》を思い浮かべるまでもなく、極めて類似した構造で《戦争は本当に許せない暴挙》と
民衆は叫びつつ、暴挙、虐殺は繰り返される。  

2月24日ロシアがウクライナに侵攻開始した4日後2月28日は、
50年前のあさま山荘事件で警察部隊が強行突入した日であり、ウクライナのニュースの影であさま山荘事件のマスコミの報道が続いた。
「許せないお前は何をすべきか!」と問われ続けた若者が追い込まれた結果の1つ、それが50年前のあさま山荘であった。
《29名いた連合赤軍メンバーは、ここに至るまでに12名が山岳ベースで殺害され、4名が脱走、8名が逮捕》との痛ましき結末。

その原点は、若者の稚拙であるが故に澄んでいた夫々の正義感であったろうが、
そのプロセスの痛ましさには目を覆わざるを得ない。
戦争を仕掛ける者、反対する者、いづれもが追い詰められ殺しあう。
生命は帝釈天と闘い続ける修羅なのだ。



ドーム下は菜の花畑
 裁けぬ虐殺者!  
ドーム上の山荘森

《 プーチンに逃げ道、名誉ある撤退を
考えてやらないと、
プーチンは生物化学兵器や
核兵器さえ使用する可能性があり、
極めて危険である》


と危惧する評論家に
違和感を抱くのは
仙人だけではあるまい。

明らかな戦争犯罪人、
無辜なるウクライナ市民の
虐殺者プーチンに対して
名誉ある撤退を考えろと
ウクライナ人に言えるか!

殺人者だけどこいつ未だ
強力な武器を持ってるから、
その武器を使わせないように
 
シート外し雨中ブラシ掛け

 刑務所に入れるのやめて、
名誉ある逃げ道を作ってやろう。
と云うのは誰が
どう考えたっておかしい。
間違っている。

そんなら強力な武器・核兵器さえ持てば
いいんだと北朝鮮の如き国が、
ドンパチどんぱち核兵器打ち上げ、
戦争練習に励むことになる。

殺人者が如何に強力な
武器を持っていようが、
逃げ道なんぞ作ってやらず、
とっ捉まえて処刑する
ことが出来るのは、
殺人者と云う個を遥かに超えた
強権力が、存在するからである。


芽吹く令法(りょうぶ)
   
座禅草も葉が



修羅の無声慟哭
倒れた向日葵に修羅から遊離した光が流れる

修羅のエロスを表現出来ないか試行錯誤を重ねてみた。
クリスタルの光を使ってみたら、全く予想できなかった画像が出来た。
修羅と最も遠い位置に在ると思われる賢治が、自らに内在する修羅と戦い続け、
あの深く膨大な作品群を生み出したことは直感出来る。
しかし直感と対峙したまま、その先に進めない。
この画像製作で一歩《修羅の無声慟哭》に踏み込めた気がするが、言語化には壁が立ちはだかる。




畑に蔓延る仏の座
   
大犬の殖栗も畑にびっしり

国を遥かに超えた
強権力は存在しない。 
従ってプーチンが
生物化学兵器を使用しようが、
核兵器で皆殺し作戦を展開しようが、
他の国々は
抗議の叫び声を上げるか
経済的制裁を
加えることしかできない。

プーチンを裁くことが
出来るとしたらロシア国民しか
いないのだが、そのロシア国民が
プーチンから自由や
知る権利を奪われ、民主主義そのものを
奪われているのだから、
プーチンは裁かれないのだ。

 
シティーテラスの向日葵4月4日
 
バイデンがワルシャワで、
「この男は権力の座にはいられない」
と本音を口走ったのは、
行き過ぎた内政干渉だと
世界の知性が騒いでいる。

バイデン本音は
ロシア国民の反感を買い、
プーチンへの国民支持が益々高まり、
強いては生物化学兵器や
核兵器の使用にも連なる
危険性を孕んでいる。

現実はその通りであるが故に、
世界の知性とやらを
笑い飛ばすことが出来ない。


寒さに負けた大根
 
越冬した大根
 
凍てついたが中身は生きてる白菜




青ぐらい修羅をあるいて
4月3日、ロシア軍がウクライナでジェノサイド(集団殺害)

 キーウ周辺で410人の遺体確認 ウクライナ検察:: (毎日新聞4/4(月) 6:49配信
ウクライナ検察は3日、ロシア軍が撤退した首都キーウ(キエフ)周辺地域で、
民間人ら計410人の遺体が見つかったと発表した。
行方不明者もおり、実際にはさらに多くの死者がいる模様だ。
ロシア軍が深刻な人権侵害を行った可能性があり、検察は住民の証言などを基に真相を解明する方針だ。
住宅や
遺体などに地雷が仕掛けられている可能性もあり、ウクライナ政府は警戒を呼び掛けている。

【AFP=時事】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、
4月3日、ロシア軍がウクライナでジェノサイド(集団殺害)を行い、
「国家全体」を抹消しようと試みていると非難した。
首都キーウ近郊のブチャ(Bucha)では2日、処刑方式で殺害されたとみられる民間人の遺体が多数見つかっていた。



ウクライナ大統領、ブチャ視察 世界にジェノサイド認定訴え
配信AFP時事ゼレンスキー大統領がブチャ視察

地下室に手足縛られバラバラに切断された子ども:
ロシア軍は遺体に地雷設置か 読売新聞4/3(日) 23:51配信英紙サンデー・タイムズ
2日、ブチャの民家の地下室で、両手両足を縛られた子どもを含む
男女18人の遺体が見つかったと報じた。
遺体はバラバラに切断されていたという。

地下室に男性5人の遺体 ブチャ児童施設、拷問死か
 発信地:キーウ/ウクライナ [ ウクライナ ロシア ロシア・CIS ]


ウクライナのイリナ・ベレシュチュク副首相は3日、露軍が占拠していたキーウ近郊の11の
村長が拉致、殺害されていたことが露軍の撤退後に明らかになったと述べた。
ロシアへの協力を拒否したためとみられる。
露軍兵士の統率の乱れも犯罪行為に拍車をかけているようで、
略奪や女性への乱暴などの報告が相次いでいる。
ウクライナ軍の情報機関は2日、ウクライナ北隣のベラルーシに撤退した
露軍兵士が略奪品を扱う露店を開き
冷蔵庫や車、宝飾品などを売りさばいているとの情報を明らかにした。

旧ソ連構成国ジョージアから一方的に独立宣言した南オセチア自治州などから増派された露軍兵士のうち
約300人が「脱走した」とも報じられている。
人口約4万人のブチャは露軍が猛攻をかけた後、約1か月間、占拠されていた。
ブチャの市長はAFPの取材に、「街中に遺体が散乱している。少なくとも約280人を集団墓地に埋葬した。

女性や子どもも含まれ、全員が後頭部を撃たれ
ていた」と述べた。

【写真】キーウ近郊のブチャで見つかった、
両手を縛られた人の遺体。
4月2日、首都キーウ近郊のブチャ(Bucha)

 遺体の多くは、武器を持っていないことを示す白い布を身に着けていたという。
現地入りした英BBCも、路上などで約20人の遺体を確認した。
後ろ手に縛られた複数の遺体の映像も報じた。戦闘員ではない民間人の殺害は、「人道に対する罪」に該当する。
露軍の地上部隊が、制圧した地域で戦争犯罪を繰り返していた可能性が浮上した。


青ぐらい修羅に潜む賢治の光を重ねると
修羅の無声慟哭が浮かび上がった!
テラスやイオのクリスタルが放つ光は修羅を透過し無声慟哭を描き出す

森羅万象を映し出しはするが、それ自身は無色透明で秒速30万kmで飛び交う光。
そいつがクリスタルに捉えられるや否や解体され、波長380nm(10-9m)の紫から780nmの赤まで
無数の可視光線となって生命の旋律を奏でる。
宇宙基地と名付けたドームから仙人テラスに掛かるクリスタルが良く観える。
夜明けの光を呑み込んだクリスタルは、キララと風に身を委ねドームに坐す仙人へ生命の旋律を響かせる。

賢治の心象は無数のクリスタルを鏤め、風をたべ、日光をのみ、はたけや森に宝石を見いだし、
虹や月あかりと語り合い、無色透明な光から生命の音色を紡ぎだしたのだ。
その賢治が《おれはひとりの修羅なのだと繰り返す。
ならばこのあまりにも美しい生命の音色は、修羅のフィルターを通して映し出された反転像なのか!
丸木位里の修羅画像にクリスタルの光を重ねて観れば、賢治の修羅が浮かび上がるのでは!
青ぐらい修羅に潜む賢治は、こうして仙人の心象に描き出された。


わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、きれいにすきとおった風をたべ
いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。
 またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、
宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
 わたくしは、そういうきれいなたべものやきものをすきです。
 これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。


月明かりのドーム
 
ほんとうに、かしわばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかったり、十一月の山の風のなかに、
ふるえながら立ったりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。
ほんとうにもう、どうしてもこんなことがあるようでしかたないということを、わたくしはそのとおり書いたまでです。
 ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでしょうし、
ただそれっきりのところもあるでしょうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。
なんのことだか、わけのわからないところもあるでしょうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
 
けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりのきれかが、おしまい、
あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。

  大正十二年十二月二十日
宮沢賢治



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