192の2ー2021年 霜月
錦秋の海に漂う仙人 従って未だ2年目で100時間も使っていない 赤靴灯そのものに不点灯の原因が あるとは考えられない。 となると幹から前庭の地中に潜り、 石卓下を経てイオテラスに至る30mにもなる 電気コードの何処かが断線したと推定できる。 それをチェックするには導通テスターが必要となり、 7日前の6日にテスターを発注し昨日届き、 今朝早くから断線箇所の検査を始めたのだ。 30mの長いコードは、1箇所だけ LED灯から延びているコードと延長コードとの繋ぎ目がある。 このコードの繋ぎ目は 樹上5m程の高さにあり、風雨に晒されるので2重3重に 絶縁テープを巻きつけてあり、此処が 切断したり雨水の浸透による絶縁不良を生じるとは考え難い。 欅の成長に伴い樹高が高くなれば、 当然断線の可能性はあると睨み、配線には 1m程の余裕を持たせ、ループにして スイッチのあるイオテラス横に掛けてある。 |
消えた赤い靴 謎は深まるばかり。 何故ビッグツリーの樹上に設置したLED赤靴灯が 突然消えたのか? 1日8時間使用で電球なら長くて1年、 蛍光灯で4年の寿命だが、LEDは17年、 5万時間と断トツに寿命が長い。 それにLEDは今までの電球のような フィラメント発熱発光ではなく、 LEDチップ内部でのエネルギー衝突による 発光なので、フィラメントが蒸発して 細くなりやがて切れる従来電球と異なり、 突然切れることはない。 |
赤い靴と宙吊り仙人 |
赤い靴を取り外し |
欅の根元までコードは塩ビ管とホース内を通してあるので、 欅が延びればそのままコード引きあげられ、断線することはない。 となると3番目に考えられるのはスイッチの付いたタップ不良。 テスターをタップ孔に突っ込みスイッチをオンにする。 テスターの針は1を示したままで通電していないことを表している。これが原因か? そんならタップを替えればすむこと。 あの高いビッグツリー上部まで登って極めて危険な作業をしなくても 良いのかと大歓びで、2階トイレで使っているスイッチ付きタップと交換。 期待を込めてスイッチオン!ありゃ、点かない。 |
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LED灯を切断し降ろす |
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そりゃそうだ、考えてみれば7Wの明るさでは 昼間の光に比べたら暗すぎて観える筈もない。 稔のためこのタップの孔にもテスターの針を差し込んでスイッチを入れたが、 メーターは1のまま。 つまり通電してないのだ。このタップが壊れていないことは確か。 ならばこのスイッチ付きタップはスイッチオンにしても、 2本の電線が直接繋がるシステムではないから テスターでは通電確認は出来ないのだ。 つまり第3の不点灯原因としてのタップ不良は却下。 こうなると第1のLED故障か、第2の配線の断線以外に在り得ない。 |
危険な作業は延々と続く |
森テラスのLED灯と交換 |
30mあるコードのどの部分が切れているかを調べるには、 LEDと延長コードの繋ぎ目を解き、 2つに分かれた夫々をテスターにかければいいのだが、 作業箇所が高すぎて危険。 そこで幹の低い位置にある以前剪定途中で傷つけたコードを切断し、 接続部位を最小限にし LED側とテラスのスイッチ側の2つに分けて夫々が通電してるかチェック。 赤靴灯配線コードの末端であるタップの2つの差し込みを銅線で結び、 テスターでチェック。 地中のパイプを経てテラスに延びる25mのコードは異常なし。 残るはLEDに繋がるコードだが、これは途中にLEDがあるので当然ながら通電しない。 うーん、地中のコードに異常がないならば、疑うのはLED本体しかない。 つまり壊れた危険な長い2段梯子を欅にかけ、 最も高い位置のある赤靴からLED灯を取り出し、故障個所をしらべねばならない。 |
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平地でもヨロヨロしてる仙人が 果たしてそんな高所で 極めてデリケートな作業が可能だろうか! 答えは最初から解っている。やるっかない! 失敗して墜落しても途中で 中吊りになるようセルフビレーをとり、 何とかLED灯を取り出し分解してみるが、 新品同様で全く異常は観られない。 よし、こうなったら森テラスの ブリッジに取り付けてあるLED防水ライトと 交換して点灯するか試してみよう。 その前に取り外した赤靴灯に通電し 点灯するか試すべきであったが、 赤靴灯に問題ありとの先入観が邪魔し、 その試行錯誤を見逃してしまった。 |
しかし点かない! |
ブリッジの防水ライトの配線コードを切断し、 赤靴灯と交換し再び ビッグツリーに登り苦労して 防水ライトを赤靴内にセット。 期待に胸を膨らませ イオテラスのスイッチオン。 ガーン!点かないではないか! 仕方なくコードをLEDから外し ±の2本の配線を繋ぎ、 30mコードの残り5mの 通電検査をして吃驚! 何度やっても通電していない。 在り得ないぜ!と呟く仙人。 残り5mの配線途中には、 風雨に晒されるので2重3重に、 絶縁テープを巻きつけてある赤靴灯と 延長コードを繋げる部分がある。 |
まさかここがトラブルを起こすとは考えられないが、念のため 絶縁テープを剥がしてみて原因が明らかになった。 細い銅線は何十本もが束になっているが、この部分が引きちぎられた様に 離れ、変色し断線している。 徐々に成長した欅が束になった細い銅線を1本、1本と切断し、本数の少なくなった銅線に 電力が集中し、数本になった線が焼ききれ変色。 つまり成長に伴ってコードが延びるようにと配慮した仙人の思惑は、 全く功を奏しなかったのだ。 地中管に通されたコードを引いてみて解ったが、 コードは充分な弛みを齎しているにも拘わらず、びくとも動かない。 弛み部分を幹直下に置けば、幹の成長とともにコードは延びたのだろうが、 地中管、雨樋を20mも経てテラスまで延びるコードは、 途中で引っ掛かり延びることが出来なかったのだ。 最初からこれを疑えば、簡単に解決したのに何という遠回り。 目白から隣の高田馬場駅まで行くのに、外回りの山手線に乗り池袋から 上野、東京、品川、渋谷、新宿と大回りして高田馬場駅に行ったようなもんだ。 |
断線箇所は何処だ! |
仙人、天空に還る つまりLEDライトは故障した訳でなく、 欅の成長による単なる接続部分の断線であったのだ。 LEDの寿命は6万時間、30mコードの接続部は1箇所、 更に欅の成長に伴う延長コードの可動チェック、 この3つさえしっかり認識して入れば、深まる謎は実は 水面上に浮かぶ明々白々な事実でしか無かったのだ。 愚かなる仙人め! |
早速補修し今度こそはとスイッチオン! ありゃ、またまた点かない。 絶望の溜息!点かないのは当たり前。 テスターで調べるため切断した幹下部のコードがそのまま。 これじゃ点くはずがない。 最上部から降りて切断部分を繋ぎ絶縁テープで補修。 やっと点いた時の歓びは何事にも代えがたい。 |
森テラスの錦秋 |
芋の周りを慎重に掘る |
泥付きのまま数日太陽光で 干した薩摩芋を新聞紙で包み、 段ボール3箱に詰め ワインセラーに貯蔵。 |
でかっー!! |
大きなのは1個で3kg以上! |
黄金の鳴門金時美味なり! |
80kgの収穫 |
泥付き、10~15℃、 陽の当たらない冷暗所、密閉しない、 この4条件を満たせば 2,3か月の保存は可能らしいが、 標高の高い山荘には そんな場所はない。 最低気温がー10℃にもなる 1月になればワインセラーでも 零下になり、薩摩芋は 黒く変色し腐ってしまう。 |
4種類の芋がゴロゴロ! |
まーそれまでせっせと 薩摩芋三昧の食生活を送るか、 干し芋保存するか、 スーイートポテトにして 冷凍保存するか、 腐らせてしまうか! 目白に送って 皆に配る手もあるが・・・・。 |
栗より美味なるエルドラドの黄金じゃ! 12月3日(金)奥庭:圧力釜で蒸かし天日干しすると甘みが増しホクホクに! |
今年の柿は超不作じゃ! |
まっ、干し柿作りは楽じゃ! |
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柿の葉が総て落ちて 柿の実が丸裸になり、 奥庭の空にポツンぽつん。 これ以上柿採りを遅らせると 熟柿になり、落下したり 鳥に食べられして 干し柿に出来なくなる。 そこで重い腰を上げてやっとこさ 柿採りを開始したが、 高枝切り鋏の一番新しい 切れ味抜群の奴の操作レバーが、 落とした瞬間割れて使えず。 |
風呂場の満天星が燃えてる! |
2番目の高枝切り鋏は 操作レバーを押しても 先端の刃が開かず。 3つめは鋸をセットしてあって これも使えず。 出だしからこんな状態で 9時から14時半まで掛かって、 どうにか 17列×5段+12列×5段ー3=142個 の柿を書斎テラスの下に 吊るし終えた。 |
錦秋と競う柿の彩 |
計142個と過去最低の枯露柿 |
咲き乱れる山茶花と競演する満天星の紅 11月20日(土)晴 収穫した百目柿をテラスに運び干し柿作り |
ムンクの叫びに乗って旅立つ仙人 血が沈んだ。 突然空が血のように赤く染まり、 僕は憂鬱な気配に襲われた。 立ち止まり、欄干に寄りかかった。 青黒いフィヨルドと市街の上空に、 血のような、炎を吐く舌のような空が広がっていた。 僕は一人不安に震えながら唐櫃に跨っていた。 自然を貫く、ひどく大きな、 終わりのない叫びを、僕はその時感じたのだ。 30歳、ベルリンの安宿を転々としながら、 《叫び》を描き45歳で精神病院に入る。 1944年、ナチス侵攻後のノルウェーで、 レジスタンスの破壊工作に遭い、 自宅窓ガラスを吹き飛ばされ、寒さに震え、 気管支炎を起こし死去、80歳。 そうか、仙人の生まれた年にムンクは死んだのだ! |
Squirrel & Chestnut 何々ルーブル美術館のパートナーブランドとなるほど 高い評価だって! そのルーブル美術館に栗鼠がやって来たのか。 団栗じゃなくて栗を食べようとしてる栗鼠のシャツがCoton Douxに重なって、それを纏い仙人はカロートに 跨って何処へ旅立つんだい! 突如ボン・シルバーが叫ぶ! 《グハハ、嗤わせるぜ! おフランスと栗鼠と栗だって! そうやって洒落飛ばしたってムンクからは 逃れられないぜ!》 |
俺の叫びはムンクを超えてるぜ!(撮影:村上) |