189の1ー2021年 葉月
桃菜が山荘下の畑からやって来た!
8月1日(日)晴 5か月になった桃菜(7月5日撮影) 山荘ウッドデッキ
瑠璃色のカチューシャを悠樹君が着けてくれたので、ちょっと山荘のウッドデッキまで翔んでみたの!
誰が迎えてくれたと思う!
先ずは白いテーブルに勢ぞろいした山荘下の畑で採れた沢山の桃さん。
木星が未だビッグツリーの欅梢に輝いている夜明けに収穫して、そのまま籠に入れられて此処に届けられたんだって!
あんまり美味しそうなので口を開けたら、一番柔らかな桃さんが飛び込んできて舌の上で溶けて。
うーん、蕩けてしまう美味しさ!
体中に桃の蜜が浸み込んで、あーあたし、桃になってしまいそう。
で次に声をかけてくれたのは、とてもとても珍しい瑠璃色のカミキリムシさん。
瑠璃色のカチューシャを観て、おや、仲間がやって来たぞ!と思ったのかしらね!
ウッドデッキのプランターに咲き誇っているハイビスカスの花芯に、潜り込んでお食事中かしら!
あら、なにか喋っている。
《未だ生まれて5カ月で這い這いも出来ないのに、どうして山荘まで翔べたか知らんだろう?
自分の力で翔べたと思ったら大間違いじゃぞ!
悠樹君がお前さんの頭に着けたその瑠璃色のカチューシャが、翅になったのさ》
やや!珍客じゃ! |
花粉を貪り! |
珍しい瑠璃星天牛が ウッドデッキのハイビスカスに 止まっているでは! 日本の固有種で 最近は殆ど観られなくなった。 目の覚めるような瑠璃色の地に、 6つの黒玉が翅に記され 一目でその美しさに魅かれる。 花粉、果実、樹液などを 餌としているので、 ハイビスカスの花粉を 食べに来たのであろう。 |
ブナやナラなどの 枯木や伐採木を好むので、 2年前に伐採した 山荘森の楢に集い、古木を食べ生殖し、 樹皮の間に卵を生み 繁殖しているのだ。 きっと今日は気分を変えて 森からウッドデッキまで飛んできて、 新鮮なハイビスカスの花粉を 食べているのだろう。 最初は蕾に止まり、蕾の出す汁を 吸っていたが、 長い触角を掴んで花弁に移すと、 カメラを向けても逃げず、 一心不乱に花芯の奥に潜り込む。 |
目立つ翅の6つの黒玉 |
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旨みゃなー! |
満腹、まんぷく! |
めちゃんこ旨いF1玉蜀黍を追うぞ! 8月7日(土)晴 さあ、この旨さの正体を突き止めねばと、玉蜀黍畑で追跡開始! あんまり美味しいので、ふと疑問を抱いた。 一体どうしたらこれほどまでに豊かな甘さを蓄えた玉蜀黍が出来るのか? 幼少の頃口にしたとんもころしは、硬くてボロボロしていて凄く歯ごたえがあって、そんなに甘くはなかった。 でも炭火で焼くと玉蜀黍独特のいい香りがして、縁側の簾越しに夕立ちの雨音を楽しみながら、 ハーモニカの様に玉蜀黍を口に咥え、夕涼みするのが大好きだった。 やがて品種改良され甘味の増したスイートコーンが出回り、硬粒種に近い玉蜀黍は影を潜めた。 その後登山でアフリカや南米を訪れ、現地の玉蜀黍を沢山食べたが 、どれを食べても甘さは薄く、幼い頃食べた玉蜀黍と同じ食感であった。 幼少時がプリントされた懐かしい味ではあったが、現地の人々に日本の甘い玉蜀黍を食べさせたら、 どんなに驚くことだろうかと、食べるたびに思ったものだ。 |
再び2回目の桃が届けられた |
中央アジアの壺がお迎え! |
スイートコーンを上回るジューシーな、 まるで果物であるかのごとき 甘さの玉蜀黍が出現するとは 思っても見なかった。 1973年以降、遺伝子組み換え食品F1 として市場に現れた玉蜀黍は、 衝撃的な甘さ美味しさを実現したのだ。 しかしこのF1は 遺伝子組み換えという、人工的に 作り出された生命で その種を収穫し、畑に蒔いて F2を作ろうとしても同じ作物は出来ない。 形質を維持できないどころか 不揃いなものが多くなり、 品質低下しF1品種を栽培し続けるには、 結局毎回種を 購入しなければならないことになる。 つまりこの飛び抜けて 甘く美味しい優れた玉蜀黍は、 生殖によってその優秀性が 代々引き継がれていく訳ではないのだ。 これって飛びぬけた能力を持つ 数学者、科学者、芸術家の 優れた能力が、多くは引き継がれず F1で終わることと同じなのでは! F1《雑種第一代( first filial generation)とは、 生物において、ある異なった対立遺伝子を ホモで持つ両親の交雑の結果生じた、 第一世代目の子孫のこと。F1 と略記される》 wikipedia、 ⇐ |
閃いた仙人は 遺伝子を組み替えての優れた能力は、 如何にして創り出されのか! と興味津々で眼が輝きだしたのだ! まず自らF1玉蜀黍を栽培して 美味しさを確かめ、 それから一体どうやってF1は 作られるのか調べてみようと、 F1の玉蜀黍スイートハミーを 育て始めたのが5年前。 発芽率が低く何度も失敗を重ね、 本年初めて発芽用培養土を使用し ポット播種&畑への移植を繰り返し、 どうにか収穫に漕ぎ着けたのだ。 そいつがあんまり美味しくて 有頂天になって、 うーん、F1は偉大なりと 仙人は感心しているが・・・? どうも仙人の早とちりでした。 スイートハミーの超徳用 ギガパック70mlの種袋を確認したら、 喜ぶべきことに 《この種子は一代交配だが 遺伝子組み換え品種ではありません》 と明記されているでは! つまりこの一代交配F1は 間接的な遺伝子組み換えで、 品種改良なのである。 遺伝子工学による 染色体に直接遺伝子を挿入する 直接的組み換えでは無いのだ。 米国産の種子なので本当かなと 疑問は残るが、 これで山荘玉蜀黍は問題ないと判明。 (HP編集後の8月9日に追記) |
ソルダムまでやって来た! |
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3度目の桃がどっさり、 食べきれないので贈ろう! |
黄金の仏陀に豊穣の感謝 毎日桃三昧の贅沢! |
あたし山荘のヴィーナスよ! 玉蜀黍の場合では、いっぱい生えてくる毛を 1本残らず引き抜かねばならず、こりゃ大変! 2つ目の方法は雌蕊を袋で包んで 自家受粉出来ない様にする。 こうして未受粉の雌蕊を保ち、優れた性質、 例えばより甘く、大きく沢山収穫でき、病害に強い・・・ などを持つ雄蕊の花粉を着けて受粉させF1を創る。 |
どうもF1は「雄性不稔」という性質を利用しているらしい。 ミトコンドリア遺伝子の組み換えによって 生殖機能の働かない、つまり花粉を作れない 「雄性不稔」の雄蕊を創り出せれば、 花が咲いても雌蕊は受粉出来ない。 遺伝子組み換えが出来なかったつい最近までは、 この「雄性不稔」の遺伝子組み換えを、 手作業で行っていいたと云うのだから驚き! どうするのかと調べたら、 雌蕊が受粉しないように周りの雄蕊を全て 手作業で取り除く「除雄」を行うとか。 |
あたし桃から生まれたの! |
涼やかな森テラスのコーヒーブレイクで思考を巡らす 8月4日最高気温39.7℃全国一を記録した勝沼盆地。 盆地を見下ろす山荘の朝は19℃で爽やか! これって人間にあてはめるとどうなるのか。 実は長い人類史でこれらは繰り返されて来たのではと仙人は類推! 見眼麗しく豊かな胸やお尻を持った美しく若い優れた女達は、近くにあまた犇めく雄との安易な受粉が行われぬよう、 下々の雄から遠ざけられ、時には袋を被せられ奥座敷に引き籠り、親の選んだ花粉をあてがわれ、 より優れたF1を産むことを強いられて来たのでは! これは周りの雄を全て手作業で取り除く「除雄」に限りなく近く、更に親の選んだ優れた雄をあてがい、 優秀なF1を造ろうと試みるとは、正に「雄性不稔」による品種改良ではないか! 考えてみれば人類は営々として、この品種改良を繰り返し、 現代文明を築き上げて来たと言えなくもない、と独りごちる仙人であった。 |
精子を作らせないのか! |
この程度の手作業「除雄」は問題ないが、 |
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無精子症が蔓延か! |
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となると何を食べても組み換えられたミトコンドリア遺伝子が、 無尽蔵に入り込み、もしかすると、人間の雄は 無精子症の傾向を強め、成人男子の精子減少、少子化に拍車がかかるのかも! この遺伝子組み換え農産物をGM作物と呼ぶが、 2014年現在で米国のダイズ作付け面積の 94%、トウモロコシで93%、ワタで96%、がGM作物であり、 今後も増え続けるだろうと考えられる。 2011年農水省資料によると玉蜀黍、豚肉、家禽肉の日本の輸入は 世界トップを占め、GM作物やGM飼料を食べている食肉を、 否応なしに食べさせられていることになる。 となると我々のミトコンドリア遺伝子が、書き換えられた異常なものへ 徐々に移行していくのは避けられないのでは! 雄の不妊化が加速され、性交と生殖は断裂し、雌は 優れた精子のみを受け入れ懐妊し、人類の「雄性不稔」を加速させる。 |
性交と生殖は断裂し! |
5度目の収穫じゃ! |
遺伝子組換え無しでも超甘! |
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1925 年、栽培植物の品種改良を 色々と試しているうちに、 野生植物との掛け合わせから 偶然の結果、雄性不稔を 持った植物が発見された。 それから1世紀、大量生産を可能にし、 病害、農薬害に強く 見眼麗しいGM農産物は、 爆発的な人口増大を成し遂げた。 |
皮を剥くのも大変! |
最早GM農産物無しに 人類は生きてはいけないのでは! もしかするとこの 遺伝子組み換えの発見は、 人類にとって《火》の取り入れに 匹敵する、いやそれ以上の意味を 持つのかもなんぞと 仙人は感銘しているらしい。 |
あんまりの美味しさに驚嘆! |
食べ滓のお裾分け! |
一部カラスに喰われるが大収穫じゃ! やがて人類は遺伝子DNAの4つの塩基A,G,C,Tの 自在な組み替え操作を可能にし、 遺伝子組み換え技術は、時には業火に焼きつくされつつも、 新たな生命の設計図を追い続けるのだ。 その究極の果てに知の脱肉体化があり、 人類は形而上的存在となって宇宙へ旅立つ。 と仙人の誇大妄想は広がる。 そこまで人類の知が進化すると本気で思っているなんて、 相変わらず 仙人は幼児の域をとどめただけの目出度い奴じゃ! と、脳が去り空虚そのものとなった山荘滝の ボン・シルバーが嗤う。 |
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頭の毛が黒くなれば完熟! |
でかい6.1kgじゃ! |
旨くて舌が蕩ける! |
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栽培種が花粉を 作らなかったら大変である。 花粉を出さない雄蕊に 取り囲まれている雌蕊は、 受粉出来ず 結実しないので収穫は0。 |
あれ!黄色西瓜だ! |
それじゃ栽培種にはならない。 元々野生種はミトコンドリアに 花粉を作らせない 遺伝子を持っているが、 核がそのミトコンドリアの遺伝子の 働きを抑えているので、 自家受粉が可能なのだ。 |
収穫した西瓜に何が詰まっているか! |
従って受粉し結実し子孫を増やしていくことができる。 栽培種は、花粉を作らない遺伝子を持たないもの、 つまり花粉を作る個体を選ぶが、 核がミトコンドリア遺伝子の働きを抑えてしまえば花粉は生じない。 栽培種は単にミトコンドリアが 花粉を作らない遺伝子を持っていないだけでなく、 同時に核がミトコンドリア遺伝子を抑える働きが無いことが必要不可欠となる。 この両条件が揃って初めて栽培種は、 同じ種からF1,F2と子孫代々まで、栽培が続けられる。 さて此処で野生種と栽培種を掛け合わせて、野生種の様に花粉を作らせない 遺伝子を持ちながら、栽培種のミトコンドリア遺伝子を 抑える能力の無い「雄性不稔」種を 人為的に創りだせないかの試みが為される。 その結果生み出されたのが、 《雑種第一代( first filial generation)》F1なのだ。 花粉を作らず、雌蕊は他の雄蕊からの花粉で受粉するしかない。 これを利用すれば、優れた種の花粉を人為的に受粉させ、 より一層美味しい農産物の大量生産も可能になると云うわけである。 問題は果たして花粉を作れない種、無精子症に罹った生命が、 生物界に氾濫したら如何なる影響が現れるかである。 |
《直接的遺伝子組み換え手法》 【1】 生物学的手法(ウィルス・ベクター等) 生物学的なアプローチでDNAを細胞に注入する方法。 生物に感染したあとに宿主のDNAを書き換える性質をもつウィルス(逆転写) の能力を活用してウィルスにDNAを書き換えさせる。 宿主の細胞をウィルスに感染させて染色体にウィルスゲノム(DNA)を挿入する。 目的の動物個体に直接働きかけることができるので高効率だが、ウィルスっての 扱いが難しくて元のウィルスに病原性があったり汚染のリスクが伴う。 【2】 化学的手法(リポフェクション等) 化学的なアプローチでDNAを細胞に注入する方法。 遺伝子組み換え用の試薬というものがあり、それでDNAと細胞をくっつけて 遺伝子組み換える。 試薬中に核酸(導入したいDNA)を添加して、目的の細胞にそれをかけて培養。 具体的には、DNAを化学的に操作して細胞が自然に取り込める状態にして、細胞自身が 物質を取り込む作用(エンドサイトーシス現象)に乗せて染色体にウィルスゲノム(DNA)を挿入する。 特別な器具が不要なうえに幅広い細胞に対応している点から、最も広く使われている手法の1つ。 ただ、試薬によって細胞への毒性が違ったりしてくるので、 目的を達成するためにかなり幅広い知識が要求される。 【3】 物理的手法(エレクトロポーテーション・マイクロインジェクション) 遺伝子組み換えしたい細胞に穴を開けてDNAを直接突っ込む。 穴を開ける手段にはいろいろな種類があって、 電気を使って開ける方法(エレクトロポレーション)や極細のガラス管で直接射す方法 (マイクロインジェクション)等が著名。 目的の細胞に確実に効かせられるので精度の高い研究ができるが、 1度に1つの細胞しか相手にできないため効率が悪く、 さらに専門の器具や熟練した技術者が必要となるなどハードルがやや高い。 (2021KENKATAを要約) |
種が核で黄実にミトコンドリアが潜むのか! |
超旨い山荘産西瓜の種 |
遺伝子組み換えと 品種改良の違い。 超旨い山荘産西瓜と玉蜀黍の 品種改良を如何に重ねても、 新品種の西瓜玉蜀黍は出来ない。 しかし直接的遺伝子組み換え手法では 理論上不可能ではない。 |
玉蜀黍と西瓜の交配は不可 |
より強い犬を作るには 強い犬どうしを 掛け合わせ続けていけばよいが、 犬より強いライオンと犬を、 掛け合わせることは出来ない。 品種改良では遺伝子そのものを 変えることは出来ない。 しかしライオンの遺伝子を 犬の染色体に 直接突っ込めば、 犬ライオンが誕生する。 |
遺伝子組み換え枝豆秋桜 甘い山荘産枝豆が秋桜の花を着けた |
この技術が直接的遺伝子組み換えで、 一般的にはこの直接手法を 遺伝子組み換えと云う。 生命の家系図である系統図を 見るまでもなく 生命は遺伝子を組み換えて 人類まで達したのであるから、 西瓜玉蜀黍も犬ライオン、 枝豆秋桜の創出も お茶の子さいさいなのだ。 |