188
1ー2021年  文月

美味いぜ!種植えして育てた長崎茂木琵琶
6月29日(火)曇 前庭

施肥もしてないし剪定もしないし、ただ放っりぱなしにしてあるので、どうせ大したことはないだろうと食べてみてアングリ!
やや酸っぱみは残るものの上品な琵琶の味がするではないか!
昨年も一昨年も収穫直前に烏に食べられ、悔しい思いをしたので、今年は未だ少し蒼みの残る琵琶を収穫してみたのだ。
何故か今年は琵琶の大豊作で、天辺から最下部の枝迄かなりの実を着け、
2階のテラスから見下ろすと唐黍畑を背景にオレンジが美しい。

さて茄子はどうだろうかと糠漬けにしてみたら絶品。
例年やや皮が硬くなり当り外れの差が大きかったが、今年の茄子は皮は薄く、塩揉みも良し、
さっと唐揚げにしても甘味が仄かに残り云うことなし。
胡瓜はどうじゃと薄切りにして生ハムを巻いて食べたり、スティックにして酢味噌で味わったり、
サーモンスライスに檸檬薄切りと山荘玉葱を載せて食べたりしてみたが、これまた美味なり。
微妙に甘いモロッコ、ピーマンも収穫が始まり、トマトも色付き始め夏野菜の旬到来。




痛む右脚に
呻きつつ梯子に乗って!

高尾で乗り換え中央線車内では
ザックを横にして置いたが、新宿で再び背負うと
背中から腰まで、琵琶のジュースが忍び寄り
キモワルイこと夥しい。

新宿での中央線から山手線内回りの
ホームへの移動は余りの右脚の痛さに
罵りの呻き声を発しながら、
滴る背中の琵琶ジュースを呪いながら、
ストックを突いて、よたよた。
折角の美味しい琵琶が・・・

山荘野菜を詰めたザックの底がぐっしょり。
琵琶が柔らかいのは知っていたがまさか袋に入れた
200個、4kg程の琵琶が自重で潰れて
ジュースになって滴り落ちるとは!

せめザッをク網棚に寝かせて置けば、
縦に入れた琵琶の袋に掛かる重圧が少なくなり、
ここまで酷くジュースが
絞り出されることは無かっただろうに!


 
烏に喰われる前に収穫せねば!



食べてみてアングリ!
目白駅から鬼子母神前バス停
までのバス車内でも、
ザックを床に寝かせて
どうにか目白宅に到着。

右脚の痛さを堪えて
高い梯子に乗って収穫した琵琶も、
香り高く甘いジュースが
搾り取られてしまっては滓だけが
残っているようなもん。
折角の苦労も水の泡。




キウイは全部で10個か!

茂木琵琶は琵琶の王様とか!

剪定し過ぎて今年は超不作

例年、数百個から千個以上も
実るキウイが、
たったの10個しか実ってない
なんて信じられない!

実を宿す新芽の着いた枝を
切り落としてしまったのだろう。
それを察して琵琶が、
それじゃあたしが頑張って、
美味しい実を沢山着けてあげようと
頑張ったのかな!




仄かな香りが堪らん!




 
薔薇の紅は何を告解するのか
梅雨空耳を傾け雨音の背後の愁いを想う

何を吐けばこの苦痛から解放されるのか?
吐くものが何も無いのに苦痛が加え続けられると、苦痛を加える者の意図に沿った在りもしない偽情報を吐く。
従って優れた拷問者は、生理的な苦痛を与えることを避け、心理的なアプローチを行い必要な情報を引き出す。
2か月も断続的に続く拷問に血して、仙人は何を吐けば苦痛から解放されるのかと考えた。
右脚の筋肉細胞に苦痛を加える者は誰か?何を吐かせようとしているのか?

忍び寄る巧みな拷問者の心理的アプローチで、仙人は如何なる告解を行うのか!



筋線維を包む細胞膜には、
横紋が刻印されている。
過激な運動や、亜急性の疲労蓄積の
限界を超えた活動が齎す
筋肉断裂は細胞膜の破損から始まる。

細胞膜が破れると
そこからカルシュームイオンが、
筋線維内に侵入。 
   カルシュームイオンが上昇すると、
運動ニューロンの軸索から、
脊髄を経て運動性伝道の神経線維を走り、
脳の運動指令を出す中枢に達し、
≪収縮せよ≫と命ずる。

筋線維の筋節の細い繊維である
アクチンフィラメントは、
H帯の隙間を埋めるように結び着き、
筋線維を収縮させる。

     




 細胞膜の破損によって
生じた筋線維は
過収縮を起こし、痛み発生。
カルシュームイオン依存性の
蛋白質分解酵素が活性化し、
繊維蛋白質を融解し
断片化し筋線維を壊死させる。

さてこうなると筋肉は機能を失い
仙人の右脚は
動かなくなり歩けなくなる。
そこで登場するのが、
衛星細胞(サテライト細胞)である。

こいつ普段は何もせず、
怠けていて、脂肪細胞になって
霜降り肉を生じ所有者を太らせる。
逆に運動すれば、
筋肉細胞となって肉体を強化する。






  緊急事態が発生し
筋線維の壊死が生じると、
衛星細胞は大活躍。
24時間後には活性化を始め、
筋芽細胞に分化し、
増殖を繰り返し、壊れた
筋肉繊維を修復してしまうのだ。

細胞の遺伝情報を保存し伝達
するコントロールセンター
の細胞核は通常1細胞に
1つあるのだが、
筋肉細胞には幾つもある。

これが筋肉細胞の
細胞分裂を妨げているので、
壊れた筋肉細胞は
衛星細胞に修復してもらう以外に
術は無いのである。




 
 
   




拷問は業を問われる業問でもあると実感!


今朝もワクチン注射部位の痛みは持続し頭痛もあるが、他は特に問題無し。
それより右脚の痛みの方が深刻。
もう慢性化してこの痛みを死ぬまで引き摺って行くのかも。 
今、余りにも痛みが酷いので、夜以外は決して呑まない鎮痛剤を服用。
効きはしないのだが、気休めにでもなれば!
拷問は業を問われる業問でもあると実感!

ただ只管に人の為に尽くして死を待つとの発想は、 存在の業から逃れる錯覚を得る術としては、最も効果的なのだ。
そうか考えてみれば、鎮痛剤も根本原因を無視し、痛みだけを抑える錯覚薬。
凄いことに気付いたなと、仙人は深く納得!
 
錯覚効果を一途に待ち望んでいる仙人に、果たして今呑んだヤク応えてくれるのだろうか!
そりゃあり得ないな、錯覚を錯覚と認識している限り、業は仙人の心象風景に跋扈し続け、
業問を続けるのだ。



  筋線維を詳細に観ると・・・

動いていない筋肉は核の数も減少して、筋力が落ちる。
周囲のサテライト細胞は脂肪細胞に変化し、
霜降り肉の状態になる。

運動するとサテライト細胞が筋肉細胞に変化し、
筋肉は太く強くなる。(筋トレ効果) 


さて問題はこの衛星細胞だが、3か月を経て尚、
仙人の場合は活性化も、自己複製も、
当然乍らその結果の増殖も観られず、
筋線維生成は行われていないようなのだ。

仙人は必死になってネットサーフィンを繰り返し、
最後に行き着いたのは英国総合学術雑誌・Nature。
しっかり読み込み総て納得。やはりそうだったのか!

 


 加齢によって筋肉の再生が
損なわれる図。

a:筋肉幹細胞の
一種である筋衛星細胞は、
正常な状況では
静止状態を維持している。

筋肉が損傷を受けると、
筋衛星細胞は
活性化されて細胞周期を
再開し、筋芽細胞を
作り出して筋繊維を
再生させる。

また、筋衛星細胞は
自己複製も行って
幹細胞集団を補給する。
    b:Sousa-Victorら3は、
老化した筋衛星細胞では、
細胞老化の調節因子である
p16INK4aを
コードする遺伝子が
加齢に伴って
抑制解除される
ために可逆的な
静止状態が失われ、

その結果、筋衛星細胞が
老化に似た状態
(前老化細胞)
になり再生過程が
損なわれることを示した。
Nature 2014年2月20日


 さらに著者らは、連続的に損傷を与えたマウスモデルでは、
時間経過とともに老化した筋衛星細胞が徐々に自己複製しなくなっていく一方で、
正常な筋衛星細胞は自己複製し続けることを観察した。
損傷に応答して増殖しなければならないという圧力がかかると、老化した筋衛星細胞は完全な老化状態に変わるのである。

このことは数個の古典的な老化マーカーの発現により証明された。
老化状態がリン酸化された網膜芽細胞腫(Rb)タンパク質レベルの低下、
およびRbと転写因子E2Fにより調節されている遺伝子群の発現低下と相関していたことから、
明確に定義されているp
16INK4a/Rb/E2Fのシグナル伝達軸が老化状態への変換を駆動していることが示唆されたのだ。


以前にも、血液や神経、膵臓の組織で、加齢に伴うp16INK4aの発現が再生を妨げることが示されており6(Orford, K. W. & Scaden, D. T. Nature Rev. Genet. 9, 115-128 (2008).)、
また、遺伝子プロファイリング研究4も行われてきた。
それにもかかわらず、加齢筋衛星細胞を用いて確かめた研究結果はこれまで一度も報告されていなかった。
今回の発見をもたらしたカギは、明確にサルコペニアが見られる老化筋衛星細胞集団を使ったことにあるかもしれない。
加齢に伴いp16INK4aが誘発する老化によって幹細胞の再生能が制限され、それが加齢に関連する疾患の原因になっているという
証拠が増えつつあるが10(
Lopez-Otin, C., Blasco, M. A., Partridge, L., Serrano, M. & Kroemer, G. Cell 153, 1194-1217 (2013).),
11(
Baker, D. J. et al. Nature 479, 232-236 (2011).)、今回の結果は、その説の新たな重要な証拠となる。


 
大腿四頭筋とハム双方の痛み酷し!
試しに終日安静にしてみようと、
雨の中の畑仕事を完全放棄し、
書斎とカリスト部屋に篭りデスクワークに終始。
移動距離僅か672m、歩いた歩数961歩、
消費カロリー26kcalという山荘活動では
あり得ない動きで、
右脚大腿四頭筋、腓腹筋を安静に保った。

因みに肉離れ直前の5月1日の記録は
 17374歩 2161m、460Kcalなので
歩数で約26倍もの活動をしている。
 


26分の1なら充分な安静状態であり、
修復作業に勤しんでいるサテライト細胞も、
修復ピッチを上げたに違いない。
大いに結果を期待し、今朝ベッドから起き上がり
第一歩を床に記したが、ぎゃふん、
痛みは和らぐどころか
かえって酷くなっているでは!

昨日の朝は痛みなしで数歩は歩けたのに、
安静後の今朝の方が悪化しているとは
どういうことなのだ!許せない
と怒ってみたが、一体誰に怒っているのか
仙人も解らないのだ。
ショボンとなって腎気欠乏した空虚な肉体を抱え、
夜明けを迎える。 

その上腓腹筋とヒラメ筋まで! 


また、p16INK4aの発現は幹細胞の再プログラム化を妨げる要素の1つであるため12
(Li, H. et al. Nature 460, 1136-1139 (2009).),
13
(Menendez, S. et al. Aging Cell 11, 41.50 (2012).)、再生医療においてp16INK4aの一時的不活性化が役立つ可能性が高まった。
Sousa-Victorらの研究結果から、必然的にさらなる疑問が湧いてくる。
例えば、加齢に伴ってp16INK4a/Rb/E2Fの老化経路が誘発されるが、その引き金となるのは何だろうか?
 最近の研究9によれば、加齢筋衛星細胞におけるDNA損傷の蓄積レベルが若い筋衛星細胞と比べて顕著であることを示す証拠は見つからなかったという。
また、p16INK4aの抑制解除は、軽度の全身性炎症や活性酸素種レベルの増加などの、隣接している老化細胞からのシグナルによって起こるのだろうか?
筋衛星細胞は均一な集団ではないので、集団の中に、静止状態から老化状態へと敏感に変換するものと、
なかなか変換しにくいものが存在する可能性も考えられる。

この線に沿って、損傷によって活性化された老化筋衛星細胞が、完全な「幹細胞性」を維持するかどうかを調べるのも興味深い。
他にも、まだ突き止められていない加齢に関連する「環境要因」を中和すれば、サルコペニアの筋衛星細胞中でのp16INK4aの誘導を遅延させられるのか、
また、もしそうであれば、
p16INK4a誘導を遅らせるのに運動は有効なのかなど、興味は尽きない。
今回、加齢組織の再生能を改善する戦略として新たな可能性が示された11,14(
Pajcini, K. V., Corbel, S. Y., Sage, J., Pomerantz, J. H. & Blau, H. M. Cell Stem Cell 7, 198-213 (2010).),
15(
Shyh-Chang, N. et al. Cell 155, 778-792 (2013).)。加齢に関連した再生能の衰退を防ぐ観点からは、
幹細胞で腫瘍抑制因子の発現レベルを一時的に低下させることには、検討の価値があるかもしれない。
ただし、再生能を回復させることによる恩恵が、
腫瘍抑制因子の発現を低下させることで生じるリスクの増加よりも大きいかどうかを見極める必要があるだろう。
また、診療所で行うことのできる「人間の健康寿命を延ばすための方法」としてこれらの戦略が安全かどうかについては、
今後、周到な研究が必要となるだろう。
(翻訳:古川奈々子)



Next