186の3ー2021年 皐月
夜明けの光を孕み開き始めるガザニア 5月14日(金)晴 光を透過する紫のペチュニア 精神をとるか肉体をとるか!午前中悩み続けたが、チラリ、ちらりと中畑の雑草が目に入り仙人の精神は甘く囁く。 ≪雨も上がったし、体を動かそうぜ!そりゃじっとしていても大腿四頭筋も脹脛も痛いのだから、 畑に出て鍬を振りかざしたら、もっと痛いにきまっている。 考えを反転させてみるんだ。痛み止めも筋肉緊張緩和剤も効かない痛みが、10日も続いていると云うことは、 この痛みはヤクや安静によっては、この先も取れない可能性も視野に入れるべき。 となるとこの痛みの支配下で何処まで活動出来るか、そろそろ試す時期と考えても良いのでは! つまり酷い痛みだからこそ、痛みの限界値を追って畑にでるんだ。≫ でもって室内用のストックに体重を預け、よろよろと書斎から飛び出し、と云いたいところだが、 飛び出せたのは意識だけで、肉体は不承不承ビッコ引き引き意識に従っただけ。 で、外用のストックに変えて長靴履いて、そりゃ、中畑に出陣じゃ! |
中庭白躑躅と雪富士の呼応 さてこの痛みを高みから見下ろし、 痛みに支配されず如何に共生していくか。 痛みを歓びに変換出来れば 即席マゾヒストになってもいいが、 ごく短期間しか似非マゾヒストを演じることは出来ない。 痛みが長引けば、やがて精神は 痛みに支配され、活動そんものを望まなくなり、 仙人は生きたまま死ぬことになる。 それだけは何とか回避せねば! |
どうなったかと云うと、 痛みは限界値に達したが、 気分は実に爽快!生き返ったぜ! 痛みに耐えつつ汗を流し雑草を全て取り除いた畑の、 何という清々しさ。 これでいつでも薩摩芋苗・紅悠を移植することが出来る。 |
森テラスの朝 |
南瓜、枝豆の発芽 |
葡萄畑の自生ゴーヤー |
亜急性の不完全断裂 5月16日(日)曇晴 驚いたことに 大腿四頭筋の肉離れを 生じてから12日間にもなるのに、 一向に衰えないどころか痛みは 益々深さを増し痛いの何の。 ≪軽度(1度、顕微鏡的断裂、mild) - 筋や腱の組織が 反復的・持続的な筋収縮により 微小断裂を起こし、 その不完全な修復によって 引き起こされる 亜急性の機能障害≫だと思っていたが、 どうもⅡ度の不完全断裂らしい。 Ⅰ度なら1~2週間で競技への 復帰可能なので、せめて 痛みくらいは退き始める筈。 どうもⅠ度ではないのでは! 因みにⅡ度は ≪中度(2度、不完全断裂、moderate) - 筋膜・筋線維・腱の急性 または亜急性の不完全断裂≫とのこと。 痛みの始まった4日は 扇山に登ったが、活動記録では、 15417歩 10791m、448Kcalで 特に激しい脚の酷使が あったわけではない。 |
運動のある瞬間に突然 グキっと痛みが走ったなら、 急性の機能障害で、 筋膜・筋線維・腱の急性の 完全断裂と考えられるが、 急性でないことは確か。 断続的に18日間に亘り 1日10km以上の 活動(山トレ&畑仕事)が続いたので ≪反復的・持続的な筋収縮に より微小断裂を起こし、 その不完全な修復≫状態となり、 機能障害に至ったのだろう。 となると活動復帰には 3~6週間かかることになる。 未だ未だ先は長いと覚悟せねば。 と理解しつつも畑は待っていてはくれない。 西瓜苗を10本移植する準備に 取り掛かかり、 どうにか終えるまで3時間。 脚の痛みはMax。 之じゃいつまで経っても治らんぜや! |
温室でのポット播種 |
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播種テラスの発芽したポット |
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自生ミニトマトをポット移植 |
丸オクラも次々発芽 |
森テラスからのヴィーナス |
近道見っけ! 5月17日(月)曇 幸せなんて他愛もないもんだ。 今最大の望みは肉離れが齎す 大腿四頭筋の痛みと、 床に足を着くだけで走る 脹脛の激痛からの開放。 つまりただ単に元の状態に戻るだけの 事なのだが、その元の状態が 遥か昔の夢の様な幸せに満ちた世界に 思えるのだから、 幸せなんて実に他愛もないもんだ。 しかし若しもこの苦痛だけの日々が、 慢性化せず治癒したなら、 肉体労働組合の諸氏に数日だけ、 感謝の言葉を述べたりするのだ。 だが数週間もすれば すっかり忘れ去り、畑仕事や山トレで 肉体を酷使するに違いない。 |
書斎テラスも開業するか! |
そんでもってブチブチと文句垂れて、 どうしたら他愛のある歓びを 創り出せるか悩んだりするのだ。 それでいいのだ! とはどこかで聞いたセリフ。 赤塚不二夫の天才バカボンか! うーん、果たして仙人が天才バカボンに 戻れる日は来るのだろうか? 「シンパサイザー」も「共謀捜査」も 読み終わり、 椎名誠の最新作「階層樹海」を 読み始めたが、あんまり詰まらなくて 三島由紀夫の「金閣寺」でも 読み直してみようか! と、ストック突いて 奥庭に出て書庫を目指そうとしたが、 考えたら書斎から森テラスの ブリッジを渡れば、1階に降りず そのまま書庫に行けると気付き、 書斎から書庫に直行。 |
イオに浮かぶ芽吹きの森 |
前庭、奥庭に咲き乱れたアイリスの終わり 5月18日(火)曇晴 奥庭のジャーアイリス しかし書庫は上下5段、奥行き3~4列と書籍が並べてあり、作家毎やアイウエオ順に整理してあるわけではない。 とてもじゃないが探せない。となると今夜は読む本が無い。本なくして眼むることは不可。 そこで前列手前にある「ジャッカルの日」、「シジフォスの神話」の2冊を取り出す。 差し当たりこの2冊を今夜の、お夜伽にすることにした。 それにしても奥庭の更に奥の作陶場にある書庫へ、書斎からこんなにも簡単に行けるとは! 今まで気付かずにいたのが不思議!書庫にあると解っていても、行くのも探すのも面倒なので、 読みたい本は図書館で借りていたが、今後はもっと書庫を利用してあげようか! |
ウッドデッキの下から子猫出現! |
デッキ下で生まれたのか? |
山荘で出産! 大きなお腹を抱えて 奥庭を徘徊し仙人と視線が合うと、 野性そのものの鋭い眼差しを 向けて素早く走り去る。 夕食後、食器を洗い生ゴミを 奥庭のコンポストに捨てに行くと、 森の中から眼を光らせ じーっと仙人の動きを追う。 |
仙人が山荘に戻ると、 サッとコンポストに駆け寄り、 魚や肉のゴミが在りはしないかと 嗅ぎまわる。 コンポストには肉や魚の残りを入れても 肥料にならないので、 森に捨て野性動物に 喰わせる様にしている。 しかしこの猫が 出現するようになってから、 魚の骨や肉のゴミは森に捨てず、 コンポスト近くに置く様にした。 |
母猫のおっぱいに夢中! |
黒の子猫も登場、2匹産んだのか? |
デッキ下から恐る恐る顔を出して母猫を探す 5月18日(火)曇晴 雨上がりの濡れた葉の奥から出て来た子猫 これを繰り返しているうちに、森に隠れていた野性猫は、徐々に姿を現し仙人を懼れなくなってきた。 だが仙人の出す魚や肉類のゴミなんぞ僅かだし、東京に帰れば当然ながらゴミ出しは無い。 棲み付いては困るし、野性に近い方の猫が好きなので、敢て餌を与えることはしない。 従って大きなお腹を抱えている猫が、山荘に棲み付いて出産し子育てをするなんてあり得ない。 と思っていたのだが、昨日ウッドデッキに子猫が現れ吃驚! しかし飼い猫の子と異なり、仙人と眼が合うなり、デッキ下に逃げ込んだ。 |
瀧の落ち口で鯉が死んだ! |
数日前から元気が無かったが! |
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若しやあの猫が 暗いデッキ下で出産したのではと、 覗いて観ると 更に真っ黒な子猫が1匹。 ウッドデッキを設置する前は 中庭だったので、 ガラス戸の下には 大きな敷石が置いてある。 今でも敷石はそのままデッキ下に 残されている。 |
何かに役立てて欲しい! |
そこで出産したらしく、 子猫たちは敷石の上で戯れている。 そんじょそこらの子猫と異なり、 野性剥き出しで デッキ下を覗いただけで、 子猫たちは警戒警報を発し、 此処は俺達の棲家だぞ、 近寄るなと、威喝するが如し。 |
じーっと鯉を見詰める母猫 |
喰うべきか喰わざるべきか!! |
こいつを喰えば乳が出るんじゃ! 5月18日(火)曇晴 錦鯉はお乳になって子猫に流れる |
≪ストックを使って2階に上がる仙人≫ 先に右では無くて左脚を出して左に体重をしっかり掛けてから、そろり傷んだ右脚を上段に上げ、 両足が1つのステップに揃ってから次の段に上がるのだぞ。 と充分に云い聞かせ、室内用ストックに力を加え、先に上げた左脚に徐々に体重を移す。 此処まではお利口さんなのだ。 しかし両脚が揃い次のステップに上がろうと脚を上げた途端、グキっと痛みが直撃。 ありゃ、あれほど念を押したのに先に右脚を出して、 次のステップに上がってしまっているでは!右利きの習慣の為せる業ではあるが、1歩目で左脚から先に出すと自らに言い聞かせたばかり。 猿(鶏?)は3歩、歩くと忘れると云うが1歩で忘れてしまう仙人の知能は、猿の3分の1以下でしかないと暴露されたのだ。 普通に歩いているのに痛みが余りに酷く、もうこれ以上我慢できないと、山トレーニングで使っているストックを室内でも使うことにした。 石突の部分の多くは金属製のパーツが着けられているが、このストックを室内で使うとフローリングを傷つけてしまう。 最近のウォーキング用のストックには、金属でなくスリップを防止する摩擦力の大きなゴムが、石突パーツに使われている。 こいつを洗い泥を落とし、綺麗にして室内用ストックとして採用しようとお伺いを立てた。 最初はちょっと渋ってブチブチ。≪颯爽と山や森を駆け巡るのがオイラの仕事なんだぜ! 何だって室内用に左遷されちまうのか、オイラに何か落ち度があったのか?≫ まあまあそう云わず、仙人の脚の痛みが取れさえすれば、再び山や森に出かけられるから、左遷なんぞと思わず、 哀れな仙人を介護してやるつもりで、どうだろうかちょっとだけ付き合っておくれよ! と瀧上のボン・シルバーの説得の結果、どうにか室内採用のストックの同意を得たのである。 |