181の1ー2020年 師走
誰だ!鉄塔山のパイロンに登っているのは! 11月13日(金)晴 小倉山を見下ろし、右肺下葉切腹直前の仙人は滑沢山へ |
鉄塔登りの練習だって!(奥庭) |
莫迦と煙は 高い処に登る 柿日和 ガツンといきなり頭の真ん中に衝撃が! 橙色の大きな柿の実が 頭に直撃したのだ。 サルかに合戦のサルのようだが、 頭を抱えて 逃げ回るわけにはいかない。 これから作る干し柿のために、 山荘庭の柿の木から 実を捥いでいる最中なのだ。 高バサミで枝先の大きな実を 一個ずつ仙人が切り離す。 その実を傷つけないように下で キャッチするのが私の仕事。 柿の木は成長著しく、 かなりの高さまで実を付けている。 天辺近くの実は遠すぎて 落下地点の見当を付けるのが ものすごく難しいのだ。 |
登るから莫迦なのか!(山荘森) |
手ではとても受けきれないので、 |
莫迦だから登るのか!(滑沢山) |
柿日和だ! と思わず心の中で叫んでしまう。 籠に詰められた柿たちを テラスに運ぶ。 仙人は干し柿をつるすための 紐を用意、年に一度の 干し柿簾の準備が整う。 日差しを背中に受け、テラスの テーブルでせっせと柿剥きに勤しむ。 くるくると皮を剥かれた柿は 艶やかな橙色に輝いている。 仙人が五つの柿を 手際よく吊るしていく。 剥く速さが追いつかなくなると、 仙人も柿剥きに参加。 |
高芝山へ続く鉄塔 (滑沢山) |
観たいから 登るんじゃ! 焦ることもなく のんびり楽しみながら、 柿日和の穏やかな一日が 過ぎてゆく。 一日ではすべての柿の処理は 出来きれなかったが、 嘗てのように暗くなって手が 凍えるまで柿剥きをしたような 無茶ぶりはせず、 楽しい時間のうちに終了。 何だか贅沢だなぁと思う。 今年は例年に比べたら少ないが、 居間の窓辺に剥きたての柿簾が 並ぶさまは、冬に向かって行く これからの日々を 楽しませてくれるはずだ。 |
良い眺めだぜ!(鉄塔山) |
黄金に燃えるエルドラドの森! 11月13日(金)晴 滑沢山へ至る鉄塔峠 滑沢山 昼前にバイクで鉄塔山の入り口へ。鉄塔山下部をバイクで登り、倒木に遮られた所で、バイクを止める。 仙人はもっと上部まで走らせたかったようだが、枯葉と倒木で道が荒れているので断念。 ここまでバイクで来ただけでも、随分と時間の節約だ。 鉄塔山までもずいぶん長いこと登っていなかったので、久々の道は懐かしい。 いつのことか忘れたが、この登山道でリスを見たことがあったなと思い出す。 峠に出ると倒木が多く、切り倒されたようだが放置されたままで、歩きにくい。 |
鉄塔山稜線 |
森の脇道から登り、 岩を攀じることはせず、そのまま 階段状の山腹を登り鉄塔山へと至る。 目の先に乾徳山が聳える。 葉がすっかり落ちれば、 南アルプスの眺望も素晴らしい筈だ。 ここから先へ進むのはいつ以来だろう。 チベットの未踏峰へ行った頃は、 |
落日の山巓! |
扇山から 仙人山の稜線を上り下り、 鉄塔山を経由して 滑沢山を走り抜け、 坂脇峠まで縦走して 林道をジョグで戻ってきた。 ルートファインディングをしながらの タイムレースであったから、 今思えば随分と 過激なことをこなしていたのだ。 今は仙人の付けた赤い 道標テープに加え、バイク野郎の 付けた白テープが並び、 ルートファインディングを する必要もない。 しかし、ここをバイクで走破する という人もすごいなあと感心する。 |
小倉山麓で銀杏拾い |
全く人の入っていない山だけに、 落ち葉の季節の今は、 目印があって もうっかりすると迷う。 紅葉の彩に惹かれ、見上げたり 立ち止まったり、同じ山域なのに 少しずつ様子の違う 木々の姿に 改めて自然の造作に心打たれ、 もっとここにも足を 運びたいと思ってしまう。 第2鉄塔の先の小さな岩場で、 気が付くと仙人の姿がない。 おまけに標テープの位置も変だ。 |
懐かしい滑沢山 |
黄金の実 |
落日前に下山せねば! |
摘果しなかったので大変! 情けないなあと 叱咤激励しながら頂上に向かう。 何度目かのコールに 頂方面から返事が返ってきた。 急に元気が出てまっすぐに山頂へ。 此処も嘗ては通過点だったことに 思い至ると、改めて一つずつの頂が 愛おしい存在に感じられ、じっくりと 滑沢山の山頂標識に向き合ってみた。 |
ずっと仙人とテープを頼りに登ってきたので、 それらが無いと急に不安になる。 滑沢山の山頂は見えているし、 迷いようもないのに思わず大声で 「トオッー!」と叫んでしまう。 何度叫んでも返事がないと、 本当に不安で心細くなってくる。 |
採っても採っても採りきれず! |
生り過ぎなので小粒 |
《髭白きまで 山を攀じ何を得し》 福田 蓼汀 |
味も落ちるかと心配! |
ずっと昔に目にした句が ふと浮かんだ。 ああ、そうだね、こんな年まで 山に登り続けることなんて考えても いなかった頃に、それでも 心に迫ってくるものがあった気がする。 実際山から 何を得たというのだろうか? と自問しても答えは出ない。 ただ、生きることへの姿勢をどこかで 支える支柱になって くれたような気はするのだ。 それもただの錯覚かもしれないが、 それでも、今こうしてささやかな山頂に 立った満足感は 何にも代えがたいものなのだ。 大袈裟に言えば、それだけで 生きている意味があるような、 美しい秋の山との出会い、その中を 自分の足で登ることのできる充足感。 |
追熟させて食べてみたら! |
今は他に何も 求めるものなどない。 一歩ごとに山の斜面を歩むとき、 たくさんの山肌や岩や雪の記憶が 足裏の奥に潜んでいる。 多分それが私の唯一の財産だ。 もしも歩けなくなった日が来ても、 きっと足裏の記憶は私にたくさんの 想いを告げてくれるだろう。 できるならもう少し、こうして自分の足で 山を歩く歓びを 許してほしいと願いながら、 柔らかい秋の陽ざしの中を ゆっくりと下山する。 ゆっくりゆっくり下山する私の足を 気遣って、時々振り返っては スピードを緩めてくれる 仙人にも感謝しながら、 今年の秋の山三昧の 締めくくりかなと歩を速めた。 |
わおー、何たる深い甘さ! |
冬の風物詩・12列130本の干し大根の簾 11月29日(日)晴 ログハウスのテラス 脳が臨界点に達している。 核ではなく、脳分裂連鎖反応をこれ以上一定に抑えることの難しさに直面し、ただがむしゃらに動く。 灯油を不注意で何度かオーバーフローさせながら、4つのストーブと風呂&給湯器タンクに満たし、 灯油塗れになった手に石鹸を擦り付け、ゴシゴシ洗ってから葡萄畑と西畑の野菜に散水する。 雨が降らないので畑の土はすっかり硬くなってしまい、収穫の終わった茄子畑に鍬を入れても根が掘り出せない。 掘り出すことは必要だが、それが目的ではない。 こうして何度も鍬を振り続け汗を滴らせ、思惟する時間を消滅させることが真の目的なのだ。 土が硬ければ硬いほどいい。動くことによって、脳の物理的性質が不連続に変わる境界に達し、 核分裂ならぬ脳分裂に至ることを何とか食い止められれば、とただ只管に願い、鍬を硬い大地に叩き続ける。 |
鷹の爪も収穫 |
太陽をいっぱい吸い込んで! |
甘ーくなるんだよ! |
昨日は嵐のように激しく 忙しく圧倒された1日であった。 老人性痴呆か アルツハイマー認知症か、 その両方か解らんが何しろ 進行していると確認した日でもあった。 大根をスコップで掘り出し、 大中小と仕分し、せっせと 葡萄畑から奥庭の野菜洗い場まで 運び上げ、束子でゴシゴシと 泥を洗い流し、さてログハウスに 干そうかと、軒下に渡した紐から 昨年の大根干しに使ったテープを解き、 大根を干そうとしたが、 がーん、どう結んだか 思い出せないのだ。 |
上から吊るすか下からか! |
例年続けてやって来た結び方が、 どう考えても解らん。 10本ほどの大根を 簾状に編んでいくのだが、 上から編むか、下からかも、 とんと出て来ない。 焦った、大いに焦った。 こりゃ酷い、目を瞑っていたって手指が 覚えていそうなほど、 繰り返しくりかえしやって来たのに、 なんちゅうこっちゃ! 試行錯誤すること約30分、 そうだ、一番下に大きくて長い 大根を吊るし、その上の テープを2重か3重に捻り その隙間に2本目の大根を通し、 更に同じ作業を続けていくんだった! |
最下部に先ず1本吊るし! |
ログ正面には獅子唐を! |
力仕事は切腹前にやっておかねば 12月8日(火)晴 血の失せた顔面蒼白は空の予感か! 実体が空であることを示すが如く、仙人の実態が空に溶け出し消えかかっている。 このまま実体である空が広がれば、仙人の蒼ざめた顔は、やがて消失してしまうことは間違いない。 光が左肩から左太腿に掛けて流れ、両膝へ抜け実体を空にいざなう。 単なる残照のマジックなのか、はたまた実体から空へと血の海を渡り始めた仙人の 般若波羅蜜多への暗喩なのか! |
縺れ合った枝の伐採 |
物凄い大収穫と云えば 歓ぶべきだが、 単に摘果してないだけで、 実の数は多いがどれも小さくて、 貧弱なキウイばかり。 まともな大きさの実は 20%も無いのでは! あんまり稔り過ぎて、採っても 採っても採りきれないので、 スーパーの買い物籠8個分ほど 収穫して、残りは 鳥にプレゼントすることにした。 段ボール箱に詰め替えて2箱分は、 大きいのを選び段毎に 新聞紙を敷いて丁寧に追熟させる ことにしたが、残りは まとめて段ボールに放り込み、 蓋をして、ワインセラーに 積み上げておいた。 自らの重さで追熟前に潰れて、 とても食べられる状態になるとは 思えないが、まー、 捨てるよりか良いか! そんな希望無き収穫であったが、 危険な作業であることに かわりなく、サングラスをしていた にもかかわらず、上向き作業だったため 眼にゴミが入り、眼がゴロゴロ。 梯子からの落下に比べれば 大したことは無いと、高を括っていたが、 夜になっても眼のゴミは取れず、 ゴロゴロ鬱っとおしい。 さて、どう手順をとるか! もうこれ以上乱れようがない程までに、 乱麻の如く 絡み合ったキウイの枝を、 幾ら凝視しても手順は決まらない。 |
伐採後の支柱立て |
48mmと19mm管の結合 |
棚支柱に邪魔な幹を切断 |
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①チェーンで乱麻の如き枝を、 思い切って大胆に切り刻み スッキリさせてから、 棚の支柱となる単管パイプを打ち込む。 ②先に単管パイプを打ち込み、 しっかりした足場を作ってから、 其処に梯子を掛けて 乱麻の如きキウイ枝を伐る。 ③20年前に作った棚が歪み、 倒れ掛かり棚としての役割を 果たしていないので、 先ず倒れ掛かっている単管パイプを 立て直し、或いは 引き抜き打ち込み直し 新たな棚造りに着手する。 |
頑丈な棚ほぼ完成 |
どれを選ぶにしても、 簡単に出来そうにはない。 仕方なく手始めに 20年前の支柱を抜こうと、 渾身の力を込めてみたが、 まったくピクリとも動かず 直ぐにギブアップ。 10月に畑管工事でキウイ棚下は 掘り返したばかりなので、土は そう硬く締まっている訳ではない。 新たに単管パイプを 打ち込むことは出来そう。 そこで仕方なく手始めに ②の打ち込みから やってみるかと思ったが、 以前の棚の東側支柱が酷く 倒れ掛かっているので、 こいつだけは何とか元に戻さねば。 |
重い冬タイアも陶房倉庫から運んで交換 12月5日(土)晴 タイアに最大外周の赤丸、軽点の黄丸が記されている ボルトが緩んだのか単管パイプの端から20cm程も、クランプがずれているので、こいつを端まで戻す。 と云ってもこの単管パイプには太い幹が絡みつき、動く気配など無し。 チェーンソーで惜しげもなく切り刻み、クランプのボルトを緩め端まで単管パイプを移動し、再度締め直す。 さてこの後、延々と作業は続くのだが、夕食のデザートに先週収穫し追熟させて置いたキウイを、 試食してみた。感激! 未だ未熟だろうと思っていたら、完熟していて市販のキウイと比べ物にならぬ深い甘さ。 滅茶苦茶に生り過ぎたので、とても食べられる代物ではないと 諦めていただけに、歓び爆発。やったぜー! キウイから元気を貰い、さてほんじゃ次の力仕事をやっつけるか! |
冬タイアは重く大きい |
雪がやって来る。 となると 次の力仕事はこれだ! |
刻みも1列多く深い |
変だ!タイアの直径は 同じはずなのに、何度やっても スタッドレスタイヤが嵌らない。 5か所のボルト穴の 1カ所に入れば、後は ちょっと回転させるだけで、ガッチリ嵌る筈。 仕方なく油圧ジャッキーを 更に押し上げて見たが、 上手く行かない。 もしや前輪、後輪、左右の 取付位置が決まっているのかと、 タイアを調べると 丸い赤と黄色のマークがある。 夏タイアにも冬タイアにもついているが、 今まで気にせず タイア交換をしてきたが、 それでも全く問題無かったのだ! |
やっと終わったぜ! |
調べてみたら、赤マークは 「「ユニフォミティマーク」と呼ばれ、 かんたんに言うと、 タイヤの外周が最も大きくなる部分に 印されるもの」で、 黄色マークは「軽点と呼ばれ、 タイヤ全体のなかで最も 軽くなっている部分に印される」とか。 ならば前輪、後輪、左右の 取付位置とは関係ない。 結局、どうも夏タイアより 冬タイアの方が直径が大きいのではと、 両方を並べて較べたが、幅は 確かにスタッドレスタイヤの方が広いが、 高さは変わらない。 しかし実際には、ジャッキーを 夏タイアより高く上げないと 嵌らないと解った。 謎は残ったまま交換終了。 |
ボルト孔とボルトが合わないぜ! |
最後のボルトを締める |