1792ー2020年  神無月

仙人山の天辺で恋のセレナーデをでる山管巻擬き
10月11日(日)晴 仙人山標識のヤマクダマキモドキ

高い木の上に棲みグルグルと鳴く≪山管巻擬き≫がぴょんぴょん飛び交い、仙人山の稜線は中々の賑わい。
管巻とはクツワムシやウマオイのことで、機織りの紡車を巻く音に、鳴き声が似ているので付けられたとか。
でもって≪管巻擬き≫はその管巻に似ているのでクダマキモドキと呼ばれているのだ。
3種類確認されていて、山管巻擬きは体長50mm程で前脚が赤褐色、里管巻擬きは
前脚が緑色、、姫管巻擬きは山、里より小型で30mm弱。




枝の皮を、縦に裂き


ちょっと遊んでやろうと、捕まえようとしたら
ズボンに飛びつき、じっと睨みつけ
≪ふん、お前さんなんかに捕まるもんですか!≫
と挑発して来るでは!

まあまあ、そう云わずに付き合っておくれと、
暫く一緒に戯れた。
中々の役者で、枝先でポーズ!
とか仙人山標識に載って!
とかの注文にも、嫌な顔見せず、
いっちょ前のスター気取り。 
大きな産卵管を使って、細めの生きた枝の皮を、
縦に裂きながら卵を産み付ける、
とい う少々荒っぽい産卵手法をとるのが特徴で、
小枝には生々しい産卵膜が観られる。

 
小枝には生々しい産卵膜


生殖は遺伝子の陰謀!

恋愛ホルモンと呼ばれる
フェニルエチルアミン(PEA)、
愛着ホルモンなるオキシトシンは、
脳下垂体から分泌される
麻薬物質の一種であり、
遺伝子の陰謀を達する手段なのだ。


早速やって来たぜ!
加齢・蛹化・羽化が行われ
昆虫を大人へ導き
 前胸腺で合成・分泌される
エクダイソンと呼ばれるホルモン。

アラタ体というところで合成・分泌され、
幼虫を若い状態で
いさせようと働きかける幼若ホルモン

 エクダイソンを作るよう前胸腺に
命令する、脳で作られる
前胸腺刺激ホルモン
どうも昆虫はこの3つのホルモンに
支配されていて、
恋愛、愛着ホルモンなんて無いらしい。


あら、中々のイケメンね!

となると生殖行為の決定は
どうなされるか?
ちょっと山管巻擬きに訊いてみた。

≪あのな、我々昆虫はな、
3つのスタイルがあってな、
雄雌が交尾する場合も
貯蓄型交尾なんだ。

雌は交尾して得られた精子を
受精嚢と呼ばれる
貯金箱にしまっておいて
産卵の直前に嚢から取り出し、
受精させるんじゃ。

どうじゃ、これなら精子の無駄も無く
有効に使えるじゃろ。≫
あれ、それって若しかしたら
発情期なんて無くて
いつでも交尾できる状態に
在るってこと?


遺伝子交換、それとも交歓する!

だもんだから
恋愛ホルモンも愛着ホルモンも
不必要で、常に交尾可能なんだ。
そんじゃ遺伝子の陰謀は
必要無いのか!

反対にいつでも交尾可能なこと
そのものが陰謀なのか!
だとしたら敢て陰謀と呼ぶには
値しないな。
で、後の2つのスタイルとは!

お近づきになろうかしら!

交尾は雄と雌が必要で
有性生殖と言われているが、
2つ目は交尾しないで、
処女雌のみで生殖する単為生殖。

面白いことにこれにも2種類あって、
雌ばかりを産む
産雌単為生殖(アブラムシなど)
雄ばかりを産む
産雄単為生殖(アリ ハチなど)の二つの
タイプが存在しているんだぜ。




セレナーデに魅かれて!

ほんじゃ、恋のセレナーデなんてお呼びじゃない!
雌の存在そのものが生殖機能なら、
陰謀とは雌自体なのでは!

山管巻擬きは露虫の近似種で露虫は、
バッタ目、キリギリス亜目、ツユムシ亜科、ツユムシ属
なので、3つ目の究極の生殖術使いなのさ。
となると何のために管巻擬きは、セレナーデを奏でるのか?
でこの後2人はどうなるのか?

3つ目は有性生殖と単為生殖をやってのける昆虫。
つまり交尾してもしなくても生殖可能で
増え続けることが出来るのだから、これこそ究極の
遺伝子の陰謀と呼べるのかも!

この究極の生殖術使い、実に多くてゴキブリ、ゾウムシ、
ナナフシ、カメミシ、バッタ、キリギリス、クワガタムシなど。
雄は居ても居なくても、雌は産み続けるのだ。
それじゃ、若しかするこの2人は雌
だってことも考えられるんだ!

  
 
遺伝子交歓は生命を謳うことか!


今上映中映画≪オフィシャル・シークレット≫に出演したハナコ・フットマンと
その後の2人が山荘畑に出現か!

あたしの母と母のお兄さんはその昔、吉祥寺の広い家に住んでいました。
結婚したお兄さんの娘さんはロンドンに渡り英国人と結婚し、3人の娘を産みました。
長女はロックミュージシャンとなり、次女は先生になって、3女のハナコは女優になったのです。
ですからあたしとお兄さんの娘はあたしと従妹同士で、従妹の娘ハナコとあたしの娘は、
6分の1の血を分けた6親等の≪はとこ≫なの。

1つの根に、こんな風に血が繋がってあたし達は東京とロンドンで育ち、1つの根に戻って来たのよ。
あの精緻な遺伝子の構造を交差させ、時空の大海原を帆走する船となって、
何処へか連なる軌跡を描きつつ、今こうして1つの邂逅を迎えているのね。
生は小さな1つの刹那の邂逅の連鎖であって、
連鎖の輪を無限連鎖に仕立て上げ、生を繋げるのが遺伝子の陰謀なのかしら!



さて育ち具合は!

うーん、まあまあかな
上映中映画
≪オフィシャル・シークレット≫


[映画.com ニュース]
 イラク戦争開戦前に、
英米政府の不正行為を
全世界にリークしたキャサリン・ガンの
実話を映画化した
オフィシャル・シークレット
(公開中)

映画化に協力したガン本人が、
本作について語った。
2003年、イラク戦争開戦に向け、
米国と共同歩調を取る
英国の諜報機関
GCHQ
(政府通信本部)
勤務するガンは、
米国の諜報機関NSA
(国家安全保障局)
から、あるメールを受け取る。

イラクを攻撃するための
違法な工作活動を促すそのメールに
彼女は強い憤りを感じ、
マスコミにリークする。

後に世界中で
“キャサリン・ガン事件”
として大きな政治問題となった実話を、
それぞれの当事者の立場から描く。



2008年に映画の基になった
自叙伝を出版してから、
実際に映画が
完成するまで10年かかった。

ガンは「映画化の話は
以前から出ていたのですが、
インディペンデント映画を立ち上げるのが
これほどまでにゆっくりだとは
思いませんでした。

実現しないと思っていました」
と振り返る。
監督がギャビン・フッドに決定してからも、
彼は1年かけて徹底的に調査し、
ガンへのインタビューを提案。

今でも公務秘密法の縛りの中にあり、
すべてを話すことはできないながらも、
快く取材に応じたガンは
「監督はとてもエネルギッシュで情熱的。
私たちは1週間を一緒に過ごし、
いろいろ試行錯誤しました。

監督は私に最初から最後まで
何もかも話してほしかったのです。
彼の頭の中で明確に
理解できるようにね。
彼と会って私はとても安心しました。
誠実にこの作品を動かす
中心人物だとわかったからです」
と絶大な信頼を寄せる。

(映画ニュース 2020年9月3日)


土を良く洗い落として

序にゴーヤーも収穫

ハナコにも食べさせたいな



木通の森はに備えた絡新婦の巣が一面に
寒い朝は熱い珈琲でほっこり!

明確な記憶は、確か初秋の聖岳に向かう、大井川林道の森だったような気がする。
畑薙湖の長いドラム缶橋を渡り、聖沢橋を目指し、秋の気配漂う標高1100m程の林道を逍遥していた時だった。
紫に熟し深い割れ目から、銀色に光るゼリーを覗かせた木通が垂れ下がり、行く手を塞いだ。
それまでにも木通との遭遇はあったと思うのだが、記憶を辿ることは出来ない。

口に含んでみてやたらと小さな種が多くて、微かな甘さは感じたものの美味しいだなんて思わなかった。
≪南アルプスの森での初めて邂逅≫が嬉しくて、深い印象を刻んだのだろう。
その後も何度も木通との出逢いがあり食し、秋の気配を愉しんできたが、美味しいとは感じなかった。
で、山荘に自生する木通を食べてみて、遅ればせながら、木通の深く優雅な甘みに目覚めたのだ。
確かに沢山の小さな種は鬱っとおしいが、割れ目に潜むゼリーの甘さは絶品。
 




絡新婦の巣に掛かり死んだ蝉


ダムウェイターの使い方にもすっかり慣れたつもりになり、
油断していたので、がっかりして落ち込んだ。
ところがこの失敗の原因を仙人が克服のチャンスに変えた。

ウインチが少し斜めに下がっているため、
巻き取るリールが同じところに集中して重なり、
それが何度かに一度ずれてしまうので、
振動が起こるのだということらしい。

ダムウェイター後日談

朝食の炒め物が冷めないようにと、
硝子の鍋蓋を被せていた皿が振動で割れた。
仙人テラスでダムウェイターを引き上げる際に

ガタンとリモコンが止まる違和感があり、
その反動で籠が跳ねるような振動を受け、
重ねたガラスの重みが、
HERMITの皿を3つの破片にしてしまった。

 
冬を前に霜柱の蜜を吸う熊蜂



狂い咲き林檎(林檎畑)

甘い香りの金木犀(奥庭)

秋に咲いた林檎花(林檎畑)

朝食後、早速ウインチの修正に
取り掛かった仙人。
ウインチを一度外す必要がある
とのことでその補助作業を
手伝うことになるが、
なにしろウインチは重い。

椅子に上ってテラスの柵に
身を乗り出しながら、
不安定な姿勢で支えても
十分な力が入らない。

おまけに怖い。
一瞬ならともかく、
長い時間の支えは
このままじゃ無理だ。
非力である故、必死になって考えた。


木通の蔓の電話機

思いついたのは
ロープを利用して、
支えが作れないか。
早速シュリンゲとカラビナを使い、
屋根の支柱を支点にして、
ウインチの下部に
ロープの支えができた。

しかし、ウインチを一度完全に外して、
持ち上げる作業が必要とのことで、
一ヶ所の支えでは危険すぎる。

もう一本ロープを通せば
と探しに行くが、
シュリンゲはもう足りない。
チベットで手に入れた
ヤクのロープが目に付く。


何処まで延びるの! 

ヤクロープをカラビナで固定させ、
二本のロープで
支えられたので安定して、
これなら万一の時にも
ウインチが落下する心配は無くなった。

単管パイプの上にさらに
短いパイプを継ぎ足し、そこへ
ウインチを移動させ、
屋根の庇ぎりぎりまで持ち上げる。
何とかうまくいったと思ったら、
ネジが止まる寸前に外れ、再度トライ。

ロープのおかげで、支える手を
休ませることが出来るので、
二度目の重労働も頑張れた。
やっと完成。

いやいやほんの僅か
手伝っただけなのに、
この作業の大変さの片鱗が見えた。
改めて、ダムウェイターの
ありがたさに感謝せねば。

そういえば
昔ログハウスを造るときには、
ものすごい力仕事も
したもんだと思い出す。
寒風の中、ログハウスの梁を
載せた時のあの集中力は、
今思い出しても感動ものだ。

大変であればあるほど、
完成した時の喜びは大きいの
だということも、改めて思い出した。
山荘はまだまだ仙人にとって、
宝の宝庫であるに違いない。

 
 
飛び切り甘い木通堪能!

不安定な濾過機

濾過機を改造し安定させたが



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