Jurassic Park 映画冒頭に 落差250mのこの滝が 登場し S・スピルバーグの 『ジュラシック・パーク』は 有無を言わせず 観客を恐竜世界へ 拉致する。 ・ 海上に634mもの高さで 聳え立つココ島は 年間降雨量7000ミリという 途方もない水量を 吐き出し垂直の岩壁を 多くの滝でデザインする。 ・ 乾季に入ったのに 滞在中は 雨の降らぬ日は無く 降雨直後は 新たな滝が誕生し 垂直の島を 勇壮・壮大な滝で飾る。 ・ 陸から遥かに離れた 大洋のど真ん中で 貴重な真水が得られる。 更に 熱帯雨林のジャングルに 覆われた垂直の島は 人を容易に近づけない。 ・ 海賊の注目を 浴びるのは当然で スチーブンソンの『宝島』の 舞台になったり 恐竜映画を招いたりココは 今昔問わず永遠の 地球神秘スポット。 |
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垂直の島・ココの滝 |
僅かな浜チャタン だがこの上陸絶望的な 島をめぐってみると 錨を降ろせそうな湾が 4箇所ほどある。 ・ チャタン湾には ほんの僅かだが砂浜すら あり上陸可能である。 ・ このチャタン湾から 隣のウェイファー湾にかけて 峠越えの道すらある。 ・ もっとも所々ロープを 張り渡した急坂であるが 充分に通行可能である。 ・ よし上陸してみよう! |
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クストーの碑 Jacques Yves Cousteau まさか、あの 『沈黙の世界』を制作し アクアラングを考案した クストーの碑が こんな所にあるなんて! ・ 中学1年生の少年に 衝撃をもたらした あの映画は 少年の心象風景を形成し 海への憧れと回帰を 促し続けたのだ。 ・ このCousteauの碑は 彼の長男がこの地を 訪れ彫ったものらしい。 ・ 砂地に埋もれた岩に 彫られた碑は とても慎ましやか。 潮が満ちると海中に 没する碑は彼にぴったり。 |
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島のレンジャー マリア・ガブリエラ 1軒の レンジャー・ハウスが 浜辺に建っていて マリアが迎えてくれた。 ・ 予算の都合で レンジャーは2名が常駐。 密漁漁船の 取り締まりには とても足りないので NPOとして レンジャーに参加との事。 ・ ダイバーは ココ公園料として1人 315米ドル(約4万円)を 取られるがその10%が レンジャー費用。 ・ とても足りないので 1枚100米ドルでの Tシャツ購入と寄付を 呼びかけていた。 |
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浜 鷺 Garza 世界の珊瑚海を 随分渡り歩いてきたが 海の野鳥が 人を恐れずのんびりと 餌を啄ばむ姿に お目にかかった事は無い。 ・ 船にやって来た 鰹鳥や黒鯵刺にも 驚いたが ガルザと呼ばれる 島の浜鷺には もっと驚いた。 ・ 数メートルまで近づいても 警戒もせず餌を 啄ばんでいる。 ・ この絶海の孤島には 天敵さえいないのだ。 |
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ココ島の花 コ ペ イ チャタン湾から ウェイファー湾への山道の 到る所にこの花が 落ちている。 ・ 木彫りのような 硬い木質の花で今まで 見たことのない花。 ・ レンジャーに聞いたら 現地ではコペイと 呼んでいるとか。 ・ 期待していた熱帯雨林の ジャングルは この他、特に目を惹く 動植物は見当たらなかった。 |
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イヴ・グラデュ 仏人海洋写真家 Yves Gladu 島のガイドなんか そっちのけでイヴは ずんずん先頭をきって進む。 ・ 2番手で私が後を追う。 イヴは知っているのだ。 音に敏感な密林の 動物達を撮るには 忍びやかに先頭を 歩かねばならぬことを。 ・ 峠でブリジットが 追いついてきて写真を 撮ってくれた。 ・ 「メルシー ボクー!」 Merci Beacoup! |
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霧と虹の島 太陽が束の間 雲間から顔を覗かせると 必ず虹がアーチを描く。 ・ 鬱蒼とした森の中から NHK取材班が 大きなカメラを持って びしょ濡れになって 現れる。 「わー、虹だ。 雨が上がったんですね。 この先、急で滑りますよ。 気をつけてください」 ・ 「撮影も大変ですね。 放映の予定は いつですか?」 ・ 「来年の2月、世界遺産の 番組の予定です」 |
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船上パーティー NHK取材班と共に ココ島最後の晩餐は 満天の星を仰いで サンデッキでの バーベキュー。 ・ ワインもビアも呑み放題で 話が弾む。 あちこちで 写真の撮り合いが始まり 笑顔が弾ける。 ・ 連日激しい流れとの闘い 巨大鮫たちとの 息を呑む遭遇。 ・ その日の映像を毎晩 ラウンジで見せてくれた NHKクルーも満面の笑み。 |
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中米陸地見ゆ 最後の別れを惜しんで 船はゆっくり ココ島を廻りだす。 ・ 船首が西を向くと 水平線に没する太陽が 海を赤く染め 闇に沈みつつある島に 微かな朱を注ぐ。 ・ 島を一周すると 汽笛を長ーく鳴らし 船は遥かなる大陸に向かう。 ・ 往路と打って変わって 帰路の海は凪いで 静かな航海が続く。 ・ 二度と還らぬ豊穣な時が 又一つ終焉を告げた。 Adios ! |
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