仙人日記
   その96の12013年霜月

11月1週 ・・・風の伯爵夫人がやって来た!



網戸さんご苦さんでした

ぶちぶちとそんな独りごとを呟いているのは
どうやらイタリアのシチリア島・エトナ山に住まいする
風の伯爵夫人らしいのです。

強い風が吹き荒れないと姿を見せぬ
風の伯爵夫人にとって
地球を循環する偏西風に乗ってイタリアから
山荘までやってくるなんぞ御茶の子さいさい。
早速飛んで来て網戸を外し
ふっと、一吹きしてほら、御覧の通り
網戸はすっかり埃を落としてぴっかぴか!
風の伯夫人がやって来た!
さっと一吹きで綺麗に

あらあら、もう直ぐ北風小僧の寒太郎が
やってくると云うのに
未だ網戸なんか嵌めているんですか?

全面にガラス戸を付けて空と森が
山荘に飛び込んで来るようにしたのに
それじゃ空も森も
遮られてしまうではありませんか。

 
水掛けて束子でしっかりって

イタリア、エトナ火山の
碧空に浮かぶ蒸気の輪。
吹けば飛ぶようなサイズに見えて、
実際には直径約50メートルもある。
最大ではその4倍にも達するという。 
   蒸気が噴出してできる
“渦輪(うずわ=vortex ring)”
という現象で、大変珍しいという。
最近の火山活動で、
円く小さな開口部が噴火口に生まれ、
一連の輪を大空に放ったらしい。

A. R. Williams,
National Geographic News
November 18, 2013




秋のクレソン
ビアだぞ!

谷から長いパイプラインを埋設し
山の清水を
折角山荘まで引いたというのに
唯ししおどしを響かせる
だけとは勿体無い。

そうだビアを造ろう!
谷の真清水で育ったクレソンや
林檎畑で初収穫できた
生姜なんぞを
フレーバーにしてもいいな。

ビアのフレーバーにどうかな?

滝の水でビアを造ろう

ビアの銀河宇宙だ!

さあ、どんなビアになるかな!
クレソンを摘んで
筧から谷の水をビアの仕込み樽に
入れて、そうそう竜神様に
奉げた初生姜を洗ってと
さてこれで準備完了!

ビアの原料である麦芽から作った
モルトをじっくり煮立てて
から金色の生姜を加えてと
これに春に仕込んだ
梅jジュースを忍ばせて終わり。

おー、モルトと生姜達が
渦を巻いてまるで銀河では。

初収穫の生姜も入れてみよう
右の小さく見える銀河は40億年後の
アンドロメダで
やがて2つの銀河は激しく合体し
1つの銀河になるんだったな。

さてさて山荘で採れた
星達をブレンドした
銀河ビア、どんな味に仕上がるか
愉しみだな!

2002年から2010年までハッブル宇宙望遠鏡で
アンドロメダ銀河の動きを追跡した結果、
2012年、科学者達は、
衝突は決定的だとの結論に達した。



回帰線近傍での夜明け テラスからの小倉山 

冬の気配を告げる銀杏と栃の黄葉 前庭 
 寒太郎の番でござんす
11月4日(月) 5℃ 曇晴

そりゃどの季節にも山荘には、夫々鮮やかな光が鏤められているけど
この黄金に輝く栃の葉や銀杏を観てしまうともう駄目だね。
「参った、もうこれ以上鮮やかな光は何処にもありません」とただただ平伏すばかり。

朝トレの汗を流そうと風呂に飛び込むと
この黄金の光が窓に広がり、更に夏椿の葉が朝日を孕んで紅く輝き余りの美しさに言葉無し。
やっぱ、一番美しいのは晩秋の山荘かな!



莢ずみ(ガマズミ) ゲート前
黄昏の

どうしてこんなにも
鮮やかな光に
満ちているのだろうか?
直ぐ目の前に
冬と云う死が迫っているのに・・・。

莢ずみや甘蔓、蝮草が
鮮やかな光で
鳥や野生動物を呼び込み
「さあ、早くあたしを食べて
遠くへ連れてって!」
と叫ぶのは解かるけどね。

ほら女郎蜘蛛なんて目立っては
獲物が捕れないし
オオミズアオなんて最早
死骸でしかないのに
恰も死は美しいのだよと
云わんばかりに
白銀の光を発しているね。

5月から咲き始めた
アンネ薔薇なんて未だ咲き続け
死を目前に
一層艶やかで眩しいね。

甘蔓(アマヅル) ログハウス

女郎蜘蛛 小倉山

干乾びたオオミズアオ ログハウス

山茶花 テラス

オムレツのような最後のゴーヤー 葡萄畑

咲き続けるアンネ薔薇 奥庭
 
色付き始めた柿 奥庭
 
試し収穫した薩摩芋 中庭
 
蝮草の実 片栗の森




  富士山に懸る 
風の伯
夫人
T

 
ContessadelVento
11月4日(月) 5℃ 曇晴 テラスより 

「富士山のような孤峰に
強制上昇の気流が起こると,
山頂付近に
笠をかぶったような雲が
発生することがある。
一般にこのときは
上空の風が強く,
気層はある程度安定している。
このとき山の風下で
乱気流の起こることもある。
 赤石岳に懸る
風の伯
夫人
U
 
聖岳、赤石岳、悪沢岳
(左から)
10月21日(月) 曇晴 小倉山から

雲が全体として
動かないように見えるのは,
次々と風上で雲が発生して,
風下で蒸発して消えるためである。
シチリア島のエトナ山には
〈風の伯爵夫人
Contessa del Vento〉
という名の笠雲がかかる

(平凡社『気象の事典』)


秋のおぶじぇ 

あれ、山桜って
こんなにも紅くなったっけ?
と驚くほど今年の
山桜の紅葉は
鮮やかな朱に染まった。

負けじとばかり莢ずみが
紅く輝くもんだから
ヴィーナスの首飾りにでもと
山荘に持ってきた。
ありゃ、飾るのはデルタじゃなくて
首だってば!
 
の紅葉 林檎畑 
莢ずみに比べると
甘蔓はぐっとお淑やかで
「あたしはクリーム色の壁に
飾ってください」と申すでは。

そこで早速ヒマラヤ隊員の
中島修が眠る壁に
這わせてやったんだ。
どう?ほら写真の修が
あの独特な人懐こい笑顔で
にゃっと笑ったぞ。
そうか笑ったのはデルタの
莢ずみを観てか! 

ずみオブジェ 居間

 新作オブジェ陶器 居間

オブジェ 1階トイレ 



谷の水源にれ発生 扇山水源地

満々とえられた清水 扇山水源地
谷の真清水を水槽へ

滝から谷の水が迸り
シシオドシなんぞ大喜びで
通奏低音を奏で
山に降り続いた雨を大歓迎。

どれ、ほんじゃちょっくら
谷の水源まで登って
水量を確かめてみっか。
と出かけてみたら、凄いの何の!
普段は全くの水無し谷が
ご覧のように
立派な谷に変身してるでは!
それじゃ水槽に取り入れて
山荘の生活水にしようと
水道タンクを覗いて吃驚!

水槽の底は赤錆の澱が沈み
ちょっと掻き回すと
あの限りなく透明な美しい
地下水が赤く濁ってしまうでは。

こりゃえらいこっちゃ!
早速デッキブラシ、排水ポンプを用意し
タンクの澱取り大作戦開始。

19年ぶりの水掃除 水道タンク

赤錆のを排出 水道タンク



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