仙人日記
   その84の32012年霜月

11月4週・・・  ちょっと夕焼け散歩・W


拾う者無き銀杏

勿体無いからべようか?

こんなに沢山出来た
晩秋の収穫
11月24日(土) 雨曇 葡萄畑で

一体どうなっているんだ!
大きな銀杏の木が
丸裸で黄色い実だけがびっしり。
そいつが路上に
ぼたぼた落ちて辺り一面銀杏の海。

都会だったら拾われて
直ぐ無くなってしまうのだろうが
此処では動物からも
見向きもされず唯悪臭を放つ厄介者。
まー仕方ない、そんじゃ
少し拾って食べてやろうかと
恩着せがましく
バケツを持って東の森に出動。

に浸しても臭いなー!
銀杏の果肉にはギンコール酸など
のアレルギー物質が
含まれており、この厄介者
素手で触るとかぶれたり猛烈な
痒みに襲われたりと
なかなかガードが堅いのだ。

ゴム手に穴が開いてないか
よく確かめて
水に浸けておいた銀杏処理開始。
最初は1粒1粒
皮を剥いていたが、えい!面倒と
ごりごりボールの中で
揉み合わせたら実に簡単。

半日干したらもう出来あがり。
なーんだ、こんなに
手軽に出来るならもっと拾っても
いいかな。

の襲撃から免れた葡萄畑の芋

キウイは大豊作だぜ

の爪はいい色になったなー



クレソンが復活したぜ! 山荘池

頬白(ホオジロ)の水浴び 山荘池
クレソンは猛暑に弱いので
暑過ぎた夏を乗り来れず昨年のように
全滅かと恐れていた。
せっせと雑草を取り、油滓を与えて
小まめに面倒みた成果か
一部だけだが生き延びて青々と復活。

やって来たのはお馴染みの頬白。
お馴染みにしては
その画像を当HPではさっぱり見かけない。
小さくて臆病で
カメラを向けるや否やさっと
飛び去ってしまうのだ。

飛び去る速さとなるとこの白腹も
負けてはいない。
山荘の崖藪に棲んでいて
しょっちゅう姿を見かけるが
忙しく動き回り停止の瞬間を見かけた
ことが無いくらい。

がここ数日来の寒さで
最後の一声を発し
ログハウスの廊下で息絶えた。
同じ白でも「白鳥の歌」と
「白腹の歌」では大違いで
誰も見向きもしないけど、
仙人がしっかり聴いてあげたよ。

白腹(シロハラ)の最後の一声 ログ

 荒らし跡とスプリンクラー 西畑


からの紅葉 階段踊り場

すっかり忘れていたけど、
君達は最後だったんだね、椎の木君。
山桜が散って楓も銀杏、朴の木、娑羅、山法師も落ちて
前庭が枯葉の海に染まりつつあるのを見届けて
それからゆっくり
朱を含んだ黄を帯びて北の森を錦秋に織りあげるんだ。

1階の居間から2階の書斎に上がる時
この踊り場の額縁がそりゃ素敵で思わず
立ち止まって見とれてしまうね。
全滅した筈の薩摩芋がどうして採れたかって?
これ葡萄畑で僅かばかり採れた芋なんだ。
いや今週も西畑を覗いてみたら
又又襲われてほらご覧!
まるでブルトーザーで掘り返したような畑になって
虚しくスプリンクラーが黙々と散水。

何度目になるか解らない程西畑は襲われ
もう芋は一切れも残ってはいない。
それでも僅かな期待を抱いて猪は掘り返す。
切ないね。
それほどまでに山には食糧がないんだ。

 ってしまった紅葉 居間北の窓

ゼウスとの宴 ログハウス

ハンゼの頭周辺は観光山道が整備され
快適なピクニックが愉しめるのだが
柳沢の頭から南の高芝山や鈴庫山の西に入るや
様相は一変し背丈以上のもの凄く深い
熊笹藪に阻まれ道なき道を進まねばならない。

正確に地形を読む能力とルートファインディングが
要求される上にアプローチも長いし
誰もが敬遠するコースである。
《ちょっと夕焼け散歩W》としては正にぴったりのコース。
そうだ次週こそ忘れ去られたログの扉を開いて
ワインでも呑みながら静かに森の声に
耳を傾けてみようかな!

《そんな調子のいいこと云っておいて
いざ夜になると「ログは遠いね」とか云いだして
ちっともきやしない!》
とログが怒る。
遂に重い腰を上げてログに参上し、さて
それでは未だ1度も訪れたことのない高芝山の北稜線の
夕焼け散歩の作戦でも練ろうか!
 
にゼウスが光る ログハウス



 
ちょっと夕焼け散歩・W
11月25日(日)晴 鈴庫山〜高芝山へ 

鈴庫山 ハンゼの頭 高芝峠 坂脇峠 滑沢山 高芝山
地図の画像をクリックすると山行記録が出ます




落葉の雨だ! ゲート前
竹森林道へぶるるーん
11月25日(日)晴 鈴庫山〜高芝山へ

がさごそ庭の落葉を踏みしめ
車やバイクに積もった枯葉を払って
ぶるるーんとエンジン始動。
さて問題の高芝山への登山口は何処?

眼を皿のようにして
竹森林道をウオッチングしながら
高芝峠周辺を走行。
2度3度取り付きらしき地形を見つけるが
決め手が無い。
峠手前のダート(砂利道)終点間際に
赤いマークと細い登山道発見。

殆ど朽ち果てる寸前の布マークの
隣に持参した赤のビニールを
巻き付け藪漕ぎ登山開始。
先ずは手始めに鈴庫山への藪漕ぎ。
トレースは在るものの
ここの藪漕ぎはちょっと半端ではない。

正に下の画像のような感じなのである。
これは芒なので
未だ楽に掻き分けられるが
この背丈より高いのを密集した熊笹に
置き換えてご覧。

すっかり落ちた楓 前庭石卓

遂に登山口発見! 高芝峠

小さな山頂標識を持って! 鈴庫山頂

大体熊笹の葉は剃刀のように
シャープで素手や素顔で
藪漕ぎするとあちこち傷だらけになるし
茎は頑丈な竹なので
簡単には掻き分けられない。

で右耳を切ってしまい血を流しながら
夢中で藪漕ぎしてると
地形なんてまるで読めなくて
何処に居るのかさっぱりわからん。
下手すると戻ることも出来なくなるかもと
赤いマークだけは必死に付ける。

仙人の幻術か? 読書の丘への野原

高芝峠から柳沢の頭迄ですら
こんな調子なので峠から高芝山へは
更に凄い藪かと覚悟して臨んだが
こちらはたいした藪ではない。
が藪から脱出してみると
進行方向に目指す高芝山は無い。

右の西方に黒々と大きく聳える山が
目指す高芝山なのでは?
頂から南西に延びる稜線上の鉄塔は
正しく高芝山のアクセサリー。
となると・・・しまった尾根を間違えた。
さて、迫りくる日没前に生還するには?

トランシーバーを出して
高芝山南西尾根ルートに向かっている
村上を呼びだすが応答無し。 

このまま高芝峠に戻るのが
ベストではあるが
最早そこにバイクは無いので
17kmを山荘まで歩いて
帰らねばならない。

夜行性熊のテリトリーである
竹森林道を夜間一人で下るなんて
まっぴらごめん。
となると明るい内に何としても
高芝山に達し
南西尾根からの村上と合流せねば。

り来る日没 稜線に消える陽 
14時35分ポッケの無線機が喋りだす。
「今、南西尾根の稜線に出たので
開局しました。
そちらの現在位置をどうぞ」
やったー助かった!
「こちらルートを間違え登り返して
高芝峠に向かっていますが
高芝山へのルートを見つけ次第
頂に向かいます」
で、猛烈に飛ばし15時05分頂に立ち
南西尾根上で村上と合流。

こうして《ちょっと夕焼け散歩W》は
分泌された久々の甘美なる
アドレナリンをちょっぴり味わって
終わったのでした。



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