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仙人日記
 
 その112の32015年  弥生

3月3週・・・星々の誕生:宇宙へ放たれたじゃが芋

イータ(η)芋芽カリーナ星雲 Eta Carinae Nebula
1752年3月17日 喜望峰 ニコラ・ルイ・ド・ラカーユ擬

いくつかの散開星団に囲まれた大きく明るい星雲である。
りゅうこつ座イータ星とHD 93129Aという、銀河系で最大級の重さと光度を持つ恒星の2つがこの星雲の中にある。
地球からは、6500光年から1万光年離れていると推定されている。
イータカリーナ星雲は、りゅうこつ座の中に見え、いて・りゅうこつ腕の中に位置する。
この星雲には、いくつかのO型星が含まれる。

空に見える散光星雲としては最も大きいものの1つである。
有名なオリオン星雲よりも4倍も大きく明るいが、南半球の高緯度地方でしか見られないため、
それほど知られていない。
1751年から1752年に喜望峰でニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって発見された。

(wikipedia)


命のエンケラドス
【2015年3月12日 東京大学】

地下に液体の海があるのでは、
と注目されてきた
土星の衛星エンケラドス。
日独米の共同研究により、
地球の生命を育んだのと
似たような海底の熱水環境が
現存しているらしい
ことが明らかになった。
土星の衛星エンケラドスは
直径500kmの氷天体で、
表面のひび割れから
その地下には
液体の水が大量にある

可能性が高いと考えられている。


30~40kmの厚さの氷の下には
海があり、
生命を育める環境にある
のではと注目を集めてきた。


竜骨座イータ星とは俺様


地球からは、6500光年

あれ、どうも
ばれっちゃったらしいぜ!
仙人の野郎、一目
発芽した俺たちを観るや否や
何だか、
カリーナ星雲だとか、
怪獣みたいな名をしたエンケラドス
だとか引っ張り出して
俺たちの出自をガサゴソ
嗅ぎまわり始めたぜ!
 
エンケラドスの地上風景の想像図
提供:
WALTER MYERS/SCIENCE PHOTO LIBRARY
 
Enceladus - Saturns moon
エンケラドスに昇る土星

 
エンケラドスは氷火山活動も観測されており、
間欠泉のように水が噴出するようす(プリューム)
探査機「カッシーニ」によって
観測されている。
ほな、ちょっくら生まれ故郷の
カリーナ星雲まで出張して
発芽したばかりの
紫と大地色の斑点を宿した
ご自慢の腕を
おっかーの散光星雲に絡ませて
仙人を歓ばせてあげようか!

あーそうそう帰りに
氷の下で命を育んでいる兄弟の
棲んでいる
エンケラドスに寄ってみっか!

銀河系では最大級だぜ

最大の星・竜骨座HD 93129A



ヴィラ(villa)ポテトカリーナ星雲 Villa Carinae Nebula
2015年3月17日(晴) 山荘倉庫 ミナライ・センニン

ありゃ、びっくら!じゃが芋が爆発しているでは!
何だか倉庫の奥の方が騒がしいので、ちょっくら覗いて観たら、どうですか、じゃが芋がカリーナ星雲に変身!
昨年収穫して倉庫に貯蔵しておいた男爵、メークインや北の灯りの種芋が、
いつまで経っても畑に植えてくれないもんだから、怒り狂って遂に爆発したんだ!
それにしても驚いたぜ、まさかじゃが芋くんだりが、宇宙で最も大きくて有名な、かのカリーナ星雲だったとは!

わり―ワリー、ほんじゃ今すぐ広い畑に植えてやっから
ぐんぐん大きく育って、沢山の立派で美味しい星を生み出しておくれ!


宇宙へ
放たれた芋

探査機「カッシーニ」に
ご挨拶して
エンケラドスに接近。

あれ!噴水だ。
公園の噴水を超デカに
した巨大なのが
彼方此方で
ブシュー、ぶしゅーと!

いい湯だねと
ひと風呂浴びたい気分。

エンケラドスの内部構造。
地下の海の水が氷の層を通過して
表面に噴き出している(提供:NASA/JPL)
だけれど、
何かおかしいぞ。

僅か直径504kmの
小さな、小さな氷の
衛星で、何でも
表面温度は平均で
-200度とか?

えっ!温度ってー273度で
終わりと云うか
始まりと云うか、絶対0℃で
あって、物質を構成する
分子運動のエネルギーの
統計値は0の筈。


これが生命じゃ!

何処へ行くかって?
総ては動かない
273度に近いー200度の世界で
なぜ氷を突き破って噴水が
出たり命が
生まれたりするんだ?

それはね、
エンケラドスの母星である土星が
引張ってるからなんだ。
ほら地球だって
月に引っ張られて海の水が
引いたり満ちたり
するだろ、あれとおんなじさ。

その潮汐作用によって
干潟が出来たりして地球でも
沢山の生命が生み出されるだろ。
エンケラドスでは
潮汐作用によって先ず
衛星内部が動き
摩擦熱が生じ高温になる。
そして融けた氷が爆発して
厚さ40kmもある殻を突き破って
噴火ならぬ噴水爆発が
生じるのさ。

あのね、海の水が
月に引っ張ららて満潮になったり
干潮になったりするのは
よーく解るけど
エンケラドスの内部が動くなんて
理由がわかんない。

それはねエンケラドスの
土星を回る軌道に
大きな理由があるんだな!
軌道が円を描いていると
エンケラドスは
均等な土星重力に支配され
比較的安定。

林檎畑に放たれた芋

そりゃ天空の彼方さ

2015年宇宙へ、旅の始まりじゃ!

処がエンケラドスの軌道は楕円で、その上太陽を回る彗星のように土星への
最接近の距離と、最も遠のいた時の距離が、大きく異なるんだ。

従って最接近時には最も強い力を受け
エンケラドス内部は土星側に動き、遠ざかるに従って、
元に戻ろうとしたり、反対側に引かれたりして強力な摩擦熱が発生。
それを潮汐加熱と呼ぶんだ。

ほら山荘壁画に描かれている木星衛星イオ、覚えてる?
あの高さ100kmにも及ぶ巨大噴火も
この潮汐加熱現象なんだ。
つまり山荘の生命は、あの壁画を通して仙人や、じゃが芋だけでなく、
みんなが潮汐加熱にはお馴染みなのさ。
だもんだから、じゃが芋の奴、いい気になってエンケラドスで
≪いい湯だね!≫なんて、ほざいているのさ。


カリーナ星雲から生み出される星々 Eta Carinae Nebula
2015年3月16日 山荘窯

星雲の炎を浴びて箸置き花器が、朱に染まっているね。
やがて炎に呑み込まれ、自ら灼熱の土塊となって燃え盛り、星になるんだ。

一千℃を超えるのに、うっとりと魅き込まれるような優しい暖かさを感じるのは何故なんだろう。
生命の存在を拒否した灼熱の異界なのに、慈愛に満ちた母の柔らかな肉体であるかのように、誘われるのはどうして?

あー焼き焦げて一筋の煙となって、消えてしまってもいいから、抱きしめられたい!
そうしたら、新しい星になれるだろうか!



竜骨座イータ星とは俺様
星 の 誕 生


スイートポテトと山茶花
 淡い蒼と菜の花



ようこそ!山荘へ

どきどき胸が騒ぐ。
窯の蓋を開ける時には
いつも未知なる期待で胸が
息苦しくなる。

瞬時に心を
鷲掴みにされるような
美しい星に
回り逢えるだろうか?

棚板の上に鎮座する凡庸な
星々を掻き分けて
一段づつ棚板を外し
宇宙の深奥を目指し進む。

あった!これだ!
こいつに逢いたかったんだ。
これこそ正しく
カリーナ星雲の炎によって
生み出された星。

地球からは、6500光年


生み出された星々
 
6つの三角皿



最大の星・竜骨座HD 93129Aだぜ
漆黒の宇宙に
無数の亀裂が走り
僅かに蒼みを帯び
光の世界へ。

宇宙を貫く
2つのトレイル。
過去と未来を
司る須臾の流れか!

光の速さで
6500年も掛る
遥か彼方の竜骨座。
あーお前は
そこから確かに
やって来たんだね。





閑人め! 星と戯れた後は枯葉とだって!


熊手で一輪車へ 

足で踏みつけて
ふんわり枯葉の香
2015年3月15日(日)晴

さてじゃが芋の植えつけも
半分ほど済んだし
本年2度目の素焼き、本焼きも
終わって窯出しで
新たな星との旅も堪能したし、
のんびりと
午後の読書タイムとするか!

陶芸用のレザーのエプロンを
脱ごうとした途端、
春のそよ風が優しく絡み着き
仄かに香ばしい香りを
漂わせ囁くのだ。

「あーら、未だお仕事が
残っているのではありませんか?
観てごらんなさい。
前庭も奥庭も池のぐるりも
枯葉に埋まっているのに
有機肥料を作る枯葉プールは
空っぽ。早く枯葉を
入れてと、嘆いていますよ」

そうだった。
毎年枯葉の落ち尽くす12月には
枯葉集めをしていたのに
あーもう既に暦は3月では。

枯葉プールへ

さあ、落とすぞ!




さあ、一気に落とすぞ!
枯葉のシャワーじゃ!
山荘活動日記3月16日より

大幅に遅れていた池と周辺の
枯葉集めにやっと着手。
取ってもとっても物凄い枯葉の量。
更に池周辺から
前庭へと進んだが、
そこまででギブアップ。

折れた肋骨は痛むし、
新たに過労腰痛が加わるし、
このままでは
愉しい枯葉集めが地獄に
なってしまいそうなので、
ローにギアチェンジ。
枯葉の匂いを嗅ぎ、
足で枯葉を袋に押し込み圧縮。
ふわふわの感触で遊び、
熊手で枯葉庭に絵を描く。
こうしてノルマから
自らを解放すると途端に愉しくなる

その後残りのじゃが芋を
植え付けて早めに畑から上がる。
何と歩いた距離が
13kmにも達しているでは!

実働時間は5時間程だが、
最早くたくた。
確かに持久力が大幅に低下している。
このままアキレス腱の
痛みが取れないと、
トレーニングは出来ないので、
持久力は衰えるばかり。
ま、それもいいか!

これじゃ甲虫の幼虫は出てこれないかな!



まるで枯葉の池の様

枯葉の氾濫じゃ!
枯葉で池が埋まるぜ!

どうも大地から
声が聴こえるのだ。
厚い枯葉の下や
石垣の穴で冬眠している
山荘の夏の主役達が、ぶつくさ
言い始めたらしい。
「いつまでサボっているんだよ!
【春の気、勃起を以って也】
春が勃起する2月4日の立春が
もうとっくに終わって
3月6日の啓蟄だって過ぎて
もう待ち切れないぜ!」

ありゃ、勝手に【立つ】を勃起に
替えたりして
喚いているのはどうも
蝦蟇ガエルだぜ。
しゃーねー、ほんじゃ池でも
掃除して蝦蟇ガエルの
お出迎えの準備でもしようか。

掬いアミと熊手で

池の底にもどっさり



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