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その107の3ー2014年 神無月 |
森に現れたブロッケン 再会の小倉山稜線にて 10月14日(火)晴(台風一過の夜明け) 散々悩んだ! 確かに未だ痛みは残るが、もう70日以上も安静にしてきたのだ。 徐々に朝トレを再開すべき時なのでは? そこで恐る恐る竹森川左岸を巡るお気に入りの里コースを、70日ぶりに歩いてみた。 ・ うーん何たる贅沢!動けること、歩けることの何と素晴らしいこと! 下りは問題ないが、登りにはアキレス腱が疼く。 嘗てはこの程度の痛みは当たり前で、トレーニングを続けてもそれ以上、悪化することはなかった。 ・ しかし今回は慎重に見究めねば、元の木阿弥になる恐れ充分にあり。 朝トレ後、即湿布を貼りアキレス腱に訊いてみた。 「どうだいお前さん、明日は山に登りたいのだが、いいかね?」 |
台風一過の青空 2階寝室 |
ベッドにいきなり 飛び込んでくる曙光に 目を覚まされ、 南の大窓に目をやると 青空にくっきりと 真っ白な富士。 雪かと見粉った白銀は 富士山体に纏わりつく雲。 |
白銀の山茶花咲き出す 居間鍵盤上 |
徐々にレースの様な 薄絹が薔薇色に染まり、 ずんずん心象に押し寄せ 肉体に纏わりつき 妖しく甘く生命を刺激する。 ・ 誘惑に抗しきれず 総てを放り出し小倉山に向かう。 台風一過の透明な光が 森に満ちて、 折り重なる無数の葉が ちらちら緑の光を散乱させる。 |
曙光を浴びる山頂標識 小倉山頂 |
沸き起こる一筋の霧が、 稜線の木立に絡んだ刹那、 曙光が霧を貫き 虹が生まれた。 ブロッケンだ! ・ ヒマラヤの未踏の稜線で 何度か目にし アルプス山稜ではお馴染みの ブロッケンだが 森の闇に現れたのは初めて! |
阿弥陀如来の出現か! 高芝山 |
ブロッケンの包み 小倉山 |
形而下の御来迎か! 富士山 |
弓で射ぬかれたアキレス腱を抱えて、奥穂高を護る前衛憲兵ジャンダルムを突破し 遂に奥穂高岳に達し、代償として左脚アキレス腱機能を失った仙人。 果たして仙人のアキレス腱は蘇るのか、それともアキレウスのように命を失うのか? その解を、夜明けのブロッケンに包んで森が届けてくれた。 ・ ≪あなたの母が海の女神テティスならば、アポロンやパリス王子は冥府の川に浸されなかった踵の弱点を知り 間違いなくあなたのアキレス腱を射抜き、命を奪うでしょう。 しかしあなたの母は山の女神・伊弉冉(いざなみ)であり、例えアキレス腱を射抜かれても 後光を背負った阿弥陀如来が形而下に現れて、御来迎してくれるでしょう≫ |
蘇ったアキレス腱の神話 再会の小倉山稜線にて 10月14日(火)晴(台風一過の夜明け) ≪そうかブロッケンは後光を背負った阿弥陀如来のことだったのか! そんならきっと、このブロッケンはアキレス腱の蘇りを告げる、阿弥陀如来のメッセージなんだ≫ と、まあ、何でも都合よく利用する、相変わらずの能天気な仙人にブロッケンも吃驚! この調子なら、きっと仙人は700歳を超えてまだまだ世に蔓延るのかもね。 困ったもんだ! アキレウスはプティア王ペレウスとネレウスの娘テティスの間に生まれた。 テティスはわが子を愛してその肉体を不死身にしようと、冥府の川ステュクスにまだ赤子であったアキレウスの全身を浸したが、 その時母親がつかんでいたかかとだけが水に漬からず、かかとの部分のみ生身のままで残った。 ・ アキレウスは長じて人中最大の英雄となり、トロイア戦争で活躍するが、ついにはパリス王子に弱点のかかとを弓で射抜かれ、 これが原因となって命を落とした。 (wikipediaより) |
台風一過の薔薇富士 寝室から |
紅葉する座禅峠 小倉山 |
台風19号の影響で 3人が死亡、 1人が行方不明となり、 90人が怪我 大型台風19号が 九州から四国、関西、 山梨上空を通過し、 全国的に被害が 続出していると云うのに 山荘では雨も風も 大したことなく、 そよ風に雨が 混じっているかな程度。 ・ 雨量が増えると 森に降った雨が 谷に流れきれず、 直接池に浸み出し、 森のミネラルを溶かし出し 池を白濁させる。 ・ その白濁度合いが 山荘雨量の 目安になるのだが、 今回は池が白濁もせず。 つまり通常の雨よりも 雨量が少なかったと 云うことなのだ。 ・ 嵐が去ったのであれば 活動を開始すべし! |
歓びとの再会 愛おしい60兆個の細胞が 必死になって、 活動できるよう肉体管理を 行っている御蔭で,私は今 此処にこうして存在している。 ・ その60兆の細胞の好意が、 ふと肉体を通して 伝わってくることがある。 生きていることに対する 素朴な歓びに満たされる瞬間。 ・ もう再びその歓びに、 触れることは無いかもしれないと 思っていただけに 今朝の小倉山トレーニングで、 歓びに再会出来た時は 心底嬉しかった。 ・ 応えねばならない。 それには60兆個の細胞総てを 稼働し酸素と熱源を与え 全身から汗を迸らせ、 コスモスそのものを 躍動の歓喜で満たすのだ。 |
森に満ちる夜明けの光 小倉山稜線 |
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座禅峠の夜明け 小倉山 |
台風の名残を纏う高芝山 寝室から |
ワインレッドの残照に酔い痴れ舞う芒 西畑での夕刻散水 一角獣座から届けられた葡萄の水晶が、夕日に染まってワインになるなんて実に、お魂消たね! ぐらんまの口から噴出された水晶が あんまり美しくて美味しいもんだから、畑の芒まで酔っぱらって踊り出しているでは。 こんな不思議な魔術を、ぐらんまは一体どこで修行して手に入れたのかね。 |
ぐらんまより ぐらんまの魔術を知りたいって? それは勿論、長~く生きて来たぐらんまだからできること。 実は46億年も前から、ぐらんまのそのまたぐらんまというふうに伝えてもらってきたの。 今ぐらんまは、未来の生命を生み出して、 もうじき闇の彼方へと旅立つ準備をしているところなんだね。よーくみて御覧。 きらきら光りながら吐き出された水晶は、ひと粒ひと粒がみんな星のかけらなのさ。 ぐらんまの体の中から、飛び出した星のかけらの元素が、再び集まって、 新しい命が誕生するんだよ。 |
初収穫の生姜も大きく育って |
過熟した蕩ける柿です |
葡萄なんかに負けないぞ! 紅色の山荘の秋物 難しいのです。 山荘菜園歴20年にしても 出来なかった生姜が 初めて土中から まともな姿を現した時は 嬉しかったね! |
何しろ山梨県の降雨量は 全国1の少なさ。 まーこれで美味しい果物が 出来るのだが 水分を好む生姜にとっては大敵。 ・ 連年水分の多い場所を選び 栽培してるのだが不作。 今年は葡萄畑石垣下で栽培。 此処は収穫後の野菜屑を使って マルチをし、更に 奥庭排水管からの野菜洗いの 水の落下場所。 遂にやったね! |
虫食い林檎だけど美味しいよ |
待ちきれず出て来た芋 |
さあ、次は白ワインを噴き出すわよ! 西畑での散水 |
一つの命が年老いて役目を終えるとき、宇宙の星が超新星爆発を起こすように、 内部で作られたあらゆるものを放出して、新しい命に托すんだね。 それが仙人の魔法のカメラで捉えたら、 こんなにも華麗な、ぐらんまの超新星爆発画像になったんだね。 (・・・これらは、前の世代の星たちが一生を終える時にばらまいた多様な元素でできています。 つまり星は、元素から生まれ、元素に帰るのです。 私たちの身体も、地球や太陽、夜空の星々も、みんなこの元素の大循環の一部。 そして宇宙を流転する物質のすべては、さかのぼれば、 宇宙最初の3分間 に生み出された物質へと行きつくのです。 <「宇宙図・人間の材料は何処から来たのか」より>) |
夏の種から生まれた秋胡瓜 |
ぱっと咲いて にょきにょきと2,3日で育ち ちょっと目を離すと 超巨大なお化け胡瓜になって それで収穫は終わり。 ・ 従って胡瓜種は2、3週間程ずらして 何度かに分け播種しないと 夏中の安定収穫は望めない。 しかし種が尽きて最早 秋収穫に向けての播種は無理。 そこで思い切って お化け胡瓜の種を蒔いたら あれ、実が成ったぜ! |
昨年の種が勝手に発芽し収穫 |
夏播種に失敗し再挑戦の秋大根 |
これ又勝手に育った青梗菜 |
夏蕪を捨て美味しい秋蕪へ |
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アケビが滝に落ちてきた! |
よく熟れた無花果もどっさり |
誰が置いていったの? 幾つものアケビが 奥庭の滝下に 忽然と現れたではありませんか。 ・ 村人が置いていったにしては 過熟し過ぎで とても食べられないような果実も 混じっており、おかしい。 それに滝下に置くなんて在りえない。 |
となるとあとは森の住人しか 考えられない。 大食いで腹減らしの熊が 好物のアケビを態々 仙人に贈呈する筈ないし、 ましておや鹿や 猪がそんな気の利いたこと やるとは考えられない。 ・ 滝の上を観ると、 ほら山茶花に絡んでアケビが 幾つもの実を着けて いるではありませんか。 気が付かなかったな! |
さて今朝はどれを食べようか! |
柿が色付くともう秋 |
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降雪前の薔薇富士 10月14日晴 山荘寝室より 台風19号が去って北風が吹いたことなどから、 16日朝は各地で今秋一番の冷え込みになった。 甲府地方気象台は富士山の初冠雪を観測した。 平年より16日遅く、昨年より3日早い。 同気象台によると、午前7時の富士山頂の気温は 氷点下12.3度。 山頂はすっぽりと雪で覆われた。 山梨県富士吉田市は 「富士山初雪化粧宣言」を出した。 ( 2014年10月16日毎日新聞) |
激変!初冠雪富士 僅か一夜にして雪化粧 10月16日(木)晴 |
翌日の15日に初冠雪 富士吉田市上空で 2014年10月16日午前8時57分、 毎日新聞本社機「希望」から矢頭智剛撮影 |
朝の食卓に山荘果物 |
何と云っても柿が最高 |
こんな美味しい柿を 今まで捨てていたなんて 信じられない! ・ 毎年この時期になると 過熟した柿が 干し柿にされる前に ポトリぽとりと落ちてしまい 悔しい思いをしていました。 |
若しかするとこれ 食べられるかもと試しに 食べてみたのが昨年。 その美味さに思わず狼狽。 ≪しまった。こんなに旨いのに 今までこれを 捨てていたとは!≫ ・ それからはこの落柿が愉しみに なって、落ちるたびに いそいそと奥庭に出向き収穫。 ほら今朝もご覧のように 美味しい落柿が 食卓を飾ってくれました。 |
虫食い林檎も悪くないぜ |
どうこの秋の煌めき |
アケビの仄かな甘さも痺れる |
蕩ける甘さの落柿、 今年は生り過ぎで 大きくならなかった虫食い林檎、 髪切り虫の執拗な攻撃に 耐えて実を結んだ無花果。 ・ それに仄かに甘いアケビが 加わったら山荘の秋は 益々豪華になるね。 |
無花果と柿のコラボは贅の極値 |
「おいおい! 夏からずーっと豊かに食卓を 飾ってきた野菜を 忘れちゃいかんぜ!」 ・ そう呟くのは今葡萄畑で すくすく育っているブロッコリー。 中畑で繁茂する アスパラガスも唱和して 「蕪だってトマト、オクラだって ナスやピーマン、モロッコだって 随分愉しんでいたのに 忘れちゃだめよ」 |
おいおい!トマトを忘れるなよ |
林檎畑に植えた甘柿の苗木が 中々大きくならない。 何が原因なのだろう? 日射は充分だし やり過ぎない程度に施肥してるし。 ・ そんな心配をよそに 4年目の今年になって実を 沢山つけたが 小さい木にやたらめったら結実 したもんだから いずれも小さい実ばかり。 こいつが食卓の主役になるのは いつのことやら。 |
不思議な森の物語 斜面には、しっとりと水気を含み黒々とした幹がどこまでも立ち並ぶ。 重なりあった幹の隙間を、白いリボンのように柔らかな霧が流れてゆく。 反対側の森に目を向けて、ふっと浮かんだ虹色に吃驚して足を止めた。 森の蔭を背景に、ゆっくりと流れる霧の川。そのなかに、丸い虹色が浮かんでいる。 虹色の真ん中に自分の影がくっきりと刻まれて。 こんな間近にまさかブロッケン現象が現れるなんて、信じがたい。でもこれはまぎれもない森のブロッケンだ。 ・ 不思議な森の物語が始まっていたのだ。 その瞬間に足を踏み入れたから、ブロッケン妖精に出逢えたということか。 仙人の復活を祝って、小倉山が特別な魔法の時間に招待してくれたんだね。 小倉山の山頂では、仙人の創作陶器の標識が迎えてくれた。 光の散乱と森のブロッケンとたくさんのお土産を携えて、 何だか生まれ変わったみたいな新鮮な気持ちで、山を後にした。 |
食卓には秋の宝石もいいね |
食卓に欠かせないのが 庭や森の花々や 木々の宝石。 ・ こんな風にさり気なく 置いてみると 雄弁に語りだすなんて 驚いたね! |
侘び寂び調の鬼灯 |
コラボ野菊の紫銀とキーボード |
お色直しのアンネ薔薇 |
漆黒の角と白銀の山茶花 |
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