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その107ー2014年 神無月 |
しつこいぜ!2か月経っても治らんぜや! アキレス腱炎変じて鬱となるの巻 ついに仙人の堪忍袋の緒が切れたのだ。 ・ アキレス腱を手術した時でさえ、未だ抜糸の終わらぬ5日目に 関東労災病院のスポーツ整形外科を、松葉杖を突いたまま飛び出し、 山荘に自主退院し山荘活動を始めたのだ。 1週間後に地元塩山病院で抜糸してもらい その2週間後には甲斐駒ケ岳の氷壁で遭難した隊員の救助に向かい 縫合部分が開いてしまわぬかと畏れつつも、本格的な登山活動を再開したのである。 ・ にも拘らずだ、今回はアキレス腱負傷後2カ月もおとなしくしていると云うのに いまだ山荘の低山にさえ登れないとは、一体どうゆうことなんじゃ! |
ぼく山荘野菜大好きな燕くん(5歳)です アキレス腱の鍼とお灸に来たお母さんと一緒 手術後18年を経て、更に老化しポンコツになった肉体を忘れて仙人は、叫ぶのだ。 「 たかがアキレス腱の腱鞘炎で、2か月も山に登らないなんて、在りえない。 こうなったら唯安静にしてアキレス腱を甘やかすだけでなく 鍼をぶっつり突き刺したり、艾に火をつけてアキレス腱を火炙りの刑にしたり 大いに甚振ってやろう」と張り切って鍼灸治療に臨んだのだ。 |
香さんのブリーフィング 仙人の決意とは裏腹に、 とても鍼責め火炙りの刑とは、 比べもんにならない快適さ! ・ これじゃ負傷したアキレス腱め、大喜びして もっとやって!と 仮病を装っていつまでも治らないのでは! |
あれっ!鍼は緩やかな刺激が気持ちいいし、 お灸なんぞ、暖かくて眠くなるし、 その上鍼灸師の香さんが、 母なる大地のような慈愛に満ちていて 1つ1つの治療の所作が実に優しくて優雅。 |
先ず右のアキレス腱から |
さあ、次はお臍にお灸を! どうも全身には手太陰肺経から始まり任脈に至る14もの経路があるらしい。 手太陰肺経は≪肺。手の太陰の脈は中焦(中)に起り、下って大腸を絡い、 還って胃口を循り、膈に上って肺に属す≫とある。 14番目の任脈とは≪生殖器内部から起こり、会陰に出て、腹部正中線を上行する。 口唇下部で2枝に分かれ、顔面を上行して目に入る≫とある。 ・ 更にこの14経路は唖穴(アケツ)と名づけられた1番目のつぼから 最後の腕骨(ワンコツ) と呼ばれる475番目までのつぼを有し 全身を網羅しているらしい。 60兆個もの全身の細胞は、互いに連携しつつこの壮大な1つの人体宇宙を 形成しているのだ。 ・ で、人体の中心に位置する臍に火をつけて 「さあ大変だ!宇宙の中心から煙が出ているぞ!」と脅かせば 流石のアキレス腱も 「やべえ、痛いなんぞと云っちゃいられねえ、こうなったらオイラの出番。 韋駄天の如く走って逃げるのは このオイラのアキレス腱様に任せておくれ!」なんちゃってね。 |
左肋骨には鍼を |
耳なんぞに鍼を刺され 仙人はうっとり! 駄目じゃこりゃ。 この快楽の虜になってしまい 仙人はこの先 あの過酷な修行が 続けられなってしまうに違いありません。 |
背骨の右には鍼を |
耳にも壺が |
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腓腹筋にも2か所灸を |
手指も繋がっているから鍼を |
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これ艾の棒で、上下させ温度調節 ほら煙がモクモク出て来たよ。 アキレス腱から遥か離れた宇宙の中心からの 蓬のメッセージは果たして アキレス腱に無事、届くのだろうかね? ・ そんな仙人の思惑を凌駕し 香さんは慈愛に富んだ眼差しでにっこり 微笑むのでした。 ・ と、どうでしょう! 居間でTVを観ていた燕くんが突然叫んだのです。 「ぼく、お寿司が食べたーい!」 どうもTVに回転寿司が出てきたらしいのです。 そりゃそうだよね。 もう2時間もお母さんを待っているんだもの。 お腹ペコペコだよね。 |
アキレス腱の痛みを取るのに 全身に走る14の経路 に刺激を与え 各経路に分散するつぼに 鍼や灸で信号を送って 宇宙全体に呼びかけるなんて ワクワクするね。 ・ 物凄い強烈な生命力で大地を突き破り 山荘畑の此処彼処で芽を吹く蓬。 その蓬の生命力を艾にし つぼに乗せて火をつけるなんて面白いね。 |
艾の煙がパイプの穴からモクモク |