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その100の2ー2014年弥生 |
山荘にクレバス出現 水源地の雪解け あの大雪の日から1か月も経つのに 山荘の森は残雪がいっぱい! さて山荘の水源地は どうなったかなと森に分け入ると どうです、深い雪には裂け目が出来ているでは! ・ 夏のアルプスに出来るシュルンドと 呼ばれる残雪の割れ目や ヒマラヤの氷河に出来るクレバスを 彷彿とさせる 実に立派な雪の造形。 こいつが解けて 山荘の滝になったり水道に注いで コーヒーやビアになったりするなんて なかなか愉快だね。 ・ まるで山荘がヒマラヤの ベースキャンプになったようで 嬉しくて思わずスキップしたら グランの奴、嗤いやがるんだぜ! |
この雪が 解けて山荘の 滝やお風呂に なったりするんだ! |
ヒマラヤの クレバスの 気分だぜや |
癪に触るからリードをグイと引っ張ったら グランの奴、深いクレバスの闇の中から 慌てて飛び出して来て 澄ました顔して云うんだ。 ・ 「あークレバス探検は面白かったな。 あの雪の下がどうなってるか 仙人にも教えてあげたいな! 暗くて寒くて唯々、絶望しか棲んでないと 思ったら大間違いなんだよ。 雪解の冷たい水をたっぷり吸いこんで、 闇を心地よい眠りに変えて 草花の根は 生命の予感に満ち溢れているんだぜ!」 |
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水仙 前庭 |
山茱萸 前庭 |
水仙 前庭 |
雪の中で 雌蕊は花開く。 体に蓄えた 糖を燃やし 雄蕊が早く成長し 受粉出来るよう 温めると云う。 ・ その体温は 20℃にも達し 雪をも 溶かしてしまう。 |
雪の座禅草 座禅公園 |
雌蕊の体温に 抱かれて 花粉が育つと 早春の寒さを衝いて 虫達がやって来る。 ・ 雪の寒さの中で 行われる 凍てつくような受粉は 爆発する 春のプロローグ。 |
蕗の薹 奥庭 |
水仙 前庭 |
大犬のふぐり 奥庭 |
森を駆け回ったのは 土曜日の朝トレは扇山。落葉樹が伐採されて視界が開け、富士山が素晴らしい。 所どころ斑雪が残されている。山頂標識に触れ下山してくると、伐採場で懐かしいグランとオバが登場。 この2匹と森を駆け回ったのはいつが最後だったかと思いだそうとしたがわからない。 グランはがっちりと体格が良くなった。 人懐こいのは変わらず、グラン!と呼びかけると嬉しそうに甘えてくる。 忘れないでいたんだね。 オバは以前にも増し鈍重な相貌で、更に臆病になったのか山荘まではついて来ず仕舞い。 |
蛙の産卵準備 山荘池 この蛙歌を訳すとこうなる。 ≪春だぜや、堪らんね。 池に卵を産みたいんだが未だ仙人は 池底の枯葉も浚ってないぜ。 早くしてくれよ≫ ・ まー飽きもせず この歌が延々と続くんだから 堪んないのはこっちだぜ。 そこで忙しい仙人は 畑作業も、林檎畑の伐採も陶房工事もうっちゃって せっせと池底の枯葉を浚うのでした。 |
鹿威しのカスタネットに合わせて 大きな蝦蟇達が≪春のうた≫を日がな一日謳う。 ほっ まぶしいな。 ほっ うれしいな。 みずは つるつる。 かぜは そよそよ。 ケルルン クック。ああいいにおいだ。 ケルルン クック。 (草野心平) |
池掃除 山荘池 |
さあ、やっと春だぜ! 蛙の卵うじゃうじゃ 山荘池 小さな雄が大きな雌に 乗っかって せっせと命を造っているでは。 何だか目がトロンとして 肉体も精神も 無窮の彼方に在るような。 ・ そうか、これから 生みだそうとしているのは 無窮の虚空を 埋め尽くす為の星々なんだな。 |
朝一番に池を覗いたら うわー、凄いぜ! どうだい、この銀河の連なり。 ・ こんなに沢山の 星々が放たれたら無窮の虚空だって あっという間に 星々の光に満たされて ケルルン クック。ああいいにおいだ。 なんて謳いだしたりして! ・ 愉快だね。 虚空がそんな風に謳いだしたら。 |
上条山へ向かう |
越冬した蝶 奥庭 |
白梅の下に咲く紅梅 奥庭 |
紅梅と緋縅蝶 奥庭 翅の縁を良く観てごらん。 鱗粉が剥がれ薄くなって 破れているだろう。 もう、とても飛べるようには 観えないよね。 |
だいたい変だろう? 未だ雪が残っているのに 蝶が飛んでいるなんて。 ・ そうなんだ、こいつ藪の中で 寒い冬を越して 春の太陽とともに飛び出し エノキの芽吹きを 待っているんだ。 ・ 美味しい若葉を子供たちに 食べさせる為 芽吹いたエノキに産卵してから 死ぬんだよ。 |
白梅より遅咲の紅梅 奥庭 |
太陽を浴びる蝶 奥庭 |
森の中でふっと迷う |
北の森を背景に咲く白梅 奥庭 梅と云えば 山荘には欠かせない食材。 梅を砂糖に塗して 梅のエキスを絞り出しこいつを ビアのフレーバーにすると ビアを超えたビアが出来るんだ。 さて今年の遅咲き梅の味はどうかな? |
白梅と杏子も春を謳う 奥庭 いつもなら一番先に咲いて 暗い北の森に 眩い銀の光を投げるかけるのに 今年は1か月も遅れて 杏子と一緒に咲いているんだぜ。 梅の奴。 |
高芝山を抱く杏子 西畑 |
稜線上を歩く幸せ |
グランと一緒に 上条の森 |
グラン久しぶり! 上条の森 |
≪今日は、ちょっと 贅沢をしようか、グラン!≫ ・ いつもは山荘の庭の一部の ような扇山を散策したり ピーク2まで足を延ばしたり 山荘目の前の 小倉山に登ったりするのだが 今日は特別だぜ。 |
そうさ、なんたって折角 グランが来てくれたんだから 大切にしている 一番素敵な森へ行こうぜ。 ・ 山荘での最高の贅沢は 山荘産ビアやワイン、野菜、果実では なくてこの上条の森の散策なのさ。 そうかやっぱり グランもそう思うかい! 嬉しいな。 |
グラン早いね 上条の森 |
さあ、頂だ! 上条山 |
茜の彼方に |