混沌仙人終焉の抄Ⅱ

2251ー2024年 葉月


 





仙人寝室の木星大赤斑を睥睨し、忍び寄るシューメーカー・レヴィ彗星の翳

《アマルティア》と名付けられた仙人の寝室から観える木星は、寡黙にして雄弁に囁く。
その声にいざなわれ恐る恐る仙人は、アマルテアのパンと呼ばれる100kmに及ぶ最大のクレーターの縁に佇む。
ふと仙人は不安を抱く。木星の第5衛星であるアマルテアは余りにも木星に近すぎる。
天空の殆どを木星表面が覆いつくすアマルテアの公転軌道は、若しやロシュ限界に限りなく接近しているのでは!

そこで1994年のシューメーカー・レヴィ第9彗星の木星衝突での仙人計算メモをチェック。
《(ρ1/ρ2)1/3の値にそう大きな相違は無いとみると木星のロシュ限界は約16万kmとなるのだ。
アマルテアの公転距離はで18万1150km、ロシュ限界より2万1568km外側を公転していることとなる》
木星の直径が約14万kmであることを考えると、アマルテアは木星にへばりつき、
破壊されるロシュ限界のすれすれ、僅か2万kmの位置で木星への激突を免れているのだ。



木星の衛星アマルテア
(カメラ「ジュノーカム」で撮影)

アマルテアは、太陽から受け取る熱よりも多くの熱を
放出していることが観測から知られています。
これは木星の強烈な磁場の中を周回しているときに、
アマルテアの核に電流が誘導されるためかもしれません。

あるいは、木星の重力に起因する潮汐力によって
熱が発生している可能性があります。
ジュノー探査機は現在、38日で木星を1周しています。
ジュノー探査機は木星に最接近するたびに搭載する
カメラ「ジュノーカム」で木星や衛星を撮影しています。

そのデータは一般に公開され、誰でも処理することが可能です。
この画像は、市民科学者のGerald Eichstädt氏が
ジュノーカムのデータを元に作成したものです。
Image Credit:
Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS
Image processing by Gerald Eichstädt(参照)NASA 
ジュノー探査機がとらえた木星と
小衛星アマルテア
2024.05.15 17:30 

矢印の先に小さな点として見えているのが、
木星の衛星アマルテアです。
アマルテアは半径が125×73×64kmしかない非常に小さな衛星です。


アマルテア
木星の知られている衛星のうち内側から3つ目の衛星
木星からの距離: 18万1,000 km
直径: 189 km (270 x 166 x 150)
質量: 7.17e18 kg

ガリレオ衛星のうち最も内側を公転するイオよりも内側にあり、
0.498日で木星を1周しています。
ちなみに木星の赤道半径は7万1492kmです。


 
ジュノー探査機がとらえた木星大赤斑
2024.05.15 17:30  NASA)


何と、アマルテアは天空の神
木星(ゼウス)に乳を
与え育てた乳母の雌山羊だと言う。
こんな小さな星にアマルテアと
命名したのは
仏天文学者カミーユ・フラマリオン。
 

火星には海や運河があり
地球より優れた種族が居ると述べいた
カミーユ・フラマリオンは何故
アマルテアと木星の関係に
ゼウスの乳母と
しての雌山羊を登場させたのかな?
 
 
この小さなアマルテアから
木星は育てられ
やがて天空の神が産み出された。
132年前の1892年に発見された
アマルテアは今や仙人の乳母と
なりて千一夜物語を語る。 




ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したシューメーカー・レヴィ第9彗星、
1994年7月16日から7月22日までの間に、相次いで木星の大気上層に衝突


Comet Shoemaker–Levy 9

1993年3月24日8時頃(協定世界時)に、パロマー天文台で観測中のユージン・シューメーカーキャロライン・シューメーカー夫妻とデイヴィッド・レヴィ(en)によって
おとめ座に発見された。通常の彗星とは異なり、彗星核は長さが1分ほどの棒状に見え、棒の中に幾つかの点が光って見えた。
木星への接近の際にロッシュ限界を突破、潮汐力によって核が砕け、少なくとも21個の破片が連なっている。核が棒状に見えたのはこのためであった。
(wikipedia) 
 



ロシュ限界RLは、
次の式でも求まる。

RL=2.4554×r1
×(ρ1/ρ2)1/3

 
質量の大きい方を
主星(密度ρ1、半径r1)、
小さい方を伴星(密度ρ2)とする。
伴星の自己重力は
距離の2乗に反比例するが
、主星からの潮汐力は
距離の3乗に反比例する。
 

つまり主星と伴星の密度が等しければ、(ρ1/ρ2)1/3=1となり主星直径をDとするとr1=D/2なので
RL=1.2277D
となる。


ほらこれで木星直径の1.2倍と云うロシュ限界が示された訳だ。

  



深さが8000mもあるアマルテアのクレーターを覗き込みながら、仙人は木星のロシュ限界の距離を知るため数値を弄ぶ。
木星のロシュ限界:RL=2.4554×r1×(ρ1/ρ2)1/3
木星の平均密度ρ1は0.857g/㎤で アマルティアの平均密度ρ2は1.326なので
ρ1/ρ2≒0.646・・・  この立方根、つまり3分の1乗はと、平方根なら0.8039.2437・・・と計算機で簡単に出るがりっぽうとなるとちょっと面倒。

そこでPN道具箱数学計算ツール立方根計算を使ってρ1/ρ2≒0..8039を入れると0.9298・・・。
木星半径r1=69911kmより RL=2.4554×r1×(ρ1/ρ2)1/3=2.4554×69911×0.9298≒15万9582km。
(ρ1/ρ2)1/3の値にそう大きな相違は無いとみると木星のロシュ限界は約16万kmとなるのだ。
アマルテアの公転距離は近木点で18万1150km、ロシュ限界より2万1568km外側を公転していることとなる。





史上初めて多数の人々が目撃した、
地球大気圏外での物体の衝突の瞬間

マウスを当ててごらん!
木星に呑み込まれた仙人が回帰するぜ!

シューメーカー・レヴィ第9彗星の木星衝突により、それまでは可能性として語られるだけだった
地球への天体衝突が、
現実の問題として急浮上されることとなった。

彗星の分裂核は、1994年7月16日から7月22日までの間に、相次いで木星の大気上層に衝突した。
これは史上初めて多数の人々が目撃した、地球大気圏外での物体の衝突の瞬間であった。
(wikipedia) 
   






アマルテアの乳を呑み
育った仙人は、
乳液の白いヴェールに包まれて
森の枯葉絨毯から
ぽっこり顔を出しました。

   ウェブ アニメーター
マウスを当ててごらん!
仙人が木星に呑み込まれるぜ!
 
      マウスを仙人に翳すと
白いチーズのようなヴェールが
パカンと割れ
仙人はあっという間に木星に
吸い込まれ再生され、
現れたのは真っ赤な大赤斑2つ。

 


 




蔓薔薇が2階イオテラスまで!
 
やっとアルテミス咲いた!

イオの軌道を超えて
蔓薔薇がイオテラスに入り込んだ。
この蔓薔薇をテラス下の
発射台に載せてイオに向けて
発射したのはいつだろうか!

アーカイブスを追って調べるが
膨大な資料に紛れて
中々見つからない。


蔓薔薇アーチも見事! 

春になるとイオテラスから
蔓薔薇の発射台を後にした蔓の
延び具合を確かめる。

数年後にやっとテラスの中ほどに達し
小さな蕾を膨らませ、
確実にイオの軌道に迫りつつある。
うん、もう少しだ、頑張れよ!

  

 凛とカサブランカ!
   
甘い誘惑カサブランカ!


 
     
     




パンケーキだぜ!

笑ってる!
 
白饅頭か!

熊スプレーのシミュレーションを
してみて、とんでもない勘違い発見!
催涙ガス円筒ボンベのカートリッジを
嵌め込んだ状態では拳銃のような
撃鉄がついている。

従って当然催涙ガスの発射口は
カートリッジの先と
思い込んでいた。
しかしよく見るとカートリッジの先は
実は発射口ではなく、
底であることに気付いた。

 
熊避け催涙弾ピストルか!

となると今までの認識通り
熊に向けて撃鉄を引くと、自分に
催涙ガスを浴びせることになるのだ。

このままシミュレーションせず熊に遭遇し、
催涙ガスを発射したら仙人は
失明の重症を負い動けなくなり、
熊の餌食に
なってしまったかも知れない。

おー、ナンタルチア!
ふとシミュレーションの必要を感じたのは
神の啓示か!

  

赤モミタケのふりか! 
 
緑色の団扇茸か!
 
火力の衰えた火焔茸か!