215の1ー2023年 神無月
この白銀太陽は糸杉の花なのかしら! 10月5日(木)曇晴 山荘前庭のジプレッセン(糸杉)からニョッキリ顔出した桃菜と白銀時計 生命や豊穣のシンボルで在りながらジプレッセンの花言葉は《死、絶望、哀悼》 『星月夜』、『2本の糸杉』、『糸杉のある小麦畑』など糸杉を描いたゴッホは、 「糸杉のことがいつも僕の心を占めている」と弟テオに書簡で述べている。 自らの耳を剃刀で切り落とし、銃で37歳の自らを撃ち殺したゴッホの、生前に売れた絵は《赤い葡萄畑》1枚だけだったと言う。 ゴッホに惹かれ「春と修羅」でZYPRESSENを謳った賢治の生前に刊行された本は 《春と修羅》、《注文の多い料理店》の2冊。 羅須地人協会時代の自炊で、冬は凍てついたままの飯を食べ、おかずは油揚げ、漬物、トマトの粗食を選んだ賢治。 死の直前まで禁欲的菜食主義を貫いた賢治は、結果として自らの肉体を死に導き、37歳で死んだ。 《死、絶望、哀悼》を花言葉とするZYPRESSENに賢治もゴッホも捉われ、生命活動の絶頂期37歳で死んだ。 その死は最早決して熱を発することのない白銀の太陽となって、知的存在の時を刻み続ける。 山荘のZYPRESSENに咲いた白銀の太陽を見上げると、 熱を失った光にゴッホや賢治の凍てついた息吹が観えるのだと、仙人は宣う。 |
サファイアを5つ寂しいと時計は言う |
太陽は地球の時計なんだ! |
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前にも記したが、 簡単だと想定した作業が 実に厄介で やたらと手間暇がかかり、 投げ出したくなることがある。 今度の糸杉に、まるで糸杉の 花で在るかのようにさり気無く、 時計を設置しようと始めた作業が 全くうまくいかない。 最初、中型の時計を 防水シートを掛けて 設置したが、前庭から見ると やや小さくて見難い。 大型に代えようと昨日購入した時計に 透明な防水シートを被せ、 糸杉の上部に掛けようとしたが、 糸杉の細い枝では大時計の重さを 支えきれず固定できない。 そこで中型時計の設置に使った 破損した立鍬を、 そのまま使えないか試行錯誤。 |
白銀の太陽が欲しい!と時計が嘆く |
問題の1点は 時計を掛けるフックを、 防水シートに穴を開けずに どう取り付けるかである。 円形時計の最上部防水シートに 両面テープを貼り、そこに スポンジを付けそのスポンジの上から 強い金属パンチで 時計の枠を挟みこんでみた。 アイデアは良かったが 挟むこむ力が足りず、 静かに扱うには問題ないが、 時計を揺らすと パンチが外れて落ちてしまう。 この問題をクリアーしないと 先に進めない。 で、廃材部品の置いてある窯室 を覗いててみると、あった! 屋外防水灯の強力パンチ。 これなら糸杉を揺らす 強い風が吹いても 時計を落すなんてことはなさそう。 |
鳩時計になった天空南瓜 |
向日葵だって時計よ! |
あたしはこの糸杉から時間をもらったのよ! 10月5日(木)曇晴 サファイアリボンの短針が桃菜に時を注ぎ込む あたしは2021年2月4日19:00に誕生した、およそ87万6600時間を宿す37兆個の細胞の集合体です。 死、絶望、哀悼の花言葉を囁きながら、87万6600時間の生命を桃菜に注ぎ込む糸杉時計。 2年と8か月間の時間を吸い込んで桃菜はこんなにも大きくなりました。 逆方向を向いてますが黒く大きな瞳に映っている白い光は、白銀時計だって解りますか! 時計の上部が耀いているでしょ!今この刹那にもあたしは光から時間をもらって、ズンズン大きくなっています。 こうして両手で握りしめたサファイアから直立する、時計の短針を口に含むと、冷たく甘い汁に満たされ、 37兆個ものあたしの細胞に時間が流れていきます。 あたしは細胞原子に潜む素粒子と時間から創り出された小さな宇宙、もっとたくさんの時間を吸って美しい銀河になりたい! |
風呂場窓に黄星脚長蜂 |
西畑の向日葵も終わり |
赤星胡麻だら揚羽蝶 |
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山荘池端の曼珠沙華も枯れた |
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針金虫・仰天の生態(小倉山麓) |
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昆虫に寄生し昆虫を入水させる |
此処って糸杉の心象風景なのかな! 10月11日(水)晴 サファイアリボンに導かれてやってきた桃菜と碧の背後光 サファイアの碧の光を発しながら、手には時空リモコンを翳しサングラスをかけて恐る恐る桃菜! あら!髪の毛が碧く光り出したわ。両脚も腕も何だか碧い光が・・・サングラスのせいかしら! あたしだけじゃなくてテーブルクロスもカーテンや壁画も碧の光に染められている。 もしや人間の体内に含まれている黄燐が燃えているの! 燐て0.63%しか人間体内に含まれていないけれど、死と共に黄燐となり、時として魂と見紛われる光となるとか。 黄燐は僅か60℃の低温で燃えるから死体から碧い光を発し、墓地を覆う糸杉に漂う! もしや芸術家の眼には糸杉の死、絶望、哀悼の花言葉が碧い光となって、観えるのでしょうか! 桃菜は時空リモコンを右手の人差し指でぷちっと押してみました。 あらら、怪しげな壁画の裏に潜んでいた糸杉が、碧い光を総て吸い込み仙人の館は一瞬にして明るい光に満たされて、ほら! |
どう見ても珊瑚 |
昇り龍茸の筈だが? |
猛毒火焔茸 |
今年のキウイは大きい |
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虫食いだが美味しい林檎 |
南瓜大当たり種とっておこう! |
これ甘くて美味しい! |
百匁柿を背景に芋から新芽がニョキリ! 10月28日(土)晴 中畑の薩摩芋金時の試し掘り 芋栽培専門にしている中畑は、凌霄花が縦横無尽に根を張り次々とミサイルを打ち込み薩摩芋は殺戮され虫の息。 取ってもとっても強靭な生命力で広大な石垣領土から中畑領土に押し寄せ、此処は我が領土だ! と叫び侵略を正当化し無抵抗な薩摩芋苗を殺す。 国連安全保障理事会薩摩芋軍事参謀委員会の理事長でもある仙人は、黙って見過ごす訳にはいかず当然のことながら 凌霄花にのさばり専制主となって自由自在・意のままに凌霄花を操る風狆を叩きのめす作戦を実施。 ミサイルを送り戦車を送って薩摩芋を援けるよう各国に働きかけた。 しかし一進一退を繰り返し、仙人は今年の薩摩芋の豊作は望むべきもなく、瘦せ細った小芋にしか逢えないと覚悟。 ところが地下深く掘ってみて吃驚!どうだ、この芋の大きさ! 甘さを齎す陽にも干さず早速食べてみた。確かに甘さは緩いが栗の如きホクホクで美味なり! やったぜ! |
奥庭金木犀の甘い香り |
咲き続けるサフィニア |
お見事なサンパラソル |
七変化アンネ薔薇 |
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蔓延るセイジ |
前庭に不老不死華出現! |
ガラステーブルに躍り出た桃菜! 10月26日(木)晴 夜明けの光を孕んで咲く薔薇と桃菜 碧い光を総て吸い込みカリスト部屋は一瞬にして明るい光に満たされて、ほら! 深夜の闇をたらふく部屋に詰め込んだカリストは、 新たに山荘住人となったガラステーブルに突き破られ、 薔薇の花に光の懐胎を許し、 東雲のタワーマンションに眠る桃菜に光の回廊を貫かれ、快晴の夜明けを迎える。 髪の毛が今度は碧でなく白銀に光り出したと思ったら夜明けの山荘に出たわ! きっと山荘と私は繋がっているのね! |