《E》 ロタ島・原野を突っ走る



どうも夜明けにスコールは去ったようだな ホテルのテラスで

絶好のドライブ日和になりそう ホテルのテラス前
原野へのドライブ
4月4日(木)晴

不安が無いと云えば嘘になる。
そりゃ慣れない左ハンドルも
さることながら
なんと云っても島の正確な道路地図
なんて無いし
ネットで調べた観光マップでは
至る所点線だらけなのである。

点線とは舗装されていない
四駆用のジープ道らしいのだ。
しかしその点線道路を避けたら
空港とシナバル村、ソンソン村の
3箇所を結ぶ道路しか無く
島を巡ることは出来ない。

お、韓国ヒンデの新車だな! ホテル車庫
問題はスコールである。
四駆用のジープ道であっても
雪の積もった山荘道のように
上手く加速すれば
走れないことは無い。

しかし熱帯の激しいスコールに
襲われると道は
ぐしゃぐしゃになってしまい
普通車の出番は無い。

現在は乾季であるがそれでも
1日に2回程のスコールは
やってくる。
が、今日はうまいことに夜明けに
スコールが来たので
夕刻までは降られずに済むかも。
よし、原野を突っ走ろうぜ!




瑠璃色の海の先には荒々しく削られた岩肌をさらして半島がつき出ている。
岩肌へ向かって押し寄せた波が砕けて真っ白なしぶきをあげると、そこには限りなく透明なアクアブルーの隙間が生み出される。
スカイブルーとマリンブルーが混然一体としながら、総てが驚くほどにクリアでヴィヴィッドな色彩の世界。
サングラスが無ければ眩しすぎて見詰めていられないほど光が氾濫する。

さんざんに揺られながらも海上走行を存分に楽しみ、やがて昨日と同じようにホールの前から潜行。
穴の中はまだうす暗い。あれ?と思ったが、間もなく岩壁面の上部にスポットライトを当てたように光の輪が生まれる。

気をとられているうちに予想外に浮上してしまい内心焦る。ホール上部の開口面近くまで浮上、かなり大きな開口部があるようだ。
水面で光が揺れている。
再びゆっくりと潜り、天井から降り注ぐ光の帯に目を瞠る。光の量が圧倒的に豊かなのだ。
射し込んだ光が薄暗い洞窟の中央に光の円柱を創りだす。
光の柱の中に飛び込んで見上げると、天井から光のシャワーが降り注ぐ。全身を光に洗われ、自らの肉体が透明に浄化されていく。
息を吐くたびに無数の泡が海中に放出され見る間に光のリングへと変化しながら天を目指す。




先ずは洞窟博物

博物館の管理人家族

骸骨のお出迎え

銃と何故かサックス
先ずは洞窟博物館
 4月4日(木)晴

「レンタカー予約しといて!」
とホテルのオーナーに云っておいたが
車が来る気配がない。
車どころか客が居ないので大体
レセプションに人が居たためしがない。

やっとオーナーを探し出し
「車は何処?で、幾らなの?」と問うと
「車はそれ。1日85j」
指差したのはホテルの車では。
「えっ、高い!ブルーパームなら65j」
「なこと云ったって保険も込みだから」
「まー70jだな」
と云うことっで契約成立。

後で調べたら65jは保険無し料金で
別に保険料が29jで計94j。
その上送迎料金も必要だとか。
つまりブルーパームより
24jも安い料金で借りられたのだ。
だが貸し自転車は新車なのに
不良車で酷い目に遭ったので要用心。

タタチョ岬への海岸通りを走っていたら
右手に「Cave Museum」の看板。
観光客が居ないので此処も
いつも閉まっているらしいが入り口まで
登ったら重い扉を開けてくれた。

「あたしビーダって云うの」
と迎えてくれたのは
可愛い女の子家族と日本軍兵士らしき
骸骨と錆ついた銃の数々。
銃に混じってサックスまで在る。
「これ日本軍の銃よ」と
持たせてくれた銃を構えたら
ポキンと折れてしまったでは。ヤベー。

洞窟から出たら大きな椰子蟹が
のそのそ歩いている。
大きな物は脚を開くと1bにも達し
鋏脚は強力でボールペンや万年筆を
簡単に切断するとか。

構えたら銃把が折れた

深くい石灰岩洞窟

勿論、観光客はも居ない

あれ、椰子が歩いているぞ 
 
此処では椰子蟹料理が名物


車は最果ての岬へと走る


しんと静まり返った海中で自らの吐き出す息が生み出す、ぽこぽこぽこというリズムに合わせ光の玉が輝くさまは華麗で神秘的な世界だ。
思わず何物かに祈りの姿勢を取りたくなる。光は人の心を照らす。語られなかった無数の想いが解き放たれて天空への飛翔を試みる。
隊長がカメラの不調をジェスチャーで訴えている。
私のカメラを隊長に渡して、交互に撮影するが、なかなか意図したようには写せない。
被写体になっているのも忘れて、光のカーテンにくるまれ踊り遊ぶ。水と光と戯れ時間が過ぎるのも忘れる。

昨日も今日も、ロタホールは我々だけしかいないので、その神秘的な光を誰に邪魔されること無く存分に味わえた。
ひっそりと控えていたガイドの和地さんが出口に向かって移動を始めたので、ようやく現実に帰る。
洞窟の入り口から出る時もまた美しい。陰から陽へ。明るいブルーの海中世界は何処までも澄んで、空を飛んでいるようだ。
この最後のダイブはタンクの残量計が20を切るところまで最大限潜っていた。
ロタホールにたっぷりの光が差し込むといかに美しいかを味わった今、
出来る事なら、時間や季節を変えて再びあの光のシャワーに包まれてみたいと思うのだった。



テテト・ビーチ ロタ島で一番有名な白浜ビーチ


ヒマラヤの奥地から絶海の孤島まで随分彼方此方放浪したが
人の住んでいる場所で
これ程までに人影が絶えている地は滅多に見当たらない。
主な道路にも道路標識なるものは無く
ジープ道に入ると熱帯林と、決して踏み込むことの出来ない
ぎざぎざに尖った珊瑚石灰岩が進行を頑として拒否。

ここで道を失い進むことも退くことも出来なくなり
リングワンデルングに陥る。
途方に暮れ眼を皿にして、少しでも見覚えのある
樹木や道路の形状を頼りに・・・。
まるで地球外惑星に居るかの如く
絶えて人無し



スイミング・ホール 真水が湧きだしているプール 

アス・マモス・クリフ 太平洋とフィリピン海の荒波がぶつかる岬



午前中にダイビングが終えられるので、3本目は潜らずに、陸の散策に費やした。
レンタサイクルが利用できるそうなので早速自転車を借りる。大きな車輪の白い自転車はなかなか恰好が良い。
ところがいざ出発となった段でトラブル発生。ハンドルが固定されず、簡単に動いてしまい危なくて乗れない。
もう1台はサドルがぐらぐらでこちらも危ない。
急いで修理を頼むが、ちっとも埒が明かず、道具を探したり、スタッフ総出で変わり番こにあれこれ試みたりで、ようやく出発できるようになまでずいぶん時間をロスした。

海沿いに通じる道を走り始めると、目の前に迫ってくる海のあまりに鮮やかで美しい色彩に魅了され、何度も止まっては写真を撮る。

昼下がりの強烈な南国の太陽の下、海は原色の青を水平線まで洋々と広げてみせる。

自転車を走らせれば風が体にまとわり涼やかで快適だ。
ただしこの自転車ブレーキが無い。
否、手元には無いのであって、ペダルブレーキなのだ。
バックに回転させると自動的にブレーキになるという仕組み、このブレーキに慣れるには少々時間がかかる。
おまけにサドルのさ調節が効かないので私には高すぎて、乗り降りに苦労する。




赤尾熱帯鳥 アカオネッタイチョウ
(Red-tailed Tropicbird)
ペリカン目ネッタイチョウ科
(体長 L96cm、W112cm)

崖と海に護られた鳥の聖域
サクアガガ・バード・サンクチュアリ
鰹鳥 カツオドリ
(Brown Booby)
ペリカン目カツオドリ科
(体長 L73cm、W145cm)


帰巣せんと飛翔する赤脚鰹鳥

営巣中の赤脚鰹鳥

飛び込み魚を捉える瞬間 赤脚鰹鳥
 赤脚鰹鳥 アカアシカツオドリ
(Red-footed Booby)ペリカン目カツオドリ科(体長 L70cm、W152cm)

若しかしたらガラパゴスで出逢った真っ赤な喉を膨らませたあの軍艦鳥に逢えるかも知れないと
最も期待してやってきたバード・サンクチュアリだったのだが・・・・。
先ず営巣しているサクアガガの崖まで遠すぎて、望遠で覗いても鳥の表情を捉えることはとっても出来ない。
その上、鳥の種類が少なすぎて眼に着くのは赤尾熱帯鳥と赤脚鰹鳥ばかり。



サバナ高原の原野へ

平和慰霊碑・岐阜県可児市の碑

J・クリスティーナ王国

廃業したフルーツ農園

日本軍の大砲

此処では米軍との闘いは無かったとか

ガソリン満タン4ガロンにして返す



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