仙人日記
   その992014年衣更着
2月1週・・・STAP細胞の夜



STAP細胞の夜
癌の闇から燦然と昇るSTAP細胞
立春イヴの夜明け 2月3日(月)晴 石卓

弱酸に晒されてSTAP細胞が出来るなら、胃から逆流してきた胃酸に襲われた食道の細胞が
無限に繰り返される試行錯誤の結果
1つくらいSTAP細胞になってもおかしくは無い。
実際、胃酸に襲われた食道の細胞は暫し炎症を起こし、更に刺激が続くとSTAP細胞と同じく無限増殖を開始する。
しかし増殖を始めた細胞は新たな臓器となるのではなく、無秩序に蔓延る。
その結果が食道癌である。
胃酸に襲われた食道の細胞が無限に繰り返される試行錯誤の結果、STAP細胞に生まれ変ることは決して無いのだ。

しかし人類の知能の総てを集結させても現在なお無限増殖を止められぬ癌細胞が、
図らずもSTAP細胞と出自が同じかも知れぬとは!
深く不気味な底知れぬ闇でしかなかった癌細胞のテリトリーから、燦然と昇るSTAP細胞が観えるではないか!


無限増殖する輝く細胞はかSTAP細胞か?
2月9日(日)晴 山荘眼下の雪夕映え

1つ又1つ小さな細胞が煌き出し、凍て付いた雪と氷の海に無限増殖の紋様を描く。

この紋様を西方の右に辿ると、山梨大学の生命環境学部附属ライフサイエンス実験施設に到る。
この実験施設の施設長である若山照彦教授がハーバード大から作製依頼を受け
STAP細胞を使ってキメラマウスの作製に成功したと知り、俄かにSTAP細胞が山荘の身近な存在となり、仙人を揺さぶる。
生命環境学部には地域食物科学科ワイン科学センターも属しており
山荘で手さぐりのワイン醸造を始めた頃、
センターの山川祥秀先生とは、何度もメールや電話のやり取りをしながら、仙人は教えを請うたのだ。

その同じ生命環境学部からワインどころか、キメラマウスが産み出されたとあっては
仙人も穏やかでは居られないのであろう。
ところでそのキメラマウスは如何にして造られたのか?
仙人はこの山荘眼下の宵闇の灯を観ただけで、興奮して収まりがつかず、
無限増殖するSTAP細胞の彼方を追うのであった。




光をみ増殖する氷晶 山荘滝

前庭で呼んでいるのはお前さんかい?
何だって!光を懐胎したって!
そうか目の前の水晶山から連れて来られた
お前さんにとっては
今、水晶峠から昇って来る太陽は
遙かなる原始の記憶なんだ。

それでその原始の記憶を孕んで
一体、何を生みだそうと云うんだい?
光を身篭った卵細胞
2月7日(金)晴 山荘庭

滝の飛沫が奥庭の芒の葉を捉え
氷の卵細胞を創りだす。
卵細胞は光で受精し無限増殖を開始。
ほら又1つ新たな細胞が
絶望の闇を背景にして生み出された。
 
光を胎し光を産み出す水晶 山荘前庭

母体を繋ぐ盤形成を果たしたSTAP細胞
2月9日(日)晴 山荘眼下の雪夕映え

山梨大学の生命環境学部では受精後の無限増殖の準備の整った卵細胞にSTAP細胞を注入して
如何に育てたのか、ちょっくら覗いてみよう。

《そんなの出来っこない》と思いつつも若山照彦教授はキメラマウス作製への試行錯誤開始。
先ずES細胞と同じ手法で細胞の塊を酵素処理してばらばらにして注入してみたが、STAP細胞は胎児にならず。
まーこんな風に簡単に云うけどこの試みだけでも1年半も掛かっているのだから半端じゃない。
次に細胞をばらさず20〜30個程度の塊にして注入してみたんだが
この技術は細胞工学初期60年代の職人技で、切り分けるのも注入するのもとても難しい。
刃渡り僅か1oの極小メスを顕微鏡で観ながらの操作なのだ。

しかし呆気ないほど即成果が現れ、マウスの胎児はSTAP細胞の緑の光に輝き出したと云う。
調べてみると驚いたことにSTAP細胞は胎児になっただけでなく
胎児と母体を結ぶ胎盤組織にも変化し、ES細胞やiPS細胞より前の段階まで若返ることが出来たのだ。

その事実が、この山荘眼下に広がる無限増殖の紋様を描く凍て付いた雪と氷の海で
生み出されたかと思うと、興奮で思わず震えてしまうな。
煌く細胞を連ねた眼下の景観が、何となく山荘と生命環境学部を繋ぐ胎盤組織にも、観えてくるではないか!
うーん、そうなれば山荘が受精卵となって初期化されることも、不可能ではない。
なんぞとSF世界に没入する仙人でした。



自然界では有り得ぬ奇跡

何の変哲もない、いつもの画像に観えるって!
そりゃ余りにも哀しいぜや。
何故仙人は山荘では見慣れたお馴染みの蔓梅擬の紅い実を、敢えて大きな画像で載せたか?

いいかい、この紅い実は冬将軍の死の進軍ラッパを聴きながら永劫の眠りに就いたんだ。
紅い実は寒風に曝され落ちるか、鳥に食べられるかして跡形も無く消えてしまい
やがて蔓梅擬は裸になって春を待つんだよ。
冬将軍の退散ラッパで目覚め、太陽の温もりを慎重に確かめ何度も躊躇いながら蔓梅擬は
おずおずと画像のような緑の星々を枝先に着ける。
 性細胞へ・・・ 万能性細胞の超越
2月9日(日)晴 死の眠りに着いた紅い実と碧く芽吹いた蔓梅擬 山荘食卓上

そう、紅い実は晩秋の死の産物、緑の星は春の生の息吹であって
決して双方が同時に同じ蔓梅擬と云う宇宙に展開することはあり得ないことなんだ。
自然界では有り得ぬ奇跡が山荘の食卓の花器で実現したんだぜ。
この緑の星を見つけた時の歓びと驚愕が、STAP細胞の発見と重なったとしても可笑しくないのに
山荘庭のジョン・シルバーや箆鹿やアイベックス、壁面の鬼達は笑うんだ。
そんなに可笑しいかな?

《解ってますよ、つまり紅い実が死の癌細胞で、緑の星がSTAP細胞でござんす。
と仙人は云いたくて態々こんなに画像を大きくしたんだろう》
と彼らは宣ふのです。


よ!ご両人、登場しましたね。
小保方さんはムーミン好きや
エプロン姿で子供達に
身近な親しみやすい科学者として
登場しました。

が若山照彦教授はもっともっと
大きな朗報を
出来の悪い子供と親に齎しました。
まーまー先ずwikipediaを
ご覧下さい。

小さいころから学校の成績は悪く、
小学校の成績は5段階評価で
ほとんどが
2だった。
小学校6年間で理科に
4が1つついたのみだった。
高校では
数学は1位となったものの、
他の科目の成績は
悪いままだった


これだけじゃないんだぜ。
更にこう続くんだ。
地元の公立高校から1浪して、
受験科目に
英語のなかった
茨城大学農学部に進学

STAP細胞でキメラを作製した若山照彦(46)
左:小保方晴子
(30)
もう嬉しくてわくわくしちゃうよね。
きっと自分でも掴めない
得体の知れぬ興味と云う爆弾を
抱えていたんだろうな。

そいつがちっとも学校の枠に
収まりきれず
《出来の悪い子》のレッテルを
張り付けられたまま
《くそ、ほんなら
受験科目に英語の無い
茨城大学農学部に行ってやれ!》
となったんだろうね。

大学に入ってからも
大学院の指導教官と対立したりして
ハワイ大学に留学。
そこで遂に才能が爆発。
2008年には、16年間
冷凍保存していたマウスの
クローン作製にも成功したりと大活躍。

山梨大学の生命環境学部には
2年前の2012年に来て
生命工学科教授に就任したとか。
こんな人が山荘眼下の
里で活躍してるなんて
実に嬉しいな。


成功キメラマウス作製
2月3日(月)晴 キメラの節分・・・あやちゃんから贈られた鬼面


鬼面の鹿 ゲート

キメラ(play google comより)

うチベット鹿 ログハウス
さて受精後の無限増殖の
準備の整った卵細胞にSTAP細胞を
入れてキメラマウス作製成功。
更に胎児と母体を結ぶ胎盤組織
までが生じたなら
若しかするとこのSTAP細胞は
万能性(Pluripotency)どころか
全能性(Topipotency)をも有しているかも!

それでは受精卵である胚にではなく
 直接子宮に
STAP細胞を入れてみたら
果してどうなるのだろうか?

若しも子宮内で胎児への
無限増殖を始めたなら
STAP細胞は受精卵と同じ
全能性を持ち
STAP細胞だけで生命の総てが
創り出せることになる。

当然その実験は既に行われ
現在のところ胎児への
無限増殖は確認されていない。

全能性を持つ受精卵と
STAP細胞には如何なる壁が
在るのか?
世界の研究者達が
血眼になって追い求めてている
様が目に浮かぶ。
 
キメラに戸うジョン 前庭

目を通せるだけのネット情報や
マスコミ記事を見た限りでは
STAP細胞が全能性を持ち得る
可能性については
否定的若しくは無視するかして
触れていない。

しかし今回のSTAP細胞が
「何百年にもわたる細胞生物学の
歴史を愚弄している」
と論評されたように
いとも簡単に覆され
全能性を有した超STAP細胞が
見出されるのは
時間の問題であろう。

その細胞はsuper STAP細胞
つまりSSTAP細胞と名づけられ
生命工学は
全く新たなる時代に突入するのだ。

癌に冒された臓器は
特定臓器をプログラムされた
STAP細胞の注入により
移植の必要無く体内で自己複製し
死そのものさえ甦らせ
生のリセットを可能にする。

そうして初めて人類は
銀河宇宙への旅を
手にすることが出来るのであろう。
なんぞと仙人は誇大妄想を
募らせ、にんまりほくそ笑むのだ。 

キメラをえる鬼 ログハウス

と兎のキメラ

キメラをう鬼 ログハウス



熱き挑戦・・・が最初に成し遂げるか?
人間の体細胞からのSTAP細胞作製

こう述べてくると恰も直ぐそこにSTAP細胞の薔薇色の未来が洋々と開けているように思えるが
実は未だ人間の体細胞からのSTAP細胞作製には成功していない。
が、鼠の細胞で出来て人間の細胞で出来ない理由はない。
ハーバード大学を始めとする世界の研究機関の何れかが、恐らく近日中に
人間の体細胞からのSTAP細胞作製に成功し、実験の詳細が発表され初めてSTAP細胞は
人間をターゲットにして走りだすことになるであろう。

数百年後、無限の再生が可能となった知的存在は次のステップとして
脱肉体の生命体の模索を開始するであろう。
人間の知能が人間と云う肉体を超え、宇宙そのものを知能の媒体とするその日が迎えられるほど
果して地球の知的存在は賢いのだろうか?
誇大妄想を募らせ、にんまりとほくそ笑む仙人に、山荘のキメラ擬を装った剥製や仮面達は
いつもの冷笑を浴びせるのである。



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