その86の2ー2013年睦月 |
1月2週・・・或る時は仙人また或る時は樵
伐採の過程は、事故が連鎖的に発生することが多く、熟練の作業者が丁寧に安全を確認しながら実施しても、これを完全に防ぐことは出来ない。
林業労働者の労働災害発生率は、平均的な工場労働者の10倍から20倍以上になるなど非常に危険な仕事の一つとされている。
(wikipediaより)
なんてことを果して仙人は自覚しているのだろうか?
ザックを背負って小倉山へ |
頂に着いたぞ! |
鋸を担いで頂へ 1月12日(土)晴 どうしてこれ程までに 頭が硬直してしまったのか! 山頂からの山荘眺望を邪魔する あの1本の松の木は 何としてもこの手でギーコギーコと 何時間、いや何日かけても 伐るつもりでいたのだ。 ・ そのため生木伐採専用の鋸を探して 3か所のホームセンターを 訪ね歩いたが 大木用で切れ味よくて安い鋸無し。 |
で、ふと気付いたのだ。 そうか、折角のエンジン式のチェーンソウが あるのだからこれを ザックに入れて小倉山まで持ち上げ 伐採すればいいのだ。 ・ 硬直した脳はこの素晴らしい 文明の利器に想い到らず 伐採を決意してから 1年もの時を徒に消費してしまった。 さてとチェーンの弛みを0.5〜1mmにして これでエンジンさえ掛かれば・・・。 |
チェーンの弛みを調整してと |
さてエンジンが掛かるか? |
つい2ヶ月前に縦走した南アルプスを観ながらの伐採スタンバイ 1月12日(土)晴 小倉山頂 |
先ず倒壊方向への受け口の切れ込み 先ず斜面の谷側に受け口の切りこみを入れて 倒壊方向を定める。 急斜面なので足場が不安定で スリップしそう。 ・ 本来ならば水平の切り口を入れた後に 30度程の角度で上から切りこみ 三角形の切り株を取り出す。 これで倒壊方向が定まるがこの上からの 切り込みは足場が不安定だと チェーンが喰い込まずやり難い。 |
或る時は仙人 また或る時は樵 1月12日(土)晴 小倉山頂 見ろやこの樹幹の太さ。 こうして木に寄り添ってみると おいらの胴体ほどの太さがあるで。 こいつを手鋸でギーコギーコやっていたら いったい何時間かかるやら。 |
急斜面で足を踏ん張って! |
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反対側への追い口の切り込み その場合切り口は追い口ではなく受け口になってしまい 切り口にかかる圧力は樹木の全重量となり とてもチェーンソウを引き抜くことは出来ない。 つまりチェーンソウを放棄して 逸早く逃げねばならない。 ・ さて刃は樹幹の半分を通過。 ヤバイ、此処から急に刃が重くなった。 若しかすると倒壊方向が反対になったか? |
そこで上からの角度をつけての切り込みは無し。 倒壊方向は定まっていないまま 山側に廻り追い口の切り込みにかかる。 樹幹は緩やかに山側にカーブしているので予測に反し 山側に倒れる恐れ充分にあり。 果して追い口側に木が倒れて来た時に チェーンソウを素早く引き抜いて 逃げることが出来るか? |
うーん、どっちに倒れるんだ! |
数十年の時を刻んだ年輪が 切断面に現れ 低い呻き声が樹幹から大地に伝わり 大地から足に響く。 ・ 呻き声はめりめりと叫び声に変わり 僅かに谷側へ傾き始め やがて勢いを増し 予測通りの方向へドウと倒れた。 数十年の時を刻んだ大木が 僅か数分のチェーンソウの回転によって 薙ぎ倒されてしまった。 さらば!百代の過客よ。 ・ さてこの松が邪魔で頂から 山荘が見えなかったと云うことは逆に この松は山荘を見下ろす |
やったー!予測通りだ |
絶好の位置にあり 山荘の誕生以来ずーっと頂から 山荘を見つめ続けてきたと云う事になる。 ・ そうだったのか、 それじゃ山荘のテラスでワインを 傾けながらいつも 見上げていた小倉山頂には必ず お前が居てじーっと こちらを見つめていたんだ。 んじゃ、今夜はお前の為に宴を開き 別れの詩を歌おうか! ・ そんな調子のいいこと云ったりして そんなの呑む為の屁理屈に 決まっていると 倒された百代の過客はちゃーんと 知っているのでした。 |
チェーンソウ右面 |
参ったぜ! 1月11日(金)晴 陶芸室 うんとも、すんともいわんぜ! ・ さてそれでは長年の課題であった 小倉山頂の伐採に 出かけようかとマシンを整備し エンジンを掛けようと 幾らリコイル・スターターを引けど 始動せず。 これじゃ明朝の伐採は断念か? |
チェーンソウ左面 |
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先ず混合ガソリンとチェーンオイルを入れ ブレーキレバーを前に倒す。 それからこうだ。
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チェーンソウ上面 |
確かにこれでいいのだ。 しかし10分、20分試みても エンジンは沈黙したまま。 ヤベー! 確認の為に説明書を開いてみると な、ナ、na,んとオイルが 紙に滲みて裏表の文字が重複し 読めないではないか! ・ 焦って最も重要な各部名称と 始動手順のみを何とか読み解いて 画像に記録し新たな説明書を作成。 その新たな説明書に沿って 再度最初から手順を踏んでスターターを引く。 しかしうんともすんとも云わない。 ・ エンジンが掛ったのは翌朝であった。 |
序に登山道の整備 |
こいつがずーっと邪魔だった |
これでやっと通れるぞ! |
小倉山の森を遮る倒木伐採 1月12日(土)晴 小倉山の森 自然倒木が登山路を横断し通れなくなって久しい。 何度も動かそうと試みたが立ち木の間に挟まり動かせない上に重くてにっちもさっちもいかない。 考えてみればこのエンジン式のチェーンソウなら一発で済む。 小倉山の頂で威力を発揮したチェーンソウでグイーンと僅か1分足らずで問題解決、あーすっきりした。 ・ 自然倒木は恐ろしいのだ。恐れているのは山荘の北の森の倒木。 高さ30mにも及ぶ松、椎の木が山荘建物から15m程の処に十数本立っているのだが やがてこの木々も枯れて自然倒木になるは必定。 となると斜面の下側に位置する山荘建物に倒れ掛り、北側にある大きなガラス窓を直撃し悲惨なことになる。 実際直ぐ近くの大木が1本枯れて隣の木に倒れ掛り風が吹く度に森のセロになって、ギーコギーコと歌っているのだ。 そうなる前に木をロープで固定し伐採せねばならない。 |
伐採で初めて見えた山荘全容 1月12日(土)晴 小倉山頂 ばーん!遂に天空から山荘敷地の全容が明らかになったぜ! どうでぃー! グーグルマップなんて較べもんにならぬこの鮮明さとアングルの明快さ。 小倉山のたった1本の松の木がぐんぐん延びてすっかり山荘を覆ってしまったが、これで四季折々の画像が撮れるぜ。 |
夕日を追って |
稜線に出た途端に |
闇から光へ 冬の醍醐味 1月12日(土)晴 P2稜線 夜明けの太陽が山荘を包むや否や 零下にあった山荘は ぐんぐん暖められ二重ガラスを通して 差し込む陽光暖房は 日没まで素晴らしい威力を発揮する。 |
山荘が最後の夕陽を受けて 扇山の山影に入ると 無性に太陽が恋しくなって 再び光に逢いたくなって 居ても経っても居られなくなって 扇山の稜線に駆け登る。 ・ するとずーっと待っていたかのように 消えてしまった太陽が 迎えてくれるのだ。 あーこの瞬間の 太陽の何と愛おしいこと。 |
この瞬間の美しさに陶然! |
稜線を超えると眼前に富士 |
突然稜線の彼方に現われた燃える富士に言葉無し 1月12日(土)晴 夕刻16:17 |
クレソンと頬白 山荘池 |
水浴順を待つ頬白 山荘池 |
「此処だよ」と頬白が河原鶸に・・・ 山荘池 |
李花芽 (川原鶸) 奥庭 |
山荘に集う野鳥たち 1月13日(日)晴 山荘奥庭 ・ 珍しく河原鶸の群れがやって来た。 奥庭の住人顔して頬白が 「ほら此処で水浴び出来るよ」 と山荘池を教えているような・・・。 |
日向ぼっこ (川原鶸) 奥庭 |
林檎の花芽は未だかな (川原鶸) 奥庭 |
仲良しの川原鶸 奥庭 |
てっぺんだぞ!(川原鶸) 奥庭 |
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